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コロナ入国制限の緩和 感染状況見極めた対応を(2020年9月27日配信『毎日新聞』)


 新型コロナウイルス感染症の水際対策で導入した入国制限の大幅緩和を政府が決めた。国・地域による制限を外し、全世界から入国者受け入れを再開する。

 現在は、159カ国・地域からの入国を原則拒否しているが、中長期の滞在者は認める。ビジネス関係者だけでなく、私費留学生や研究者なども受け入れる。観光客は対象外だ。1日1000人程度を見込んでいる。

 コロナ禍で落ち込んだ経済を再生することが狙いだ。菅義偉首相は「検査をしっかり行った上で、できる限り往来を再開していく」と強調した。

 だが、なぜこの時期に全世界を対象にして緩和するのか、疑問が残る。

 政府が6月に第1弾の緩和を決めた際は、感染状況が落ち着いている国から、段階的に拡大していくと説明していた。今回の方針転換について、合理的な説明はなされていない。

 世界の感染状況は深刻だ。米国の感染者、死者は世界最多で、収束は見通せていない。英国やフランスなど欧州では感染が再拡大している。

 これまで、空港検疫で把握された感染者は日本人を含め900人を超える。検査の精度には限界があり、陽性者が検疫をすり抜けることは防ぎきれない。

 受け入れ国・地域の拡大は相手国の感染状況を見極めたうえで、慎重に進めるべきではないか。

 空港での検査体制の強化も欠かせない。検疫官や検疫場所は不足が指摘されている。十分に確保することが急務だ。

 入国後の2週間は宿泊施設などでの待機や、公共交通機関を使わないことが求められる。こうしたルールの順守徹底が課題となる。健康観察を担当する保健所の負担軽減策も必要だ。

 政府は、制限緩和による感染拡大が起きた場合に、迅速に把握して適切な対応ができるよう、地方自治体と緊密に連携しなければならない。

 受け入れを始めた後でも、相手国で感染が急拡大した場合には、制限の再実施を検討すべきだ。

 経済活動の活発化を重視するあまり、制限緩和に前のめりになってはならない。


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Author:gogotamu2019
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