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始動期終えた菅首相 なぜ早く国会を開かない(2020年9月30日配信『毎日新聞』-「社説」)

 菅義偉内閣が発足して2週間となった。

 自ら命名した「国民のために働く内閣」をアピールするためなのだろう。首相は、携帯電話料金の値下げや「デジタル庁」の設置をはじめ、自民党総裁選で表明した個別政策の具体的検討を矢継ぎ早に指示している。

 各国首脳との電話協議も連日のように続く。始動期間は終わったといっていい。

 そんな中で後回しになっているのが、国会への対応だ。

 首相が所信表明演説を行う臨時国会の召集は10月20日以降になると、自民党は野党に伝えている。これではあまりにも遅い。

 まさか、国会をないがしろにしてきた安倍晋三前首相の手法も継承するというのではあるまい。

 所信表明演説は、内政・外交をどう進めていくか、首相の基本方針を明らかにするものだ。それを直ちにしないのは、国民への説明を軽んじているというほかない。

 過去、福田康夫、麻生太郎両元首相は内閣発足から5日後に所信表明演説をし、各党の代表質問にも答えている。極力早く演説を行うのが首相の責務だ。

 菅首相が個別政策の早期実現にこだわるのは、看板は掲げるものの具体策が伴わなかった安倍前首相との違いを示す狙いがあるのだろう。打ち出している政策に期待している国民も多いと思われる。

 しかし、これらを通じてどのような日本社会を築いていくのか。「総論」はまだ見えない。

 首相は目指す社会を「自助・共助・公助、そして絆」と言い、「まず自助」と語る。野党はこの姿勢を「自己責任を重視する新自由主義的な志向だ」と批判している。

 これにどう答えるか。国会での審議は重要な場となる。

 新型コロナウイルス対策は政府任せになっている。与野党が国会で早急に議論すべきである。

 森友・加計問題や桜を見る会の疑惑も解明されていない。前政権の負の遺産を国会で検証し、総括するのは当然だ。

 一方、野党も及び腰だ。臨時国会の早期召集を強く求めないのは、自民党に望む声が根強い年内の衆院解散・総選挙を恐れているからだとしか思えない。国会を立て直すには野党も覚悟が必要だ。



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Author:gogotamu2019
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