FC2ブログ

記事一覧

新党結成に関する論説(2020年9月16日)

新立民結党大会 新政権との対立軸示せ(2020年9月16日配信『秋田魁新報』-「社説」)

 立憲民主、国民民主両党などが合流した新「立憲民主党」が結成大会を開いた。衆参両院議員合わせて150人。野党第1党としては2017年に分裂する前の旧民進党以来の規模となる。きょう首相に選出される菅義偉自民党総裁の政権との対立軸を示し、将来の政権交代をうかがう存在感を示してほしい。

 14日付で解散した立民の代表だった枝野幸男氏が引き続き代表に就任。党名も継承した。幹事長には立民幹事長の福山哲郎氏、政調会長には国民政調会長を務め、代表選を枝野氏と争った泉健太氏、代表代行兼選対委員長には国民幹事長だった平野博文氏を充てた。

 立民、国民のバランスを取り、党内融和に配慮した人事だ。党内からは、これまでと代わり映えがしないなどと不満の声もある。しかし人事で「サプライズ」を演出するよりも、地道な国会活動で菅政権に対峙(たいじ)し、有権者の信頼を勝ち得ていく努力が欠かせない。

 安倍政権下では、野党が分裂して「1強多弱」と言われる状況を許してしまった。その反省の上に結束を強め、今回合流に加わらなかった新「国民民主党」とも連携を保つべきだ。

 菅氏がまず「自助」を強調するのに対し、新立民は「公助」を前面に訴える。綱領では持続可能な社会保障や格差解消を目指すとした。

 「公文書管理と情報公開を徹底し、透明で公正な信頼される政府の実現」も綱領に盛り込んだ。森友・加計学園問題や桜を見る会などの疑惑解明に消極的な菅氏との違いをアピールした格好だ。菅首相指名後の臨時国会の早期召集を実現し国会論戦を繰り広げられるか、新党の力が早速試される。

 菅氏は安倍政権の継承を訴える。しかし具体的な政策は明らかとは言えない。

 アベノミクス下で続いた景気拡大は18年10月に終わり、景気後退局面に入った。昨年10月の消費増税は、そんな中で行われたことになる。今年に入ってからは新型コロナウイルスの影響が著しい。4~6月期の実質国内総生産は年率換算で戦後最悪のマイナス成長になった。

 こうした状況をアベノミクスの継承で乗り切れるのかどうか。それとも新たな経済政策が必要なのか。新型コロナの感染防止と社会経済活動の両立という困難で緊急性の高い課題を巡り、与野党による活発な論戦を期待する有権者は多いはずだ。

 安倍晋三首相の退陣表明以後、世論調査では内閣や自民の支持率が上昇した。支持率が高いうちに衆院解散、総選挙を期待する声が自民内部から出ている。立民側も早期の衆院選を想定した態勢固めが求められる。

 本県関係では緑川貴士氏(衆院比例東北)と寺田学氏(同)が新立民に参加した。しっかりした地方組織づくりを進め、従来とは違う野党の姿を示せるかが問われている。



2つの結党大会 いったい何が変わったか(2020年9月16日配信『産経新聞』-「主張」)

 結党大会といわれても何が新しくなったのか分からない。

 国民民主党の大半を事実上吸収して再スタートした立憲民主党と、合流を拒んだ議員で結成した国民民主党のことだ。

 党名を変えても中身が変わらなければ同じことだが、党名すら変わらないままの結党大会だ。

 枝野幸男代表を中心とした立民はどう生まれ変わるのか。これを具体的に行動で示していくのが野党第一党の責任だろう。

 枝野氏はあいさつで「困難と挫折、教訓を生かし、未来に対する責任を果たしていきたい」と述べた。大会では「立憲主義と熟議を重んじ、人間の命と暮らしを守る」とする基本理念や「原発ゼロ社会を一日も早く実現する」などの綱領も承認された。

 人事では幹事長に合流前の福山哲郎幹事長をそのまま起用し、党内からも「あまりに新味がない」との不満が聞こえる。

 風通しが悪いと批判された、かつての党運営に対する反省も感じられない。

 新組織に何より求めたかったのは現実的な安全保障政策だった。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題にどう取り組み、尖閣諸島周辺海域や南シナ海で傍若無人に振る舞う中国とどう向き合うのか。

 旧民主党時代、日米同盟の抑止力を高める安全保障法制を「戦争法案」と呼ぶなど、共産党とともに反対運動を展開したのは記憶に新しい。巨大与党に対抗するためとはいえ、共闘優先で政府、与党を批判するだけでは有権者の支持も広がるまい。

 政権担当能力をアピールするのなら、日本人の生命や安全に責任を負う安保政策の披瀝(ひれき)が不可欠である。これを示さぬまま政権を担うことができると考えているとすれば、無責任が過ぎる。

 枝野氏は官房長官という政権中枢で国政を担った経験がある。新型コロナ対応や公文書管理のあり方など、国会論戦は是々非々でやればよい。その上で有権者のために必要な政策を堂々と掲げるべきである。

 国民も分かりづらい。衆院は立民と共同会派、参院は別会派だ。国会対策上の理由とはいえ支持者も混乱するだろう。両党とも本気で政権与党を目指すなら、まず日本をどうしたいのか、国家のグランドデザインを示すべきだ。



新立憲民主発足 埋没している暇はない(2020年9月16日配信『東京新聞』-「社説」)

 もう一つの政権選択肢となるか。野党の立憲民主党と国民民主党が合流し、新しい「立憲民主党」が発足した。首相交代の陰に埋没していられない。与党に代わる政権構想を早急に示すべきだ。

 野党第1党と2党が解散、合流してできた新党だが、党名も代表も変わらない。何が違うのか分かりにくく、国民の期待を広く集めての船出とも言い難い。何より、国民民主党所属議員の約3分の1が離反した事実は重い。合流の成果を示すには、枝野幸男代表が言う通り「これからが本当の戦い」となるだろう。

 新党の所属議員は衆参合わせて150人。うち衆院の107人は2009年の政権交代前の民主党の115人に迫る。ただ、当時の民主党は、参院で自民党を上回る議席を持ち与野党のねじれを作っていた。次期衆院選で政権交代が実現できる位置にあると考えるのは早計だ。その先の先までにらんで地道に支持を広げるしかない。

 年内にも想定される衆院選で、新党の候補者が決まっている小選挙区は7割ほど。候補者が競合する選挙区も残る。離反組の一部が旗揚げした新・国民民主党や共産党との調整も急務だ。

 きょう発足する菅政権との対立軸をどう打ち出すか。新党の綱領は「立憲主義」「国民が主役」「多様性」などのキーワードを掲げ、民主主義の徹底で国家や組織より個人を尊重する姿勢を強調した。基本政策では国際協調、公正な配分、原発ゼロなどが目玉だ。

 安倍路線を継承し、国家優先や自己責任重視の政策を進めようとしている政権与党との対決姿勢は鮮明で、枝野氏は消費税の一時的な減税や生活困窮者への給付金支給にも言及している。重要なのは、財源など具体的な肉付けと国民への効果的なアピールだ。

 新党が国民に開かれた体質を持っているかも気になる。国会議員のみで行った代表選は自民党総裁選同様に閉鎖的だと批判を招いた。新党の役員人事にも新味がなく、枝野氏の独断がなかったとはいえない。党内議論の活性化と融和の両立は、難しいが重い課題だ。

 内部抗争の末に離合集散を繰り返してきた旧民主党・民進党勢力が「選挙互助会」として元のさやに戻っただけ、と見られてはこの先も到底支持は広がるまい。民主党政権崩壊後、過渡期を経て、ようやく時代の要請に応える野党第一党が誕生したと見られるか否か。野党再編の正念場である。



立憲結党大会 目指す社会像の浸透を(2020年9月16日配信『信濃毎日新聞』-「社説」)

 新立憲民主党が結党大会を開いた。

 代表に就いた枝野幸男氏は、生活の現場の声に正面から向き合い「自助、自己責任から支え合う社会へ」転換を図ると、基本理念を訴えた。

 衆参150の議員が合流した新党とはいえ、党名も代表も変わらない。旧民主党勢力の再結集―との印象を覆すには、与党とは異なる社会構想を、具体的な政策で裏打ちする必要がある。解散総選挙への備えも喫緊の課題だ。

 新党の代表選を通じて枝野氏は「公助の強化」を繰り返した。安倍晋三政権下で社会の格差や分断が広がったと批判し、「生きていく上で不可欠な『ベーシック・サービス』を拡充し、安心して自由に生き方を選択できる社会を実現する」と主張する。

 少子高齢化が加速する中、社会保障政策を再構築し、財源を確保する税制改革を断行するのは容易でない。新型コロナ対策として掲げた時限的な消費税減税、所得税減税も、党内に異論が残る。

 教育や福祉、経済、外交といった分野ごとに、明確な政策体系を示してもらいたい。

 総選挙に向けた野党との共闘は難航が予想される。

 国民民主党の玉木雄一郎代表らは新党に参加せず、15人で新国民民主党を設立した。立憲の支持母体である連合傘下の民間労組出身議員も含まれている。

 枝野、玉木両氏は連携に前向きなものの、改憲や原発政策で見解に隔たりがある。立憲内には玉木氏に対する不満もくすぶる。

 共産党との共闘推進には連合の抵抗感が根強い。候補者が競合する「れいわ新選組」は立憲への対抗姿勢を鮮明にしており、協力の目途は立っていない。

 与党との対抗上、理念や政策が一致しないまま選挙協力を優先するのでは本末転倒だ。立憲はまず、合流で重複した党内の候補者調整を急ぎたい。公約や政策集を固め、空白の選挙区で積極的に女性候補を擁立するなど、特徴を有権者に浸透させるべきだ。

 8月末の世論調査では、衆院比例代表選の投票先で自民党が48%を占め、立憲は11・6%にとどまった。次の総選挙で政権を奪うというより、足掛かりを築くのが現実的ではないか。

 結党大会で枝野代表は「現場の声とともに、国民とともに行動する」と宣言した。その実践の有無が党勢拡大を左右する。






スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ