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8月の自殺者が15%増 コロナで踏ん張るも“心が折れた”恐れ(2020年9月12日『日刊ゲンダイ』)

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必要なのは公助

 やはりコロナ禍の影響なのか――。

 警察庁によると、この8月、全国で自殺した人は前年同月比246人も増えて1849人となった。15.3%増の大幅増だ。


 今年の自殺者の推移を見ると、前年同月比は1月の横ばい以降、2~6月は大幅に減っていた。

 ところが、7月に前年同月比2人増と横ばいになり、8月に大幅増となった。

 厚労省は新型コロナウイルスの感染拡大が自殺者の増加に影響しているのかどうか、詳しく分析するという。東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏が言う。

「自殺者の増加は、コロナ不況の影響を否定できないでしょう。6月まではさまざまな政策が打たれ、経営が厳しい中でも多くの経営者はまだ先々に絶望はしていなかった。歯を食いしばっていました。6月にいったん第1波が収まりましたが、7月初めから再び感染が広がり、将来を見通した時、『もうダメだ』と悲観的になる人が増えたと推察しています。実際、夏ごろから廃業を考える中小企業の経営者が増えています。自殺者の増加も同じ要因だと思われます」

7月までは踏ん張っていた中小企業の経営者や、非正規社員ら低所得者が、8月に心が折れてしまった恐れがある。

■それでも“自助”を強調する次期政権

 実際、不況と自殺者増がつながっているのは間違いない。京大の研究グループ「レジリエンス実践ユニット」(ユニット長・藤井聡教授)によると、実質GDP成長率が下落すると、失業者が増え、自殺者が増えるという相関関係は実証されているという。

 同ユニットが4月に行った試算では、コロナ不況で今年度の実質GDPがマイナス14.2%になると想定すると、最悪時(20~21年度末)に失業率が6.0~8.4%にハネ上がり、年間自殺者は3万4449~3万9870人(19年度比1万4280~1万9701人増)に上るという。

 驚愕なのは、年間自殺者数が19年度の水準に戻るまで、19~27年間かかり、自殺者の増加数は累計14万~27万人になるということだ。

経済評論家の斎藤満氏が言う。

「将来への悲観が広がっているのは、第1波の時に給付金の少なさや遅さを経験し、政府に対して失望を強めていることとも関係あるでしょう。しかも、菅官房長官は“公助”より先に“自助”を強調しています。困っている時に『まずは自分で何とかしろ』と言われても、どうすればいいのか。次期政権も国民に安心を与えるコロナ対応は全く期待できません。この先が思いやられます」

 加藤厚労相は10日、「生きづらさを感じている方々へ」と題した緊急メッセージを発表したが、窮地に立つ国民が求めているのは、言葉よりも、目に見える“公助”の方なのだ。



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