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脱ハンコの意義(2020年10月2日配信『北海道新聞』-「卓上四季」)

 中国甘粛(かんしゅく)省の結婚式では、新婦が愛情の証しとして刺しゅうした印鑑袋を新郎に贈る。隊商が印鑑の携行を義務づけられていたころの名残だそうだ。シルクロードの要衝だった地ならではの習俗だろう

▼印鑑の本家とされる中国でも、その用途は時代に応じて変遷した。財物・竹簡の封印に始まり、官職・官署の印として使われるようになると、地位や権威を示すものとなった。宋や明の時代には鑑賞の対象ともなり、篆刻(てんこく)も流行した(「日本と中国 楽しい民俗学」社会評論社)

▼多様な価値を持つ印鑑ではあるが、近頃はデジタル化を阻害する象徴として、やり玉に挙げられている。河野太郎行政改革担当相は全府省を対象にハンコの廃止を要請した

▼テレワークが推奨される中、押印するため出勤する。そんな矛盾が指摘された自粛期間だった。しかしながら、問題は紙の文書で決裁するシステムにあるのではないか。紙がなければ、ハンコを押す必要もなかろう

▼新型コロナウイルスの感染者数の把握を巡っては、手書きの報告書やファクスを使った集計の在り方が課題となった。その要因が、インフラ充実など情報技術活用の遅れを招いた施策にあることを忘れてはなるまい

▼東京証券取引所ではきのうシステム障害が発生し、株式の全銘柄の売買が終日停止された。ハンコの省略とともに、安全で安価な通信環境の整備を急ぐべきだろう。




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