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三春町手話言語条例

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手話言語条例制定を歓迎する町聴力障害者会のメンバーと町議ら
 
 福島県田村郡三春町議会は、2020年9月8日の最終本会議で、手話を言語として捉え、手話の普及に努める町手話言語条例案を可決した。

 同種の条例は、福島県内では、福島県、郡山市、伊達市、福島市、須賀川市、二本松市、白河市、田村市についで9例目。町では福島県内で初めて。全国では、358例目。

 条例は、手話を使いやすい環境を整備することで、誰もが安心して暮らすことができる共生社会を実現することが目的。条例制定を受け、町は職員による手話通訳奉仕員の資格取得推進や、学校での手話体験を増やすなどして手話環境整備を図る考え。施行日は2021年1月1日。

 町聴力障害者会のメンバーは9月議会を傍聴し、条例制定を歓迎した。同会の坪井勝広会長は「いろいろな支援をいただいて活動できる。障害の有るなしにかかわらず、共に生きる社会をつくっていきたい」と期待した。

 福島県のほぼ中央部、郡山市から東へ9km、阿武隈山地の西すそに位置している町は、東京からは、ほぼ200km圏にあり、東北新幹線郡山駅まで約80分、郡山駅から磐越東線で約13分。自動車では約3時間で磐越自動車道郡山東I.C.または船引三春I.C.で降り、三春町に到着する。

 町のほとんどが標高300~500mの丘陵地で、ゆるやかな山並みが続いている。気候は内陸性気候で、冬の降雪は少なく、夏もあまり暑くない。

 磐越自動車道を利用すれば、西に山岳リゾート(会津・新潟方面)、東に海浜リゾート(いわき方面)と結ばれます。また、約20km南には、福島空港があり、札幌、大阪、沖縄、上海(中国)、ソウル(韓国)の各空港と結ばれている。

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三春滝桜(みはるたきざくら)=樹齢推定1000年超=山梨県の神代桜(じんだいざくら)、岐阜県の淡墨桜(うすずみざくら)とともに日本三大桜に数えられる名木

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田んぼアート「花と音楽祭」。2020年の図柄は、戦国武将「伊達政宗」と政宗の正室「愛姫(めごひめ)」、三春駒

 町の人口は、17,401人(男性:8,747人/女性:8,654人)、6,372世帯(2020年8月1日現在)。

三春町手話言語条例

 人は、言語を介して、お互いの考えや感情を理解しあい、知識を増やし蓄え、それを文化の創造、文明の発達に利用してきた。

 手話言語は、手指の動きや顔の表情などで情報を伝える、独立した体系を持つ視覚言語である。何かを介在して音声言語からの情報を得る手段のひとつではなく、また、音声による言語を置き換えたものでもない。手話は、音声言語や様々な音が聞き分けられない人が、自立した「人間」として日常生活を営み、豊かな人生を生きていくために必要不可欠な「命」ともいえる「言語」なのである。

 我が国においての手話の起源は明治時代とされ、当時からろう者の間で大切に受け継がれて発展してきた。

 しかし、相手の口の形を読み取り、言葉を発声することで意思疎通を図る「口話法」が教育現場で推し進められ、学校での手話の使用が禁止または著しく制限された時代が長く続き、ろう者の尊厳は損なわれてしまっていた。

 このような状況を打開し手話の普及を図るため、昭和22年5月に全国のろう者が集い、全日本ろうあ連盟が創立された。以来、連盟では手話の研究、普及、保存を柱に、全国各地へ活動を展開させて今に至っている。

 平成18年に国際連合総会で「言語には手話その他の非音声言語を含む」ことが明記された障害者の権利に関する条約が採択され、我が国でも平成26年1月にこれを批准した。しかし、「手話が言語である」ことを障害者基本法の中で明らかにしているにもかかわらず、我が国において、その意味と効果は、いまだ明確に広がりを感じる状況にはなっていない。「手話を言語とする人」(ろう者、難聴者、中途失聴者、盲ろう者)、「通訳者」ばかりでなく、手話を言語としない人にも、手話言語がどんなものなのか、なぜ必要なのか、理解が深められるよう広く普及していく必要がある。

 三春町は手話が言語であるとの認識に基づき、手話に対する理解の促進と手話の普及に努め、手話を使用しやすい環境を整備することにより、誰もが互いに支え合い、安心して暮らすことができる共生社会の実現を目指し、この条例を制定するものである。

(目的)
第1条
 この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話の理解及び普及に関して基本理念を定め、町の責務及び町民の役割を明らかにするとともに、町が実施する施策の基本的事項を定めることにより、全ての町民が共に生きる地域社会を実現することを目的とする。

(基本理念)
第2条
 手話の理解及び普及は、手話を必要とする人が手話により意思疎通を図る権利を有しており、その権利を尊重することを基本として、行われなければならない。

(町の責務)
第3条
 町は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、手話の理解及び普及を図り、手話を必要とする人が手話を使用しやすい環境を整備するため、必要な施策を推進するものとする。

(町民の役割)
第4条
 町民は、基本理念に対する理解を深め、町が推進する施策に協力するよう努めるものとする。

(施策の推進)
第5条
 町は、次に掲げる施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。
(1) 手話の理解及び普及に関すること。
(2) 手話による情報発信及び情報取得に関すること。
(3) 手話による意思疎通支援に関すること。
(4) 手話通訳者の設置及び処遇の改善などに関すること。
2 町は、前項に規定する施策と町が別に定める障がい者の福祉に関する計画との整合性を図るものとする。

(手話を学ぶ機会の確保)
第6条 
町は、ろう者、手話通訳者、手話奉仕員及び手話を使用することができる者(以下「手話通訳者等」という。)と協力して町民が手話を学ぶ機会の確保を図るものとする。

(手話を用いた情報発信)
第7条
 町は、手話を必要とする人が町政に関する情報を正確かつ速やかに得ることができるよう、手話を用いた情報発信に努めるものとする。

(手話通訳者等の確保及び養成等)
第8条
 町は、手話通訳者等の確保、養成及び手話技術の向上を図るものとする。

(学校における手話の普及)
第9条
 学校の設置者は、手話の理解及び普及を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 町は、学校において児童、生徒及び教職員に対する手話を学ぶ機会を提供するよう努めるものとする。

(医療機関における手話の普及)
第10条
 町は、医療機関に対し、手話を使用しやすい環境を整備するために、医療機関が必要な措置を講ずるよう働きかけを行うとともに、手話通訳者等を派遣する制度の周知等必要な支援を講ずるよう努めるものとする。

(行政機関における手話の普及)
第11条
 町は、行政機関に対し、手話を使用しやすい環境を整備するために、行政機関が必要な措置を講ずるよう働きかけを行うとともに、手話通訳者等を派遣する制度の周知等必要な支援を講ずるよう努めるものとする。

(事業者への支援)
第12条
 町は、手話を必要とする人が手話を使用しやすい環境を整備するために事業者が行う取組に対し、必要な支援を講ずるよう努めるものとする。

(災害時の対応)
第13条
 町は、災害時において、手話を必要とする人に対し、情報の取得及び意思疎通の支援に必要な措置を講ずるものとする。

(情報通信技術の活用)
第14条
 町は、この条例に定める諸施策に関し、情報通信の技術を活用するよう努めるものとする。

(財政上の措置)
第15条
 町は、手話に関する施策を推進するため、必要な限度において財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(その他の意思疎通支援の推進)
第16条
 町は、聴覚障害の特性に応じ、手話のほか要約筆記の活用等、意思疎通の支援に必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(委任)
第17条
 この条例の施行に関し、必要な事項は町長が別に定める。

附 則

 この条例は、令和3年1月1日から施行する








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