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コロナ解雇 困窮防ぐ支え欠かせない(2020年10月1日配信『信濃毎日新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う解雇や雇い止めで仕事を失った人が6万人を超えた。1カ月足らずで1万人余り増えている。

雇用状況の悪化が目に見えて深刻さを増してきた。

 とりわけしわ寄せを受けているのは非正規の労働者だ。低賃金でぎりぎりの生活を強いられ、職を失った途端に困窮する場合が少なくない。餓死や自殺にもつながる恐れがある。暮らしを支え、生きる権利を保障する対策に全力を挙げなくてはならない。

 各地の労働局やハローワークが把握できた数を厚生労働省が集計した。実際にはもっと多いとみられる。感染の収束は見通せず、職を失う人が今後さらに増えるのは避けられない状況だ。

 事業の継続に行きづまる企業も増えている。感染拡大に伴う倒産は既に500件を超え、ほかに廃業した店や企業も多い。

 政府は中小企業に最大200万円を支給する持続化給付金制度を設けたが、1回限りでは限界がある。持ちこたえられなくなり、倒産、廃業する企業が年末頃から増える可能性が指摘されている。

 雇用の維持を図るだけでなく、職を失った人を支える仕組みを立て直すことが欠かせない。一つは雇用保険の失業手当だ。受給している人は失業者全体の3割に達していないという。

 加入期間などの要件を満たせない非正規労働者が増え、受給者の割合は低下傾向が続いてきた。雇用保険の対象になっていないフリーランスの働き手を含め、失業による困窮を防ぐ安全網として制度を見直す必要がある。

 給付金や資金貸し付けの期間も実情に見合っているとは言いがたい。家賃が払えない人に支給する住居確保給付金は原則3カ月まで、最大でも9カ月が限度だ。生活費を貸し付ける総合支援資金も原則3カ月までである。

 求人が減っている現状では、再就職先を見つけるのも容易ではない。困窮した人を見放すことがないよう、給付の期間を延長するとともに、税や公共料金の支払いを猶予することも必要だろう。

 もう一つは、最後のよりどころである生活保護だ。相談や申請に来た人を窓口で追い返したりする対応を改めるとともに、利用する人を非難するような社会の空気をなくさなければならない。

 生活保護を利用することは、生存権を保障する憲法に基づいた権利である。そのことを明確に示し、困っている人に利用を促すことも国、自治体の責務だ。




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Author:gogotamu2019
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