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喜多方市手話言語条例

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 福島県喜多方市市議会は、2020年9月17日、「手話が言語であるとの認識に基づき、手話への理解の促進及び手話の普及(以下「 手話の普及等」という。)に関し基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、手話の普及等に関する施策の基本となる事項を定めることにより、市民の手話及びろう者 等に対する理解の促進を図り、もって全ての市民が共生することのできる地域社会を実現することを目的とする」喜多方市手話言語条例案を可決した。施行は、10月1日。

 同種の条例は、県内では、福島県、郡山市、伊達市、福島市、須賀川市、二本松市、白河市、田村市、三春町についで10例目。全国では361例目。

 市は、福島県の北西部、会津盆地の北に位置し、北西に、世界遺産の国内候補に挙げられた飯豊連峰(いいでれんぽう)の雄大な山並みが連なり、東には名峰磐梯山の頂を望む雄国山麓(おぐにさんろく)が裾野を広げる豊かな自然に恵まれた風光明媚なまちである市は、旧喜多方市、熱塩加納村(あつしおかのうむら)、塩川町(しおかわまち)、山都町(やまとまち)および高郷村(たかさとむら)の5つの市町村が、2996(平成18)年1月4日に合併し、新しく誕生した。

 市の一帯は、会津の北方(きたかた)に位置していたことから、古来、北方と称され、江戸時代には、会津藩の領地となっていたが、明治以降、小さな集落を合わせて町や村が形成され、昭和20年代後半から30年代にかけて、町村合併促進法により複数の市町村が形成された。

 札幌ラーメン、博多ラーメンと並んで日本三大ラーメンの一つに数えられる喜多方ラーメン発祥の街で、蔵が多く立ち並ぶ街並みを楽しめることから「蔵とラーメンの街」として知られる。また合併によって喜多方市になった山都町はそばの里、高郷町は化石の里としての特色を有する。

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  市の人口は、45,915(男;21,882/女;24,033)人、16,826世帯(2020年8月1日)

 市の身体障がい者の状況(推移)は以下の通り。

 2016(平成28)年度の身体障がい者数は2,645人。等級別では4級が802人で最も多く、以下、1級が690人、3級が573人、2級が317人。4級の割合が増加傾向にある理由としては、特に加齢によって、聴覚・平衡障がいのある方が増加傾向にあるためと考えられている。

 障がいの種類別にみると、2016年度は肢体不自由が1,838人と最も多く、次いで内部障がいが752人となっており、肢体不自由と内部障がいで全体の約8割を占めている。2012(平成24)年度と比較すると、視覚障がい、内部障がい、音声・言語障がいはほぼ横ばいであるが、肢体不自由は2,132人から13.8%減少しており、聴覚・平衡機能は19.5%増加し、410人となっている。

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喜多方市手話言語条例

  手話言語は、音声言語と異なり、手指や体の動き、表情を使って視覚的に表現する言語です。
  ろう者は、物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解し合うためにまた、知識を蓄え、文化を創造するために手話言語を大切に育んできました。その一方で、長年にわたり手話が言語として認知されてこなかった歴史や、手話を使用する環境が十分に整っていなかったことなどからろう者は生活に 必要な情報の取得やその意思の伝達に不便や不安を感じながら生活してきました 。
  こうした状況の中、平成18年に国際連合総会で採択された障害者 権利に関する条約において、手話が言語であると定義され、このことが国際的に認知されることとなりました。我が国においても、平成 23年に改正された障害者基 本法において、手話が言語に含まれることが明確化されるとともに、平成26年には 障害者の権利に関する条約が批准され、手話が言語であると 位置付けられました。
  しかしながら、手話は、ろう者等が生活を営むために必要不可欠な言語であることなど手話に対する市民の理解はいまだ十分 に深まっているとは言い難い状況にあります。
  このため、手話が人と人が意思疎通を行い、互いを理解する主要な手段となる言語であるとの認識に基づき、手話に対する理解を深め、手話を普及することにより、ろう者等の人権が尊重され、全ての市民が互いに支え合いながら共生することのできる地域社会を実現するため、この条例を制定します。

(目的)
第1条 この条例は手話が言語であるとの認識に基づき、手話への理解の促進及び手話の普及(以下「 手話の普及等」という。)に関し基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、手話の普及等に関する施策の基本となる事項を定めることにより、市民の手話及びろう者 等に対する理解の促進を図り、もって全ての市民が共生することのできる地域社会を実現することを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において、「ろう者等」とは、ろう者(聴覚障が者のうち、手話を言語として日常生活又は社会生活を営む者をいう。)、難聴者、中途失聴者、言語機能障がい者、音声機能障がい者その他の手話を必要とする者をいう。

(基本理念)
第3条 手話は、ろう者が文化的かつ心豊かな社会生活を営むために大切に育んできた言語であることを理解しなければならない。
2 手話の普及等は、ろう者等が手話により円滑な意思疎通を図る権利を有し、全ての市民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生することを基本として行われなければならない。

(市の責務)
第4条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、手話の普及等を図り、ろう者等が手話を使用 しやすい環境を整備するため、必要な施策を推進するものとする。

(市民の役割)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、手話に対する関心と理解を深めるとともに、手話の普及等に関する市の施策に協力するよう努めるものとする。
2 ろう者等は、基本理念にのっとり、市の施策に協力するとともに、基本理念に対する市民の理解の促進及び手話の普及等に努めるものとする。
3 手話通訳者その他の手話を使うことができる者(以下「手話通訳者等」という。)は、基本理念にのっとり、市の施策に協力するとともに、手話に関する技術の向上、基本理念に対する市民の理解の促進及び手話の普及等に努めるものとする。

(事業者の役割)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、ろう者等が利用しやすいサービスを提供するとともに、ろう者等が働きやすい環境を整備するよう努めるものとする。

(施策の推進)
第7条 市は、次に掲げる手話に関する施策について、総合的かつ計画的に実施するものとする。
⑴ 手話の普及等に関する施策
⑵ 手話による情報の発信及び情報の取得に関する施策
⑶ 手話を使用しやすい環境の整備に関する施策
⑷ 手話による意思疎通の支援に関する施策
⑸ 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める施策

(手話を学ぶ機会の確保)
第8条 市は、ろう者等及び手話通訳者等と協力し、市民が手話を学び、ろう者等に対する理解を深める機会の確保を図るものとする。

(手話通訳者等の養成、確保、派遣等)
第9条 市は、手話通訳者等の養成、確保及び手話に関する技術の向上を図るものとする。
2 市は、関係機関と連携し、ろう者等が手話を使用しやすい環境を整備するため、手話通訳者等の派遣その他の必要な措置を講ずるものとする。

(手話通訳者等の設置及び処遇の改善)
第10条 市は、手話通訳者等の設置の拡充及び処遇の改善について、必要な措置を講ずるものとする。

(学校における手話の普及等)
第11条 市は、学校教育において手話が言語であること及び障がいの特性に応じた意思疎通を図る手段への理解の促進を図るものとする。
2 市は、学校において児童、生徒及び教職員に対し、手話を学ぶ機会を提供するものとする。
3 手話を必要とする幼児、児童又は生徒(以下この項において「ろう児等」という。)が入所し、通園し、又は通学する学校等の設置者は、ろう児等が、必要な手話に関する支援を受けられるよう努めるものとする。

(医療機関における手話の普及等)
第12条 医療機関の 開設者は、ろう者等が手話を使用しやすい環境を整備するため、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 市は、医療機関に対して、手話通訳者等を派遣する制度の周知 その他の必要な措置を講ずるものとする。

(事業者への支援)
第13条 市は、ろう者等が手話を使用しやい環境を整備するために事業者が行う取組に対し、必要な支援を講ずるものとする。

(災害時の対応)
第14条 市は、災害その他非常の事態において、ろう者等が手話により必要な情報を速やかに取得し、円滑に意思疎通を図ることができるよう、必要な措置を講ずるものとする。

(情報通信技術の活用)
第15条 市は、手話に関する施策に関し、情報通信の技術の活用に努めるものとする。

(財政上の措置)
第16条 市は、手話に関する施策を推進す るために、予算の範囲 内において、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

(その他の意思疎通 の支援の推進)
第17条 市は、手話、要約筆記(その場の音声情報を文字にして 聴覚障がい者に伝える通訳をいう。) その他の意思疎通 支援を活用し、ろう者等の特性に応じた、円滑な意思疎通の支援に必要な措置を講ずるものとする。

(委任)
第18条 この条例の 施行に関し必要な事項は、市長が別に定める 。

附 則
この条例は、令和2年10月1日から施行する。




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