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ゴーン被告事件の裁判 主役不在でも実態解明を(2020年9月18日配信『毎日新聞』-「社説」)

 日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン被告の役員報酬を隠したとされる事件で、元代表取締役のグレッグ・ケリー被告の刑事裁判が東京地裁で始まった。

 ケリー被告は、ゴーン被告の8年分の役員報酬が実際には計約170億円だったのに、有価証券報告書には計約78億円と虚偽の記載をしたとして起訴された。

 「主役」のゴーン被告は保釈中の昨年末、レバノンに逃亡した。裁判の見通しは立っていない。

 今回の裁判が事件の真相に迫るための唯一の場となる。実態解明に向けて審理を尽くすべきだ。

 1億円以上の報酬を得た役員の情報を開示する制度が導入されたため、ゴーン被告が自身の高額報酬を伏せようとしたと、検察側は主張している。

 側近のケリー被告が、その方法を考えるよう指示され、報酬の一部を退任後に後払いする仕組みを提案したと指摘している。

 事実とすれば、ゴーン被告による「日産の私物化」だと言わざるを得ない。

 一方、ケリー被告は無罪を訴えている。未払いの報酬はなく、後払い分とされた金額は、ゴーン被告を退任後もつなぎ留めるために検討したものだと主張している。

 日産の元秘書室長ら2人が東京地検特捜部との司法取引に応じたことで、捜査が進んだ。

 犯罪の捜査に協力してもらう代わりに、起訴を見送ったり求刑を軽くしたりする制度だ。ただ、うその証言で無実の人を巻き込む危険性があると懸念されている。

 司法取引をした人の証言の信用性が問題とされる初のケースとなる。制度が公正に用いられたかどうか、審理を通じてきちんと検証する必要がある。

 裁判では今後、西川(さいかわ)広人前社長ら当時の日産経営陣も証人として出廷する予定だ。その責任や経営体制のあり方も改めて問われる。

 ゴーン被告は、日産の資金をオマーンの販売代理店に支出し、半額を自身が実質所有する会社に還流させたなどとして、会社法の特別背任罪でも起訴されている。

 この問題については、ゴーン被告の裁判が行われなければ真相が解明されない。日本政府は粘り強く、レバノン政府に身柄の引き渡しを求めていくべきだ。




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