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障害者、共に生きよう 脳性まひの男性追った映画公開(2019年7月7日配信『東京新聞』)

脳性まひで35年間寝たきりの遠藤滋さん(72)=静岡県出身、東京都世田谷区在住=の日常を追った映画「えんとこの歌」の公開が6日、東京・新宿のK’s cinemaで始まった。

 入所者19人が殺害された相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」の事件に触発されたという伊勢真一監督(70)=写真=は「特異な事件と片付けず、犯人を生んだ社会のあり方を考え続けないといけない」と訴える。 

 えんとこは、「遠藤滋のいるところ」と「縁のあるところ」を掛け合わせた造語。暮らしぶりのありのままを写した映画「えんとこ」(1999年)の続編になる。

 伊勢監督と立教大の学友だった遠藤さんは、病気の進行で30代後半で寝たきりになった。食事や排せつをはじめ24時間体制での介助が必要だが、培われた独特の人生観や生きざまに触れた人たちは「寄り添うんじゃなく、寄り合っている」と話す。

 伊勢監督は、1996年から3年間遠藤さんを撮影し、その後も交流を続けてきた。続編は、遠藤さんが暮らすアパートの一室を舞台に、やまゆり園の事件から間もない2016年秋から2年半にわたり撮影。自由に話すこともままならない遠藤さんだが、「自らを他人と比ぶることなかれ 同じいのちは他に一つなし」など自作の短歌を通じ、介助者らと心を通わせる様子が描かれる。

 伊勢監督は、事件を引き起こした植松聖(さとし)被告の言葉に聞き覚えがあったという。02年に大阪市で前作を上映した際、会場にいた男性が立ち上がって言った。「ああいうやつは死んだ方がいい。何の役にも立たない」。別の女性が反論してその場は収まったが、障害を疎む空気を感じた。

 事件から3年、遠藤さんは関連する短歌を詠み続けている。「見知りたる男の刃物を振り上げて 迫り来るをわが夢に見つ」など、不安を明かした作品もある。伊勢監督は「事件は『気がふれたやつが起こした』で片付く問題じゃない。一生懸命生きている遠藤の姿をちゃんと見て、共に生きることを考え続けてほしい」と願う。

 新宿での上映は26日まで。20日~8月2日には横浜市中区の「シネマ ジャック&ベティ」でも上映する。

 自主上映などの問い合わせは、いせフィルム=電03(3406)9455=へ。

<相模原障害者施設殺傷事件> 2016年7月26日未明、「津久井やまゆり園」で入所者の男女19人が刃物で刺され死亡、職員2人を含む26人が重軽傷を負った。殺人罪などで起訴された元職員植松聖被告(29)は「意思疎通できない人は不幸を生む」などと障害者を差別する発言を続けている。



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解説

 脳性まひで寝たきり生活を強いられながらも介助の若者たちと触れ合い、ベッドの上で数々の短歌を詠む遠藤滋さんの姿を記録したドキュメンタリー。
 
 監督は、遠藤さんとは学生時代の友人でもあり、1999年にも同じく遠藤さんの日々を追ったドキュメンタリー「えんとこ」を手がけた伊勢真一。脳性まひのため寝たきり生活を送りながらも、自ら介助者のネットワーク「えんとこ」(「遠藤のいるところ、縁のあるところ」の意)を組織した遠藤さん。

 ベッドの上での生活は35年を過ぎ、障がいも進行していく中、遠藤さんは50代後半から短歌を詠むようになり、心の叫びを言葉に託す日々を送る。そんな彼と介助者たちの心の交流を通して、ありのままの命を生かし合いながら生きる人々の姿を浮かび上がらせる(映画.com)。








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Author:gogotamu2019
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