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どこ吹く風なのだろ(2020年10月3配信『河北新報』-「河北春秋」)

「口は災いのもと」「物言えば唇寒し」「駟(し)も舌に及ばず」など、言葉に気を付けるべきだと説くことわざは多い。それだけ、人は昔から不用意な発言を繰り返しては周囲の反発を招いてきた。反省して戒めにする人がいる一方で、懲りずに繰り返す人も

▼自民党の杉田水脈(みお)衆院議員は後者なのではないか。性暴力被害を巡り、党の会合で「女性はいくらでもうそをつけますから」と発言したことについて、当初は否定したものの、一転して認め、謝罪した

▼「女性を蔑視する意図はまったくございません」と釈明するが、人権意識に欠けた言動を重ねてきただけに、額面通りに受け取るわけにはいかない。思想・信条に基づいた発言で、またも地金が現れたと見るべきか

▼「発言があったことを確認した」というのも、ふに落ちない。言葉を駆使して国民に丁寧に説明しなければならないはずの政治家が、自分が何を言ったのかも分からず、他人に確認しなければならないというのはいかがなものか。記者会見を開かずに、自身のブログで済ませたこともそう

▼「物言えば唇寒し」は俳人松尾芭蕉の句「物言えば唇寒し秋の風」から来ている。今回の件で、秋の冷たい風が少しは身に染みてくれればいいのだが。でも、きっと、どこ吹く風なのだろう。



衣の下のよろい(2020年10月3配信『中国新聞』-「天風録」)

 あれれ、打ち破るのは確か、あしき前例のはずでは―。「学者の国会」と呼ばれる日本学術会議が新会員候補として挙げた推薦リストから、菅義偉首相が6人だけ外していた。学問の自由を脅かす禁じ手であり、横紙破りだろう

▲それでいて、外す理由を明らかにしなかった。「いったい何がまずかったのだろう」と本人はおろか、周りにも裏読みを誘う。同調圧力の空気を高め、真綿で首を締める手かもしれない

▲つまりは「いじめ」の構図である。いじめた側の問題点や責任は委細構わず、うやむやにする。それどころか、いじめられる側にも非があるかのように追い込む

▲自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(比例中国)の例の発言も、どこか通じていよう。「女性は、いくらでもうそをつけますから」。こちらは「パワハラ」の構図であり、性暴力の被害を訴えようとする女性たちの出足をくじく。自民党はなぜ、口頭注意くらいでお茶を濁したのだろうか

▲菅首相・総裁の船出から2週間余り。「地方出身のたたき上げ」と世間の評判は悪くなかった。ここにきて、衣の下のよろいが少々気になる。人心はどう受け止めるだろう。秋の空は七度半変わる、との例えもある。



孤立させてはいけない(2020年10月3日配信『琉球新報』-「金口木舌」)

 性被害者当事者団体「Spring」の山本潤代表理事は13歳から7年間、父親から性暴力を受けた。恐怖のあまりに感情を封じ込め、母親に被害を打ち明けられなかった。性暴力は父親と別居するまで続いた

▼山本さんはアルコール依存、強迫症状…。さまざまな後遺症に苦しめられた。著書「13歳『私』をなくした私 性暴力と生きることのリアル」につづっている。誹謗中傷を恐れ、性暴力の被害を相談する人はわずかと言われている

▼刑法性犯罪の見直しの必要性を議論する法務省の検討会が始まっている。現行法では性交に不同意でも激しく抵抗したことが立証できなければ罪に問われない。被害者支援団体などは「暴行脅迫要件」の撤廃を求めている

▼自民党の杉田水脈衆院議員が性暴力被害者支援を巡り「女性はいくらでもうそをつけますから」と発言した。当初、発言を否定したが一転し認めて謝罪した。発言は被害者にも非があるような見方を植え付ける

▼党は杉田議員を口頭注意したにすぎない。他の所属議員らもジェンダーに絡む差別的な問題発言を繰り返しており、根強い女性蔑視と性暴力を軽んじる体質があるのではないか

▼性暴力撲滅を求め全国各地で「フラワーデモ」が開かれ、賛同の輪が広がっている。「性暴力を許さない」。その思いの共有が性暴力の防止と被害者の救済につながる。



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自民党は「身を切る改革」ではなく「水脈切る改革」が先決(2020年10月3日『日刊ゲンダイ』)

適菜収作家
1975年生まれ。作家。近著に「国賊論 安倍晋三と仲間たち」、「ニーチェの「アンチクリスト」を現代語訳した「キリスト教は邪教です!」、「ゲーテの警告 日本を滅ぼす『B層』の正体 」など著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。

 自民党の杉田水脈が、党の会議で女性への暴力や性犯罪に関して「女性はいくらでも嘘をつけますから」と虚偽の被害申告があるような発言をした。

 会議後杉田は「そんなことは言っていない」と発言を否定し、ブログでは性暴力被害者のための「ワンストップ支援センター」について無知と偏見に基づいた感想を述べ、「新規事業として民間委託を拡充することだけでは、女性の人権を守り、暴力問題の解決をのぞむ世論と乖離するのではないでしょうか、という趣旨の意見を申し上げました」と完全に開き直った。

 しかし参加者や関係者の証言もあり、逃げ切ることはできず、最終的にブログで「事実と違っていた」と嘘を認めて謝罪した。アホすぎ。正確には「杉田とそれに類するネトウヨはいくらでも嘘をつく」だろう。

 この卑劣な女を政界に再び呼び込み、比例名簿で厚遇したのは7年8カ月にわたり嘘をついてきた安倍晋三だった。これまで杉田がやってきたことは、「女性の人権を守り、暴力問題の解決をのぞむ世論と乖離」することばかりである。

ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBSワシントン支局長の山口敬之から性的暴行を受けたとして実名を公表した後は、一貫して人格攻撃を続けた。ブログには「伊藤詩織氏のこの事件が、それらの理不尽な、被害者に全く落ち度がない強姦事件と同列に並べられていることに女性として怒りを感じます」と投稿。

 また「もし私が、『仕事が欲しいという目的で妻子ある男性と2人で食事にいき、大酒を飲んで意識をなくし、介抱してくれた男性のベッドに半裸で潜り込むような事をする女性』の母親だったなら、叱り飛ばします」などとツイート。

 杉田は「枕営業の失敗」「彼女がハニートラップを仕掛け(た)」「被害者ぶるのもいい加減にしてください」という匿名の誹謗中傷に「いいね」を押して拡散させたとして、伊藤さんから訴えられている。

 米誌タイムは毎年恒例の「世界で最も影響力のある100人」に伊藤さんを選出。「勇気ある告発」で日本人女性の在り方を大きく変えたと評価した。要するに、世界から日本はどのように見られているかということだ。

「身を切る改革」はいらない。自民党は「水脈(みお)切る改革」を。




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