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預金不正引き出し 安全性を再点検せよ(2020年9月24日配信『茨城新聞』-「論説」)

 キャッシュレス決済のサービスと結び付けた銀行口座から、本人の知らないうちに預金が引き出される不正が相次いでいる。当初発覚したNTTドコモにとどまらず、ソフトバンク系などほかの決済事業者でも不正引き出しが見つかった。決済事業者と銀行の双方が、消費者保護を最優先に安全性を早急に再点検すべきだ。

 NTTドコモで発覚したのは電子マネー決済サービス「ドコモ口座」を利用した不正引き出しだ。同口座を開設することでスマートフォンを使った決済「d払い」やユーザー同士の送金ができ、銀行口座とひも付けることでお金をドコモ口座へ入金できる仕組み。

 ドコモ口座は事実上メールアドレスがあれば簡単につくれたため、他人になりすました不正利用者による開設が可能だった。その上で、何らかの方法で入手した銀行の口座番号や名義などを使って双方を結び付け、預金をドコモ口座へ移して使われたとみられる。

 NTTドコモのまとめでは預金の引き出し被害はこれまでに160件超、計2700万円以上になる。同社は銀行と連携して全額を補償する方針だが、被害者のあずかり知らぬところでの引き出しであり当然である。

 ドコモの説明によると、金融サービス事業の利用者拡大を目的に昨年9月、同社の携帯電話契約者でなくてもメールアドレスがあればドコモ口座を開設できるようにしたという。

 従来はドコモの契約者向けサービスだったため一定の安全性が保たれていたが、これを機に本人確認のセキュリティーが甘くなったのは否めない。事業拡大の優先で安全性が軽視されたと言え、ドコモは猛省すべきだ。

 同社は再発防止のためドコモ口座の開設に際して、スマホに数分間だけ有効な「ワンタイムパスワード」をショートメールで送信し、受け取った本人に入力してもらう「2段階認証」を導入する方針だ。遅きに失した感はあるが、安全策構築を急いでもらいたい。

 一方、被害者はもちろん口座を持つ多くの人が納得できないのは、落ち度がドコモ側だけでなく、連携した銀行側にもあるとみられる点である。

 ドコモ口座は全国の35行でひも付けが可能だったが、その際、2段階認証など厳格な本人確認をしていなかった銀行で被害が出たからだ。

 全国銀行協会の三毛兼承会長(三菱UFJ銀行頭取)は記者会見で、不正引き出しが相次いでいる点について「銀行側にも認証の手続きに問題点があった」と述べ、陳謝した。本人確認の甘さを認めた形であり批判は免れられない。

 不正はドコモに加えソフトバンク系スマホ決済大手のペイペイやLINEペイなどほかのキャッシュレス決済事業者でも見つかった。銀行ではゆうちょ銀行からの引き出しが2千万円超と多く、いずれも本人確認の隙を突かれたとみられる。

 事態を受けて警察当局は私電磁的記録不正作出などの容疑を視野に捜査を始めた。銀行口座を持つ人は誰でも被害に遭う恐れがあり、国民に不安が広がっている。早期の捜査進展を望みたい。

 一人一人の自衛意識も大事だ。偽サイトに誘い口座番号やパスワードを盗む「フィッシング」が横行しており、今まで以上に不審なサイトやメールに気をつけたい。



預貯金不正引き出し(2020年9月24日配信『福井新聞』-「論説」)

安全性の再点検欠かせぬ

 ドコモ口座などキャッシュレス決済サービスを通じた預貯金の不正引き出し被害が相次いでいる。NTTドコモに加え、ソフトバンク系決済大手のペイペイやLINEペイなど他の決済事業者でも不正が見つかっている。決済事業者と銀行の双方が消費者保護を最優先に、早急な安全性の再点検が欠かせない。

 厄介なのは、キャッシュレス決済を利用していない人でも預貯金口座を開設していれば、被害に遭っていることだ。今後、不正に気付く可能性があり、被害額が膨れ上がりかねない。被害把握のためには口座から不自然な出金があるか否か通帳の確認を急ぎたい。

 ドコモ口座ではスマートフォンを使った決済「d払い」や利用者同士の送金が可能で、銀行口座とひも付けることでドコモ口座へ入金できる仕組みだ。ただ、口座は事実上メールアドレスがあれば簡単につくれるため、不正利用者による、なりすまし開設も野放し状態だったという。

 不正利用者は何らかの方法で入手した銀行の口座番号や名義などを使って双方を結びつけ、預貯金をドコモ口座へ移して使ったとみられる。偽サイトに誘い口座番号やパスワードを盗む「フィッシング」で入手した可能性もあるとされ、一人一人が不審なサイトやメールに気をつける必要があるだろう。

 NTTドコモによると、利用者拡大を目的に昨年9月、同社の携帯電話契約者でなくてもメールアドレスがあればドコモ口座を開設できるようにしたという。これにより本人確認のセキュリティーが甘くなったのは否めない。事業拡大を目指すあまり、安全性を軽視した結果であり、猛省すべきである。今後は口座の開設に際して、スマホに一定時間だけ有効な「ワンタイムパスワード」を送信し、本人に入力してもらう「2段階認証」を導入する方針というが、急ぎ構築しなければならない。

 ドコモによると、被害はこれまでに170件超、計2700万円以上になるという。同社は銀行と連携して全額を補償するとしている。ドコモ側だけでなく、連携した銀行側にも「認証の手続きに問題点があった」(全国銀行協会会長・三毛兼承三菱UFJ銀行頭取)と本人確認の甘さがあったことを認めている以上、当然だろう。

 不正引き出しが見つかった他の決済事業者を含め、銀行ではゆうちょ銀からの引き出しが2千万円超と最も多い。銀行口座を持つ人なら誰でも被害に遭う恐れがあり、国民の間には間違いなく不安が広がっている。警察当局は私電磁的記録不正作出などの容疑を視野に捜査を始めており、早期の進展を望みたい。





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