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コロナと母子家庭 深まる困窮手厚い支援を(2020年9月27日配信『熊本日日新聞』-「社説」)

9月27日 07:11

 新型コロナウイルスの感染拡大は社会的弱者の存在を顕在化させ、取り巻く課題を深刻化させている。困窮状態にあるひとり親世帯もその一例だ。とりわけ母子家庭は、パートや派遣社員など非正規で働く母親が多く、解雇や雇い止めに遭ったり、休業などで収入が減ったりして、いっそう苦しい生活を強いられている。

 影響は、子どもたちの育ちや学びにも及ぶが、現状では十分な支援を受けているとは言い難い。政府はコロナ禍による貧困の実態を把握し、支援の拡充を急ぐべきだ。同時に、非正規労働者の待遇改善や正社員化など中長期的な雇用対策も視野に、生活水準の格差を是正する抜本的な取り組みも進めてもらいたい。

 厚生労働省が7月に公表した国民生活基礎調査では、母子世帯の実に86・7%が「生活が苦しい」と答えた。2018年時点の母子世帯の平均稼働所得は約230万円で、児童のいる世帯の約3分の1の水準にとどまっている。

 中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合「子どもの貧困率」は、18年時点で13・5%。それが、母子家庭など大人1人で子どもを育てる世帯に限ると48・1%にはね上がる。

 こうした厳しい生活実態は長年指摘されてきたが、国も自治体も実効性のある対策を講じてきたとは言い難い。そこへ今回のコロナ禍である。暮らし向きが一段と厳しくなっていることは想像に難くない。

 政府は、家計を支援するため全国民に1人当たり10万円の特別定額給付金を配った。さらに児童扶養手当を受給するひとり親世帯に最低5万円、収入が大幅に減った世帯にはさらに5万円を支給するなどの手を打った。独自に上乗せ給付する自治体もあるが、いずれも一時的な支援だ。コロナ禍が長期化する中で、助けにはなっても生活改善には程遠いようだ。

 厚労省によると、新型コロナ関連の解雇や雇い止めは、今月23日時点で6万人超に上った。20日余りで1万人増えており、非正規を中心に増加のスピードが速まっているという。

 NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」が7月に実施したインターネット調査では、母子家庭の約7割が新型コロナで雇用や収入に影響があったと回答。生活費を切り詰めるため、2割近くの家庭が食事の回数を減らしていた。事態は極めて深刻で、より手厚い支援策が必要だ。未来を担う子どもたちへの投資と捉えれば、ためらうべきではないだろう。

 政府は近く、新型コロナで浮き彫りになった女性の問題を分析する研究会を発足させ、今後の施策に反映させる。テーマには非正規雇用も挙がっており、母子家庭の生活向上という視点でも議論を深めてほしい。

 子ども食堂や学習支援などで母子家庭を支えている地域のNPO法人にも目を向けたい。運営を支えることは、母親や子どもたちを孤立させないことにもなる。




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