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オール野党目指す共産・志位和夫「菅政権は史上最悪の継承」(2020年9月30日配信『AERA.com』)

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(左から)田原総一朗氏、志位和夫氏(撮影/写真部・松永卓也)

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(左から)田原総一朗(たはら・そういちろう)1934年、滋賀県生まれ。早稲田大卒。ジャーナリスト。「朝まで生テレビ!」「激論!クロスファイア」で司会を務める。『戦後日本政治の総括』(岩波書店)など、著書多数/志位和夫(しい・かずお)1954年、千葉県生まれ。東京大卒。73年に日本共産党に入党すると、90年に35歳で書記局長に起用される。93年に衆院選初当選。2000年から党委員長(撮影/写真部・松永卓也)

(左から)田原総一朗(たはら・そういちろう)1934年、滋賀県生まれ。早稲田大卒。ジャーナリスト。「朝まで生テレビ!」「激論!クロスファイア」で司会を務める。『戦後日本政治の総括』(岩波書店)など、著書多数/志位和夫(しい・かずお)1954年、千葉県生まれ。東京大卒。73年に日本共産党に入党すると、90年に35歳で書記局長に起用される。93年に衆院選初当選。2000年から党委員長(撮影/写真部・松永卓也)


 首相指名選挙で、立憲民主党の枝野幸男代表に一票を投じた共産党。その行動にかけた思いとは。ジャーナリストの田原総一朗氏が「最も柔軟性がある」と評価する志位和夫委員長に聞いた。
*  *  *
田原:9月16日に衆参で行われた首相指名選挙で、共産党は立憲民主党の枝野幸男代表に投票した。これはすごいことだと思う。

志位:他党の党首への投票では、22年前に(当時、民主党の)菅(直人)さんに入れたことがありますが、当時は今のような野党共闘はなかった。本格的な野党共闘を進める中での投票は初めてです。私自身、画期的なことだと思っています

田原:野党が協力して政権を取るという姿勢を明確に打ち出した。

志位:衆院で枝野さんが134票。あと100票増えたら政権交代ですよ。本気になったらひっくり返せないことはないということです

田原:今まで共産党は頑固で、なんだかんだ協力してこなかった。それが今は全面的に協力すると。

志位:共産党は以前は独自路線だったんです。それは筋が通っていたと思う。ただそのやり方を変えた。切り替えたのは、2015年9月。きっかけは安保法制を通されたからです。こればかりは廃止しないとだめだと。そのためには政権を取らなきゃだめだとなって、そうすると選挙協力が必要ということになった。

田原:連立政権となれば、共産党から大臣を出さなくてもいいとも言う。野党の中で一番柔軟性を持っているのは志位さんだと思う。

志位:日本の政治にとってよければ、閣内でも閣外でもどっちでもいいんです。ただ、大事な問題は、野党が選挙協力していざ政権交代となったときに、一緒に政権を作るのか、ということです。政権交代までは一緒にやる、しかしその後、共産党と政権でどうするのか。そこまではまだ至っていないのが現状です。

田原:枝野さんと会ったら決断するように進言しますよ。

志位:決断してほしい。枝野さんは首相指名選挙の前に私のところへ代表就任のあいさつに見えて、その場で、「菅政権を倒し、政権交代を実現するために、連携していきたい」と述べ、首相指名選挙での協力を要請されました。私は「共闘をさらに前進させて、野党連合政権を作っていくというわが党の意思表示として投票します」と答えました。枝野さんは「大変光栄です。政権交代に向けてしっかり連携していきたい」と。政権交代までは一致しているんです。投票行動で示したのだから、あとは政権を一緒に作っていこうという合意。あと一歩なんです。

田原:野党協力で言えば、この間、国民民主党の玉木(雄一郎)代表に会った。連立政権を作るときは参加するかと聞いたら、参加すると言っていた。

志位:野党で一緒に政権を作ろうと、昨年以来、各党の党首と話し合いをしてきました。この5年間でも3回の国政選挙を野党共闘でたたかってきました。


田原:でも全部、自民が勝っている。

志位:でも、注目してほしいのは、16年、19年の参院選。野党は32の1人区で全部一本化し、16年は11で、19年は10で勝ったんです。これは大きいと思っています。ただ、17年の総選挙は、民進党が立憲と希望に割れて本格的な野党共闘にならなかった。だから今度こそ総選挙で、日本維新の会は別として、立憲、国民、社民党、れいわ新選組含め、オール野党で政権交代を目指したい。

田原:ただ、菅内閣の支持率は朝日新聞で65%、読売新聞や日経新聞では70%以上もある。

志位:それは新しい政権で多少期待してみようかという気持ちの表れでしょう。ただ、いくら期待が高くても、菅政権がやろうとしているのは、史上最悪の安倍内閣の継承です。

田原:7年8カ月続いた安倍内閣は史上最悪と。何が最悪ですか。

志位:森友・加計問題や桜を見る会といった疑惑などいろいろあるけれども、15年の安保法制。これは廃止しなきゃならない。戦後の内閣が、憲法9条の下で許されないと言ってきた集団的自衛権を、行使できるという方向に百八十度ひっくり返して強行したわけです。権力を憲法が縛るという立憲主義の根本が壊された。これは非常に大きな負の遺産だと思っています。


田原:安倍内閣の負の遺産としては、次から次へとスキャンダルがあった。森友・加計問題、桜を見る会、それから黒川弘務元東京高検検事長の定年延長問題、さらに河井克行元法相夫妻の問題。これはどう見る?

志位:政権中枢にいた安倍さん自身の責任が問われているにもかかわらず、何一つ解明されていない。政権が代わったことであいまいにしては日本の民主政治は根腐れしてしまう。

田原:しかし、そういう問題があって、史上最悪と言いながらも安倍自民は選挙で6連勝している。

志位:自民党の得票率は比例代表でいえば、有権者比で15~18%。決して国民の圧倒的な信任を得ているわけではないんです。選挙制度と低投票率を背景に、何とか勝ちを拾ってきたということだと思います。

田原:僕は6連勝の一番の責任は野党にあると思っている。たとえば、国民はアベノミクスが成功したなんて誰も思っていない。でも立憲民主党の枝野幸男代表や志位さんはアベノミクスの批判しかしない。国民はそんなことは聞きたくない。あなた方が政権を取ったらどうするのか。具体的なビジョンを示してほしい。

志位:政策問題はこれまでだいぶ詰めてきて、5年前には一致できなかった原発ゼロや、消費税増税反対など一致点は広がっています。消費税について言うと、我々は5%に下げるとしていますが、枝野さんは時限的ではあるがゼロと言いだしました。これは話し合いを続ければ接点が出てくると思います。

 太い方向性で言うと、新自由主義から抜け出すことです。世界が新型コロナを体験したことで、新自由主義の破綻がはっきりした。新自由主義の名で、自己責任と自助を押し付けてきたが、どんなに頑張っても一人ではどうにもならないことがコロナでわかった。これを切り替えて、国民の暮らしをよくするべく公の責任を政治が果たす。こうしたビジョンは野党で共有できていると思います


田原:まさに菅首相は「自助・共助・公助」と言っている。

志位:政治が自助、共助なんて言ってはだめです。コロナ禍ととてつもない不景気の中で、みんなが必死になって生きている。こういう人たちにまずは自分でやってみなさいなんて、政治が言う言葉ではありません。政治がやるのは公助です。

田原:では自助はいらない? 自分で頑張る必要はないと。

志位:そうは言っていません。政治が押し付けることではないということです。たとえば、これまで自助の押し付けで医療費を削ってきました。病院経営が逼迫(ひっぱく)しています。さらに医者の数を抑えてきた。OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均に比べて14万人も少ない

田原:合理化のために保健所もどんどん減らした。

志位:新自由主義の弊害ですよ。公にやる仕事を減らした結果、医療も公衆衛生もすべて脆弱(ぜいじゃく)にしてしまったわけです。

田原:雇用問題もある。今や非正規社員は4割だ。

志位:労働法制の規制を何もかも緩和したからです。もう一度、ルールをきちんと作り、非正規労働は一時的な労働に限定して、正社員を当たり前にしていかないといけません。

田原:政府の立場からすれば、あまりにも財政事情がよくない。先進国の中で最悪だ。

志位:今の国の財政システムに無駄はないのか、という問題はあると思いますよ。

田原:どこに無駄がある?

志位:軍事費一つとっても、トランプ政権に言われるままに高額の武器を買ったり、思いやり予算をポンと出したり。米軍の駐留経費の負担割合は、世界で日本が最も高い。

田原:75%だ。

志位:こんな国はないんです。こんなに出していること自体がおかしい。

田原:前大統領補佐官のボルトンによれば、トランプは今の4倍の額を要求してくるだろうと。

志位:突っぱねなきゃだめですよ。

田原:日米関係で言えば沖縄問題。日米地位協定を改定しないといけない。去年の春、安倍さんに改定しろと言ったら「する」と言った。

志位:言ったの?

田原:言った。改定は自民党も反対ではないんだから、野党はもっと訴えなきゃ。

志位:日米地位協定の抜本改定は野党の共通要求ですよ。日本の地位協定は本当に異常で、占領時の米国の絶対的な特権をそのまま引き継いでいる。米軍が日本国内のどこで演習をしても自由。こんな国ないですよ。そういう問題も含めて、野党間でかなりの点で、一致点が広がっています。

田原:少なくとも安倍さんがやると言っているんだから、志位さんたちが自民党に言えば、菅さんもノーとは絶対言えない。

志位:やってみますよ。ただ、これも何も政権を取らなければだめだと思っています。新自由主義からの転換、日米関係を対等・平等にする、立憲主義を取り戻す。この三つの大きな柱を実現する。そのためには、次の総選挙で「政権を取る」とはっきり宣言すべきだと思っています。

田原:あとは国民に野党は政権を取るという気力を示すこと。僕は絶対、連立政権を作ってほしい。

志位:早くその方向に持っていきたいと思っています。

田原:頑張ってください。

(構成/本誌・秦正理)

※週刊朝日  2020年10月9日号より抜粋




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