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『バイキング』坂上忍パワハラ報道は政権批判潰しだった! 安倍首相と親しい日枝相談役ら局上層部が坂上の安倍批判を問題視(2020年9月16日配信『リテラ)

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『バイキング』番組HPより

 10月期番組改編で『バイキング』(フジテレビ)が1時間拡大し『バイキングMORE』となることが、予定通り9月7日に発表された。その4日前、9月3日発売の「週刊文春」(文藝春秋)で「『なんでできねえ!』坂上忍“パワハラ”に『もう限界』フジ内部調査」と題した記事が掲載され、坂上忍にパワハラ疑惑が持ち上がっていたが、結局、まったく影響はなかったということらしい。

「視聴率が取れるタレントはパワハラやり放題ってことか」という怒りの声が聞こえてきそうだが、しかし、あの文春記事の内容では、坂上を降板させることなどできないだろう。というか、むしろなぜあの程度の話で、文春が大々的に記事にして、フジが内部調査までしたのか、その背景のほうが気にかかる。

 言っておくが、坂上忍を擁護したいわけではない。実際、本サイトではこれまで坂上の薬物犯罪へのリンチ的な糾弾や体罰肯定の姿勢、番組内で見せる説教オヤジぶりや居丈高な物言いを何度も批判してきた。

 だから、「週刊文春」の「坂上忍“パワハラ”に『もう限界』フジ内部調査」というタイトルや、リードの〈アナウンサーやスタッフへのイビリ〉〈長時間説教〉〈2カ月出入り禁止〉〈“消された”共演者〉、〈番組幹部が上層部に直訴し、社内調査も行われた〉といった記述を見たときは、「坂上はやはり裏でもひどいパワハラをしていたのか」「今回はさすがにただではすまないだろう」と決めつけたくらいである。

 しかし、いざ読んでみると、その内容は拍子抜けするものだった。まず、アナウンサーや共演者へのパワハラ。「文春」があげていた具体的なエピソードは、榎並大二郎アナが「鼾(いびき)」という漢字を読めなかったことをいじり倒した、小籔千豊が女子レスリングのパワハラ問題や財務省事務次官のセクハラ問題で発したコメントにキレて嫌味を言った、という2つで、これらはいずれもネットでもさんざん話題にされてきた本番中の話にすぎない。

 しかも、この2つに関してはむしろ坂上のほうに正当性があると言うべきだろう。

 まず、漢字が読めなかった榎並アナをいじったという話だが、漢字が読めないのはアナウンサーとして致命的で、注意されても仕方がない。だいたいフジは榎並アナに限らず、漢字が読めないアナウンサーが多く、過去には「訃報」や「ご厚誼」「供物」が読めなかったとしてネットで非難を浴びたケースもあった。坂上がいじらなくても、話題になったはずで、むしろ番組ですぐにネタ化したことで、榎並アナが救われた側面もある。

 小籔の件も、おかしいのは坂上ではなく、小籔のほうだ。「文春」は、小籔が一昨年9月にレギュラーを降板したのは、〈坂上の高圧的な態度に嫌気がさしたから〉だとし、小籔自身が『バイキング』では坂上の意向に沿わない意見を言うと、嫌な顔をされると暴露。「心、折れてきますよ」と発言したことを紹介していたが、ふだん後輩芸人に対して、あんな高圧的態度をとっている小籔がいったい何を被害者ヅラしているのかという話だろう。

小籔千豊、サンド伊達への“恫喝”はセカンドハラスメントや差別肯定を諌めたもの

 しかも、「文春」は、小籔が真っ当な意見を言ったのに、坂上が一方的にキレたように書いていたが、そうではない。たとえば、女子レスリングのパワハラ問題で坂上が怒ったのは、小籔が、「たとえば、組織の中でとんでもないクレイジー野郎がおったと。横の姉ちゃんにちょっかい出し、むちゃくちゃしよる。『お前、もう練習来んな』。これを向こうから見たら、『パワハラだ』って言われる。以前のこととか振る舞いとかを鑑みて見ないと…」と、あたかも被害者である伊調馨選手に問題があったかのような発言をした直後だった。

 また、財務省のセクハラ問題で「罪もクソも財務省が認めてんだよ」「振る相手間違えたかな」と小籔の発言を封じ込めたのも、小籔が「被害女性が裁判起こしていない、次官が認めていない、なのに罪が重すぎる」などと次官と財務省を擁護したからだった。

 ようするに、小籔がハラスメントした側を擁護し、セカンドハラスメントになりかねないような発言をしたため、坂上がそれを強い調子で制したのだ。

「文春」には出てこないが、似たようなケースはほかにもある。2019年3月にやはり『バイキング』のレギュラーだったサンドイッチマンが番組を降板した際、メンバーの伊達みきおが坂上と違う意見を言って恫喝されたのが原因と報じられた。

 だが、これも、明らかに坂上に正当性があった。さいたま市議が障害をもつ市議に対して「ブルジョア障害者」と発言した問題で、伊達が「差別用語じゃない」などと障害者差別を擁護し、これに対し、坂上が「ん?」「VTR見ましたよね? 言い方も含めて」「とても不適切なワードだと僕は思いますけれども」などとかなり強い調子で主張し、伊達を黙らせたのだ。

 セクハラ被害女性に対する二次加害的な発言や、差別を肯定するような発言をその場で諌めるのは、MCの重要な責任であり、坂上の行動は当然だろう。

坂上忍の“パワハラ”は番組内容に圧力をかけられたことへの怒りだった

 スタッフに対するパワハラ疑惑も同様だ。「文春」は今年5月、番組の幹部スタッフが制作局長に「このままでは社員がもちません」と坂上のパワハラを訴えたと書いている。

 しかし、その内容は「人前で面罵された」「楽屋に出入り禁止になった」「打ち合わせの報告書を突き返された」「台本の書き直しを命じた」というもの。「人前で面罵」「楽屋出入り禁止」は、パワハラに該当する可能性があるが、「打ち合わせの報告書突き返し」「台本の書き直し」がパワハラと呼べるのか。

 坂上は『バイキング』が報道を扱うようになってから、番組内容や構成についてもかなり積極的に関わるようになっている。『バイキング』は政権べったりのフジテレビの放送であるにもかかわらず、どのワイドショーよりも安倍政権の政権不祥事を取り上げているが、これも坂上の意向が大きいという。
また、スタッフに指図するだけでなく、坂上自身もかなり政治問題を勉強しており、何時間も前に局に入って予習していることを共演者に明かされたこともあった。

 打ち合わせ内容の報告書や台本の書き直しを命じたという話は、こうした姿勢の延長線上で出てきたものであり、放送内容への責任感の現れというべき話だろう。

 また、面罵や楽屋への出入り禁止についても、相手としてあがっているのは、ADや制作会社の社員でなく、全員がフジの社員、それもプロデューサーとかディレクターなどの責任者ばかりだ。パワハラの基準には「優越的な関係に基づいて行われること」とあるが、フジの幹部社員は発注者なのだから、パワハラかどうかは微妙だろう。

 しかも、決定的なのは坂上が怒鳴りつけたり、楽屋に出入り禁止にした理由だ。実は「文春」には、フジの社員のこんなコメントが載っていた。

「ガミさんが一番キレるポイントは、放送内容に制限がかかること。たとえば芸能スキャンダルを扱う際、局とプロダクションの関係でボツになると激昂し、プロデューサーを怒鳴りつける。あるディレクターは打ち合わせの場で露骨に無視され、二カ月近くガミさんの楽屋に入ることを許されなかった」

 なんのことはない、坂上は番組内容に圧力をかけられて、怒っていただけなのである。

 実際、「文春」の取材を受けた坂上自身もスタッフを楽屋を出入り禁止にした理由について、以下のようにコメント。番組内容に圧力がかかってつぶされたことが原因であると示唆していた。

「ひとりいらっしゃいますよ。理由を言ったら、その人が可哀相。ただ文春さんもそうだと思うけど、圧力との戦いがあるんですよ。たとえばあるネタに『いけますよ』と言われて動いているのに、翌朝になって台本が上がる頃に無理ですとなり、代替案もない。こうしたときに『申し訳ないけどもこの表情が出てはいけないので、しばらく距離を置きましょう』というやり方はありました」

坂上忍パワハラ報道噴出の背景に、政権批判を嫌ったフジによる坂上おろしの動き

 共演者への“恫喝”は、小籔やサンド伊達のパワハラ被害者攻撃や障害者差別肯定をいさめようとした結果で、スタッフに対する面罵は、番組内容が圧力で変更になったことに抵抗したもの──。いったい、なぜこんなレベルで、坂上忍のパワハラはフジテレビ局内で問題になり、「文春」で大々的に記事にされたのか。

 パワハラの告発があれば、社内調査するのは当然だが、フジはパワハラには非常に甘いことで知られている。たとえば、フジでは、2018年に『プライムニュース イブニング』のキャスターを務めていた反町理・報道局解説委員長のセクハラ・パワハラ疑惑がやはり「週刊文春」に報じられたことがあった。反町のセクハラ・パワハラ疑惑の内容は、政治部の女性部下が休日にドライブやバーに誘われ、断ると、部で共有するメモがその女性にだけ届かなくなったり、部内の一斉メールで罵倒された、という非常に悪質なもの。しかし、反町はキャスターを降板することもなく、現在も『BSフジLIVE プライムニュース』キャスターを務め、今年6月からは執行役員までになっている。

 にもかかわらず、坂上の件では、仕事上の対立であるにも関わらず、社内調査まで行った。しかも、その内容は複数のマスコミにリークされ、6月中旬には「週刊女性」も「坂上忍のパワハラで『バイキング』が9月終了か」と報じていた。

 実は、この背景には、まさに前述した「報道内容への圧力」をめぐる対立があったという。圧力に抵抗し、ワイドショーが取り上げないような話題やニュースに踏み込もうとする坂上と、関係各所への忖度で番組内容を規制したい局上層部の対立だ。

 しかも、それは、芸能プロダクションがらみだけではなく、政権批判をめぐる問題が大きかったと言う。

 先にも述べたが、『バイキング』は坂上の方針で、他のワイドショーが取り上げないような政権不祥事もこまめにやってきた。とくにコロナ以降、安倍政権のコロナ対応や黒川検事長の定年延長問題、河井克行・案里夫妻の買収問題など、ほぼ毎日、安倍政権を厳しく批判してきた。河井夫妻の問題では、独自取材も行い、真相を追及。黒川検事長の賭けマージャン問題では、同じフジサンケイグループの産経新聞の対応を「個人的には」とエクスキューズつけながら、朝日新聞の対応と比べて、厳しく批判したこともある。

 そのため、政権に近いフジテレビの上層部や報道局から番組サイドにクレームが相次ぎ、5月なかばくらいから『バイキング』には、露骨な安倍応援団ぶりで知られる“フジのスシロー”こと平井文夫解説委員が投入されていた。

 しかし、一部の上層部や報道局はそれでもおさまらず、政権批判を完全に封じ込めるために、坂上おろしを画策していたのだという。

「今回のパワハラ騒動は、9月の番組再編を前に、政権批判をする坂上を下ろそうとしていた局の上層部が、坂上の『パワハラ』的言動を利用して現場を焚きつけ、告発させたというのが真相です。だから、マスコミにも積極的に情報が流れた」(フジテレビ関係者)

 実際、当の「文春」にもその裏事情が透けて見えるフジ関係者のこんなコメントが掲載されていた。

「今回、フジの将来を左右する重要な改編のため、話し合いが重ねられ、方針は二転三転。坂上さんを外して別のアナをMCに起用する案や、坂上さんにコメンテーターみたいなポジションに座ってもらうという案も浮上しました。局上層部が坂上さんを問題視したのはパワハラ問題だけではない。編成幹部は、過度な安倍政権批判についても煙たがっていた。安倍首相と親しい日枝久相談役も苦言を呈していたと聞きました」

『バイキング』拡大とともに坂上忍の政権批判封じ込め体制を強化

 ようするに、フジが坂上のパワハラについて社内調査を行い、マスコミにリークしたのは、政権批判潰しのためだったのだ。しかし、坂上自身がパワハラ告発に徹底抗戦したため、この上層部や報道局による坂上おろしは頓挫してしまったのだという。

「そもそも、『バイキング』は坂上さんがメインMCを務めるようになってから視聴率が大幅にアップしており、切りづらい。しかも、坂上さんにことだから、下手に降板させると、メディアで反論されかねないという危惧もあった。それで、降板させることは断念したんです」

 ただし、フジ上層部はそのまま放置したわけではなかった。それが、『グッディ』と統合し、枠を拡大させて『バイキングMORE』にする今回の改編だった。

「これはギャラの高い安藤優子を切るという意図もありますが、もうひとつはスタッフをニュースのあつかいになれている『グッディ』と入れ替えて、坂上の影響力をそぐという狙いがあるようです。他にも、報道局からもスタッフを投入して、政権批判を抑え込む体制をつくろうとしている」

 そういう意味では、政権批判を潰したいフジと、それに抵抗する坂上の暗闘はこれからも続くということだろう。

 本サイトは、坂上の報道やニュースの姿勢に全面的に賛同するつもりはないが、ことこの問題にかぎってだけは、坂上にぜひ突っ張り続けてもらいたい。

(林グンマ)




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