FC2ブログ

記事一覧

子どもの貧困 コロナ禍の今、支援強化を(2020年9月22日配信『西日本新聞』-「社説」)

 多くの子どもが依然、貧困の中で苦しんでいる。新政権は対策を抜本的に強化すべきだ。

 厚生労働省の調査によると、中間的な所得の半分未満の家庭で暮らす18歳未満の割合を示す「子どもの貧困率」は2018年時点で13・5%だった。先進国としては高い値で、前回15年調査の13・9%から、ほとんど改善していない。子どもの7人に1人程度が貧困状況で暮らしていることになる。

 特に深刻なのは、母子家庭などのひとり親世帯の貧困だ。

 母子家庭の母親の就業率は極めて高いが、厚労省調査では9割近い世帯が生活は「苦しい」と回答している。平均稼働所得は約230万円で、児童のいる世帯平均の約3分の1にとどまる。不安定かつ低賃金である非正規雇用の多いことが大きな原因とされる。

 注意したいのは、これらの数字は新型コロナウイルスの感染が始まる前のものである点だ。感染拡大で経済は冷え込み、解雇や雇い止めが増加している。困窮する世帯は現在、急速に増え続けているはずだ。

 厚労省によれば、今年4月の生活保護申請は前年同月比で2割以上増えた。低所得者世帯に生活資金を無利子で貸し付ける「緊急小口資金」の申請も、リーマン・ショックの影響が広がった09年を上回るペースで増大している。

 NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」が4月に実施したアンケートでは、母子家庭の半数超が新型コロナの影響で収入が「なくなる」「減る」と回答している。事態は極めて深刻だと受け止めるべきだ。

 政府は児童扶養手当を受給しているひとり親世帯の第1子に5万円、第2子以降に3万円、さらに収入が大きく減った世帯に5万円を追加支給する。とはいえ、事態収束が見通せないコロナ禍に苦しむ世帯には、とても十分とは言い難い。政府は困窮の実態を把握し、長期的な支援策を打ち出すべきだ。

 困窮する子どもを支援する「子ども食堂」の多くが緊急事態宣言下に活動を停止した。宣言解除後も「3密」回避などに苦労し、再開できない所があるという。各自治体は配食サービスや感染症対策に取り組む運営団体を後押ししてほしい。

 親から子への貧困の連鎖を断ち切ろうと14年、子どもの貧困対策推進法が施行された。昨年の法改正で市町村の対策を強化する新たな大綱が策定され、貧困の現状や施策の効果を検証する指標が細かくなった。子どもにも親にも手厚く、きめ細かい支援の実現が待ったなしだ。






スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ