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性交同意年齢 13歳ではあまりにも低い(2020年9月30日配信『山陽新聞』-「社説」)

 性犯罪を厳罰化した2017年施行の改正刑法が見直しの時期を迎えている。付則に3年後の見直しが盛り込まれたのを受け、法務省は有識者による検討会を立ち上げ、6月から議論を進めている。法改正が必要と判断されれば、法相が法制審議会に諮問することになっている。

 論点の一つが「性交同意年齢」である。性交に同意する能力があるとみなす年齢の下限で、日本では13歳となっている。明治時代に制定されてから変わっていない。

 改正刑法は性犯罪を厳罰化した一方、強制性交罪が成立するための暴行・脅迫の要件は残った。被害者が13歳以上なら暴行・脅迫があったか、どの程度抵抗したかを自分で説明しなければならない。

 13歳といえば中学1年生だ。性被害に遭っても何が起きているか、理解できない子も多いのではないか。被害者支援団体などが「13歳は低すぎる」と訴えてきたのは当然だろう。文部科学省の学習指導要領では中学の保健体育で性交について教えなくてもよいとされており、性教育の実態と刑法とのずれも問題だ。

 改正刑法では18歳未満の子どもに監護者が性交した場合に罰せられる「監護者性交罪」が創設された。だが、監護者は保護者らに限られる。実際には、教師や部活動の指導者などから未成年者が被害を受ける場合も少なくない。

 海外の性交同意年齢は、米国は州によって異なり16~18歳、英国やカナダは16歳、フランスは15歳、ドイツは14歳などとなっている。日本と同じく13歳だった韓国は今年5月に16歳へ引き上げ、主要国で日本が最も低くなった。

 韓国で引き上げの契機となったのは、会員制交流サイト(SNS)を通じて中学生を含む多くの女性をだまし、入手したわいせつ動画などを販売する事件だった。若者を守るため、性犯罪対策を抜本的に見直したという。

 スマートフォンの普及に伴い、未成年者が被害に遭う危険性が増しているのは日本も同様ではないか。何歳まで引き上げるかは議論の余地があるが、引き上げは必要だ。義務教育を終える16歳は一つの目安になるのではないか。

 17年の改正刑法を巡る議論でも性交同意年齢は論点になったが、思春期の恋愛も罪に問うのかといった意見もあり、まとまらなかった。海外では加害者側の年齢を19歳以上などと限定する国もある。参考にしたい。

 性交同意年齢のほか、暴行・脅迫要件の撤廃や緩和なども重要な論点だ。暴行や脅迫を受けなくても、混乱して被害者が動けなくなる例は多い。海外では暴行・脅迫がなくても、同意がない性交であれば罰する国もある。

 検討会には性被害の当事者も加わり、メンバーの7割を女性が占めるなどこれまでにない構成で、画期的だ。被害の実態を十分に踏まえた議論が進むことを期待したい。




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