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ネット金融不正 便利さと安全性を両立させよ(2020年9月25日配信『読売新聞』-「社説」) 

 インターネットで金融の利便性が高まっても、安全性が確保されなければ意味がない。利用者が安心して使えるよう、官民で安全対策を再構築する必要がある。

 ネットによる金融サービスで、顧客のお金が不正に引き出される被害が拡大している。

 ネット証券大手のSBI証券では、顧客6人の証券口座から1億円近くが流出した。

 第三者が口座所有者のIDとパスワードを入手し、不正にログインして株を売却したお金を、本人になりすまして開いた同じ名義の銀行口座に移すという手口だ。

 犯罪が続発すれば、ネット金融の信頼性が揺らぎかねない。捜査当局は、手法の解明と犯人の摘発に全力を挙げてもらいたい。

 NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を悪用した銀行口座からの不正引き出しは、23日までに11銀行で約190件、計約2800万円に上っている。

 その多くを占めたゆうちょ銀行では、他の決済事業者でも不正引き出しに利用され、「ペイペイ」など7社で被害が確認された。ゆうちょ銀のプリペイド機能付きのデビットカードでも、不正な送金が判明している。

 利用者の不安を取り除くには、再発防止策の徹底が不可欠だ。

 見過ごせないのは、不正が決済事業者と銀行の異業種連携の隙を突いていることである。互いに相手が対策を取っていると考え、他人頼みになっていなかったか。

 銀行口座と決済サービスをひもづける際の本人確認には、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)などで送った番号を使う「2段階認証」が有効だが、多くが導入していなかった。

 決済事業者に強く2段階認証の採用を求めたという、ゆうちょ銀に対し、事業者側は「話はなかった」と食い違っている。

 日本銀行の黒田東彦総裁は記者会見で、銀行に提携先も含めた適切なリスク管理を行うよう促した。ネット金融を担う業界全体で取り組むべきだ。

 問題発生後の対応にも改める点が多い。ドコモの店舗では当初、被害者の問い合わせに「情報開示できない」と言って、適切に対処しなかった事例があるという。

 ドコモは銀行から被害の一報を受けてから、記者会見を開くまで1週間かかっている。ゆうちょ銀も、事実の公表が遅れた。

 迅速に具体的な情報を明らかにし、被害を最小限に食い止める努力を尽くさねばならない。




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Author:gogotamu2019
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