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同性パートナーにも給付金 札幌市が「犯罪被害者等支援制度」スタート(2020年9月21日配信『毎日新聞』)

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犯罪被害者支援制度について語る山田廣弁護士=札幌市中央区で、菊地美彩撮影

 札幌市は8月から、犯罪被害に遭った人やその家族に現金給付や助成をする「犯罪被害者等支援制度」をスタートさせた。国の同趣旨の制度より対象を広げ、同性のパートナーも家族として扱うとしており、関係者から「画期的」との声も上がる。「被害に遭った苦しみや困難は、同性でも異性でも同じだから」。市の担当者はそう説明する。【菊地美彩、源馬のぞみ、岸川弘明】

 市の支援制度は、犯罪で亡くなった人の遺族、傷害を負った人と家族、性犯罪を受けた人と家族が札幌市民の場合が対象。家族には配偶者や子、父母らの血縁関係者だけでなく、事実婚の相手や「性的マイノリティーに係るパートナーシップの関係にあった人」も含めている。

 国も1981年から犯罪被害給付制度を設けているが、同性の事実婚相手を家族として扱うかどうかは明記されていない。愛知県では同性パートナーを殺害された男性への遺族給付金が不支給となり、名古屋地裁は今年6月、県公安委員会の不支給決定を容認する判決を言い渡している。「同性間の内縁について社会通念が形成されていない」との理由だった。

 札幌市は2017年6月、LGBTなど性的少数者のカップルを公的に証明する「パートナーシップ宣誓制度」を政令市で初めて導入。現在104組が宣誓し、性の多様性を訴える市民パレードも20年以上前から開かれている。大阪市も同性パートナーを支援対象にしているが、全国的には珍しいという。

 2月に全国一斉提訴された同性婚の憲法判断を問う裁判の原告側代理人、加藤丈晴弁護士は「社会的通念の形成をリードすべきは行政で、札幌市の制度は画期的。さらに他の自治体にも広がってほしい」と評価する。

 今年のパレードの副実行委員長を務めたバー店主の満島てる子さん(30)は「市が当事者へのヒアリングを重ねながらこうした制度を作り、積極的な態度を示したことはよかった」と喜ぶ。その上で「制度を利用する際、カミングアウトしなければならないのかと心配したり、周囲に知られるのを怖がったりする当事者もいるので、市は十分に配慮し対策を講じてほしい」と注文を付けた。

全国の自治体も独自策 限定的な国制度背景に
 犯罪被害者や家族を独自に支援する自治体は徐々に広がっており、札幌市などによると政令市では他に横浜、名古屋、京都、大阪、神戸に同様の制度がある。背景には、国の制度は殺人や重い後遺症が残った場合など範囲が限られており、給付にも時間がかかる問題などがある。

 札幌市の制度は、弁護士らで作る「札幌市に犯罪被害者条例を作る市民会議」の働き掛けで実現した面が大きい。家事や介護、転居の費用、家賃などを助成し、当面の生活支援に力を入れたのが特徴だ。

 ただ、市民会議が求めていた条例は制定に至っておらず、民事訴訟を起こす場合の費用支援なども制度には盛り込まれていない。市長の交代や予算の見直しにより打ち切られる可能性もある。同会議座長の山田広弁護士は「制度ができたのは大きな一歩。永続的な犯罪被害者支援に向け、引き続き条例化を求めていきたい」と話す。

犯罪被害者らへの給付・支援制度


 ◆国


 ▽対象と金額

・遺族

・重い傷病を負った被害者本人

・障害が残った被害者本人

 (※金額は被害者の年齢や収入などから算定)

 ▽遺族の範囲

 配偶者、事実婚関係にあった人、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹

 ▽申請先

 住所地の公安委員会、警察で受け付け

 ◆札幌市

 ▽対象と金額

・遺族(30万円)

・重い傷病を負った被害者と家族(10万円)

・性犯罪を受けた被害者と家族(10万円)

 ▽遺族の範囲

 札幌市民。国の範囲に加え、性的マイノリティーのパートナーも

 ▽申請先

 市役所



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