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竹内結子の自殺を受け加藤官房長官が「それぞれが自殺のない社会を」と“自助”任せ発言 コロナで女性の自殺者急増も対策なし(2020年9月29日配信『リテラ)

 俳優・竹内結子の自殺報道を受け、いかに自殺を防止することができるかということが喫緊の課題になっているが、そんななか、政府から信じがたい言葉が飛び出した。

 それは、昨日28日午前におこなわれた官房長官会見でのこと。加藤勝信官房長官に対して毎日新聞の記者が、政府の自殺対策についてと「国民に向けて伝えたいこと」について質問をおこなったときのことだ。

 加藤官房長官はまず、報道のあり方に言及した上で、「多くの方が自ら尊い命を断っているというこの現実、これを我々はしっかりと重く受け止めなければいけない」と発言。問題は、このあとの発言だ。

「いろいろ悩みがある方、そしてとくに孤立されてしまう、そういうことがないようにですね、地域共生社会の実現ということにもつながってまいりますけれども、ぜひ温かく寄り添いながら見守っていただけるような社会を一緒に構築していただきたいと思いますし、周辺の方がですね、そうしたことが気づけばですね、ぜひこうした相談窓口に……ま、話にのってあげるということ、場合によってはそういった自殺関係の相談窓口もありますから、そういったところに相談したらどうかというサジェスチョンを与えていただけることなどですね、やはり、周りの方含めて、みんなで、それぞれが自殺のない社会をつくっていただけるようにですね、お願いをしたいと思いますし、政府としてもそうした相談窓口の設置等に対してしっかり取り組んでいきたい」

「それぞれが自殺のない社会をつくっていただきたい」──。つまり、加藤官房長官は菅義偉首相が掲げる「まずは自助」「次に共助」を地でゆくメッセージを国民に発信したのである。

コロナで自殺者急増 女性の自殺者の増加数は男性の3倍に ホームレス化も進む

 たしかに、悩みをひとりで抱え込まず誰かに相談できる環境づくりは重要なことだ。だが、とりわけ多くの人が不安を抱いているこのコロナ禍にあって、政府が第一に発信すべきは国による緊急支援、そして体制強化といった具体策についてだろう。しかし、加藤官房長官は、つい先日まで厚労大臣だったというのに「それぞれが自殺のない社会をつくって」と国民に丸投げ。あとはテレビのワイドショーと同じように「相談窓口」と繰り返すだけだったのだ。

 そもそも、自殺の問題は著名人にとどまるものではない。実際、自殺者数は大幅に増えており、今年8月の自殺した人は全国で1849人と昨年同月から246人も増加。なかでも注目すべきは、女性の自殺者が増えていること。8月の自殺した人の数は男性が60人増だったが、女性は186人も増えているのである。

 この背景にあると見られているのが、ひとつは雇用の問題だ。安倍政権下で非正規雇用が増加したが、そのうち女性が占める割合は約7割。「女性の活躍」と謳いながら、実際には低賃金で不安定な雇用に晒してきたわけだが、その結果、新型コロナによって女性は大きな打撃を受けている。現に、今年7月には非正規が前年の同じ月より131万人減となったが、その6割超が女性だ。

 そして、困窮に追い込まれた女性のホームレス化も指摘されている。貧困問題に取り組む作家の雨宮処凛氏はコロナの影響により失業した女性がホームレス状態となっている事例を取り上げ、〈失業が即、ホームレス化につながる女性がこれほど存在するというのは、貧困問題に16年かかわっていて初めての経験だ〉と述べている(ハフポスト9月24日付)。

 問題は単身女性だけではない。独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の8月調査では、女性の収入が1割以上減少した家庭においては〈5世帯に1世帯が食費の切詰めを行っており、1割弱が公共料金等の滞納をしている〉という結果も出ている。また、コロナ禍では配偶者によるドメスティックバイオレンスも問題化しており、DV相談件数が増えている。DVにはいたらなくても、コロナや自粛生活の影響で増大した家事・育児の過大な負担が女性だけにのしかかっているというケースも少なくないだろう。

日本では女性に特化した支援は置き去り 中曽根元首相には1億円の公助も

 女性をめぐる深刻な状況と自殺者の急増──。だが、コロナで女性が煽りを受けることは早い段階から指摘されていた。実際、アントニオ・グテーレス国連事務総長は4月9日に〈各国政府に対し、女性及び女児をCOVID-19への対応に向けた取組の中心に据えるよう強く要請します〉とメッセージを発表している。

 ところが、日本では女性に特化した支援は置き去りにされ、コロナの影響を女性がどれほど受けたかについての分析についても明日30日に初会合が開かれるといった有様。政策に反映されるのはまだ先になるだろう。

 増加する自殺を食い止めるために、いまこそ「公助」が必要だということは言うまでもない。たとえば、加藤官房長官が「経済的・社会的不安を取り除けるよう全力でバックアップする」と具体的でなくとも一言でも発すれば、それが誰かに幾許かの安心を与えることになったかもしれない。だが、出てきたメッセージは「自助」「共助」……。かたや、「前例主義の打破」を掲げながら、すでに昨年に亡くなった総理経験者の“2度目の葬儀”には約1億円も「公助」しようというのである。

 これが、菅政権の冷酷さ、むごさなのだということを、国民は一刻も早く気づく必要がある。

(編集部)




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