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「大分市こころをつなぐ手話言語条例」可決(2020年6月15日)

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 大分県大分市議会は、2020年9月15日、「大分市こころをつなぐ手話言語条例」案を可決した。

 条例は、「手話が言語であるとの認識に基づき、手話及びろう者に対する理解の増進並びに手話の普及について、基本理念を定め、市民及び事業者の役割並びに市の責務を明らかにするとともに、手話及びろう者に関する市の施策の基本となる事項等を定めることにより、手話及びろう者に対する理解の増進並びに手話の普及をこれまで以上に推進し、手話を通じて、ろう者とろう者以外の者がこころをつなぎ、支え合い、尊重し合うぬくもりのある共生社会の実現を図ることを目的と」としている。

 大分市では教育機関など幼い頃から手話に触れる機会をつくっていくことになる。

 同種の条例は、大分県では、津久見市、豊後大野市、宇佐市、中津市、豊後高田市、別府市に次いで7例目。全国では359例目。

 市は、2020年7月6日(月)から7月31日(金)までパブリックコメントを行い、4人から4件の意見が出された。

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「大分市こころをつなぐ手話言語条例」の概要

【前文】には、この条例の策定に至った背景を示している。
かつて、手話は言語として広く認識されておらず、ろう者は不便や不安を感じながら生活を送ってきました。本市は、手話及びろう者に対する理解の増進並びに手話の普及に向け、本条例を制定します。

次に、本条例の【目的】は、手話が言語であるとの認識に立ち、手話及びろう者に対する理解の増進並びに手話の普及についての基本理念を定め、手話で人と人とがつながり、互いに支え合い、及び尊重し合いながら共生する地域社会を実現することです。
【定義】として、ろう者・市民・事業者それぞれの用語の意義を示します。

【目的】を達成するための【基本理念】として、ろう者とろう者以外の者が互いに人格及び個性を尊重し合うことを基本に行い、ろう者の手話によるコミュニケーションを図る権利を尊重することとしております。

また、【市の責務】として、手話の理解及び普及を図り、手話を必要とする人が手話を使用しやすい環境を整備するため、必要な施策を推進することを定めます。
同時に、【市民の役割】と【事業者の役割】を定め、市が進める施策に協力することを求めます。

【施策の推進】では、市が、総合的かつ計画的に実施する施策として、
・手話及びろう者についての理解促進に関する施策
・手話による情報発信及び情報取得に関する施策
・手話による意思疎通支援に関する施策
・手話通訳者の設置及び処遇の改善に関する施策
・聴覚障害児及び保護者等に対する支援に関する施策
を具体的な施策として掲げ、これらの施策の推進にあたっては、障がい者の福祉に関する計画との整合性を図ることとしています。

 【意見の聴取】として、市は、手話に関する施策の推進及び実施に関し、ろう者その他の関係者の意見を聴くこととし、【災害時の対応】として、市は、災害時において、手話を必要とする人に対し、情報の取得及び意思疎通の支援を行うことを定めます。


大分市こころをつなぐ手話言語条例

 手話は、手指や体の動き、表情などを使って概念や意思を表現する視覚言語であり、ろう者にとって、まさにそれは「ことば」そのものです。
 かつて、手話は言語として広く認識されておらず、ろう学校においてもその使用が禁止されており、多くのろう者は、自身の人間性や社会性を発達させる段階から、非常に大きな困難と向き合って生きていかなければなりませんでした。
 今日では、障害者基本法において手話が言語として位置付けられたことや、同法に基づき国や地方公共団体、国民が取組を進めたことから、手話に対する社会の理解はそのような過去と比較して大いに深まったといえます。
 しかしながら、手話が日常の様々な場面にまで普及し、ろう者が不便や不安を一切感じることなく安心して暮らすことのできる社会の実現には、いまだ至っていません。
 このような状況に鑑み、手話及びろう者に対する理解の増進並びに手話の普及をこれまで以上に推進し、手話を通じて、ろう者とろう者以外の者がこころをつなぎ、支え合い、尊重し合うぬくもりのある共生社会を現実のものとするため、この条例を制定します。

(目的)
第1条 この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話及びろう者に対する理解の増進並びに手話の普及について、基本理念を定め、市民及び事業者の役割並びに市の責務を明らかにするとともに、手話及びろう者に関する市の施策の基本となる事項等を定めることにより、手話及びろう者に対する理解の増進並びに手話の普及をこれまで以上に推進し、手話を通じて、ろう者とろう者以外の者がこころをつなぎ、支え合い、尊重し合うぬくもりのある共生社会の実現を図ることを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)ろう者 手話を日常的にコミュニケーションの手段として用い、又は用いようとする聴覚に障がいのある者をいう。
(2)市民 市内に居住し、通勤し、又は通学する者をいう。
(3)事業者 市内において事業活動を行う個人又は法人その他の団体をいう。

(基本理念)
第3条 手話及びろう者に対する理解の増進並びに手話の普及は、ろう者とろう者以外の者が互いの人格及び個性を尊重し合うことを基本理念として行わなければならない。

(市の責務)
第4条 市は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、手話及びろう者に対する理解の増進並びに手話の普及のための必要な施策を推進しなければならない。

(市民の役割)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、手話及びろう者に対する理解を深め、手話及びろう者に関する市の施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、手話及びろう者に対する理解を深め、手話及びろう者に関する市の施策に協力するよう努めるものとする。
2 事業者は、手話をコミュニケーションの手段として活用し、ろう者が利用しやすいサービスを提供するよう努めるとともに、ろう者が働きやすい環境の整備について必要かつ合理的な配慮をするよう努めるものとする。

(施策の実施)
第7条 市は、第4条の規定による責務を全うするため、次に掲げる施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。
(1)学校等をはじめ、様々な場において手話を学び、ろう者に対する理解を深める機会の確保
(2)手話による情報発信及び情報取得
(3)手話による意思疎通の支援
(4)手話技術を持つ人材の養成
(5)聴覚に障がいのある児童の養育をする上で有益な情報の提供並びに聴覚に障がいのある児童及びその保護者等に対する手話の習得の支援
(6)前各号に掲げるもののほか、第4条の規定による責務を全うするために必要となる施策
2 市は、前項に掲げる施策の実施に当たっては、市が別に定める障がいのある者の福祉に関する計画との整合を図った上で行うものとする。

(意見の聴取)
第8条 市は、前条第1項に掲げる施策に関し、ろう者その他の関係者の意見を聴き、その意見を当該施策に反映するよう努めるものとする。

(災害時の措置)
第9条 市は、第7条第1項に掲げる施策を実施するほか、災害時において、ろう者に対し手話による意思疎通の支援その他必要な措置を講ずるものとする。

(委任)
第10条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
 
 附 則
 この条例は、公布の日から施行する。









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