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コロナで病院経営悪化(2020年9月22日配信『宮崎日日新聞』-「社説」)

◆官民で闘いの最前線を守れ◆

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で医療機関の経営悪化が深刻だ。県立3病院の4~6月の収益が前年同期比8・1%減少し、約64億円に落ち込んだことが9月定例県議会厚生常任委員会で示された。日本病院会などによると、4~6月には全国の病院の6割超が赤字で、中でもコロナ患者を受け入れている病院は8割超が赤字になった。

 政府は今月、患者受け入れ医療機関に対して支援を強化し、1兆6386億円を支出することを閣議決定。病院はウイルスとの闘いの最前線である。引き続き、官民を挙げて最優先で病院支援を急ぐべきだ。

 全国自治体病院協議会も、コロナ患者を受け入れる公立病院の9割超が4~5月に前年同期比で収支が悪化したと発表した。コロナ患者を診る大病院に限らず、直接対応しない診療所も大きな影響を受けている。

 日本医師会によると、3~4月に前年同期比で外来受診が減った診療所が9割超。厚生労働省のまとめでは、5月の小児科受診者がほぼ半減した。

 大病院はコロナ患者受け入れに要員配置を厚くし、通常の入院患者は減らした。集中治療室(ICU)の病床を重症感染者用に一定数空けたほか、院内感染防止のため病床数を減らし、不急の手術を先送りした。一方、一般の人たちは感染を防ごうと外来受診を控え、特に身近なかかりつけ医である診療所の減収が深刻になった。これらが経営悪化の原因だ。

 独自の支援策に乗り出した地方自治体もある。奈良県は、原則全国一律の診療報酬を、県内については一定割合で引き上げる特例を検討。東京都はコロナ患者を受け入れた病院の経営安定のため約200億円を確保し、約130の医療機関に重症者数などに応じて配分する。石川、鳥取両県なども医療機関へ協力金を支給する方針だ。

 ふるさと納税の寄付を医療機関支援の財源にする取り組みも始まっており、各自治体は創意工夫を一層進めてほしい。

 民間では、MS&ADホールディングスが、コロナで病院が被った損害を補償する新型保険を発表。三井住友銀行は、コロナに対応する病院などを対象に総額1千億円の融資枠を新設した。ビジネスを通じた支援の輪の広がりにも期待したい。

 医療機関は、コロナ感染者を直接診ない診療所も含め、国民の生命、健康を支える社会に不可欠なインフラだ。いったん崩れれば、コロナ禍が去った後も簡単には復旧できない。地域の医療基盤を崩壊させないためにはさらなる支援に加え、過重労働に陥りがちな医療関係者の労働環境を整備し、モチベーションを維持することも大切だ。




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Author:gogotamu2019
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