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虐待とDV 高まるリスク対応急げ(2020年9月16日配信『北海道新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの感染収束のめどが立たず、児童虐待やドメスティックバイオレンス(DV)のリスクが高まっている。

 今年に入ってから道内の児童相談所が虐待と認定した件数は前年同期を上回った。コロナ禍による解雇や収入減、ストレスで家庭の生活基盤が崩れ、そのしわ寄せが女性や子供たちに及んでいる。

 子供への虐待と家族へのDVは同時並行で起きている例が多い。被害者を助けるには児相など支援機関の協力が不可欠だ。だが情報共有が不十分な例が少なくない。

 保健所や学校、保育所を含め関係機関は現状への認識を改める必要がある。そのうえで当事者への対応を急がなければならない。

 道内の児童虐待件数は近年高止まりしていて、そこにコロナ禍の影響が加わった。1~5月に児相が認定した件数は前年同期比3%増の2781件に上っている。

 この間、休校や休園、外出自粛が長期化し、子供たちが自宅で過ごす時間が増えた。虐待が表面化しにくかったにもかかわらず件数は増えており現状は深刻だろう。 全国の支援団体でつくる「全国女性シェルターネット」の報告は、虐待とDVが深く関連することをうかがわせる。

 「在宅勤務でストレスをためた夫が子供に暴力を振るう」「DVから逃れたいが、仕事を失った夫の監視が強く、難しい」―。

 2018年に東京都目黒区で起きた5歳女児の虐待死事件でも、虐待した母親は元夫からDVを受けていたことが分かっている。

 虐待とDVの被害者には包括的な支援が欠かせない。今年4月に施行された改正児童虐待防止法は、児童相談所と、DVに対応する配偶者暴力相談支援センターの連携強化を盛り込んでいる。

 だが、厚生労働省による全国の児相とセンターへの調査では回答した児相の4割超、センターの3割超で連携した事案がなかった。

 被害者の情報や支援方針が共有されないケースの多さに驚く。両機関は連携を密にして対応しなければならない。

 その際、支援のノウハウが豊富な民間支援団体ともしっかり協力する必要がある。

 近年、児相などの担当者の負担は増している。国や自治体は十分な予算を振り向け、要員を増やすなどのてこ入れも考えるべきだ。

 小中学校や高校は2学期に入ったが、児童や生徒の様子に異変はないだろうか。教職員は虐待の兆しに注意深く目を向けてほしい。




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Author:gogotamu2019
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