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「安倍改憲」なぞる菅氏=岸田、石破氏は独自色―自民総裁選(2020年9月13日配信『時事通信』)

 自民党総裁選は、憲法改正をどのように進めるかが争点の一つだ。菅義偉官房長官は、自衛隊の憲法9条明記を主張した安倍晋三首相の路線を踏襲、国会での議論進展に期待を示すが、首相のような熱意は感じさせない。石破茂元幹事長、岸田文雄政調会長も改憲の必要性は認めるものの、いずれも9条改正への姿勢は菅氏と異なる。

 ◇安倍首相と温度差

 菅氏は8日の民放番組で「憲法改正で自衛隊の位置付けを盛り込むべきだ」と表明した。自民党は2018年、(1)9条への自衛隊明記(2)緊急事態条項の創設(3)参院選の合区解消(4)教育充実―の改憲4項目を策定。安倍首相は中でも9条改正に強いこだわりを見せていた。

 菅氏は「与野党の枠を超えて建設的な議論が行われる環境をつくる」とも述べ、衆参両院の憲法審査会で野党の積極的な議論参加を促す考えも示している。

 ただ、憲法改正を宿願とした安倍首相との温度差は明らかだ。自民党の閣僚経験者は「菅氏は憲法より実利的な課題に関心がある」と指摘。同党が「改憲勢力」として期待をかける日本維新の会幹部も、菅氏とのやりとりから受けた印象として「本人にやる気があるとは思えない」と話す。

 実際、憲法に関する菅氏の「認識不足」をうかがわせる一幕があった。8日の民放番組で「自衛隊の立ち位置が憲法の中で否定されている」と発言。実際には、政府は自衛隊について、自衛のための必要最小限の実力保持であり合憲との解釈を示しており、菅氏は9日の記者会見で「言葉足らずだった」と釈明に追われた。

 「安倍改憲」阻止を掲げてきた野党は、「菅政権」になっても態度を軟化させる兆しがない。立憲民主党の枝野幸男代表は10日の記者会見で「一つの勢力だけで強引に進めるやり方にはくみしない」と、性急な改憲論議にくぎを刺した。そもそも新総裁の任期は残り1年。日程が大きく制約され、議論は停滞が続きそうだ。

 ◇9条改正固執せず

 岸田、石破両氏は9条改正にさほど固執しておらず、それぞれに独自色を出している。

 岸田氏は党の改憲4項目について「9条も大変重要だが、それ以外に現代的な課題はたくさんある」と指摘。首都直下型地震を念頭に置いた緊急事態条項の創設や教育の無償化など、9条以外に力点を置く構えだ。

 石破氏は、改憲4項目は党の意思決定機関である総務会で了承されていないとして、党の正式な改憲案と認めていない。戦力不保持を定めた9条2項の削除を盛り込んで12年に策定した党改憲草案が「今でも自民党唯一の案だ」と主張。憲法への政党明記など別の項目を論点に挙げている。 




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