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「被告」の葬儀(2020年10月4日配信『北海道新聞』-「卓上四季」)

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 中曽根康弘元首相は改憲を訴える中で反省もあったと記した。なぜ訴えが浸透しないのか。「GHQから与えられたものとはいえ、この自由と平和を手放すまいという頑(かたく)なな欲求に、占領終結直後、治める側にいた私は気付かなかった」「もう戦争はこりごりだという国民の思いに理解を持った人間でなければ、民衆の協力を得て、改憲など出来るわけがありません」(「自省録 歴史法廷の被告として」)

▼世論に敏感だった中曽根氏は騒動を草葉の陰からどう見ていようか。同氏の内閣・自民党合同葬に政府が9600万円の支出を決め「税金の無駄遣い」との批判が起きた

▼国民はコロナ禍で窮屈な生活を余儀なくされ、公金の使途に厳しい視線を注ぐ。260億円を費やした「アベノマスク」批判と同根の民意に政権は気付いているだろうか

▼国に多大な功績のあった元総理を公費で送るのは当然と言われても、功績は誰がどんな尺度で判断するのか。なぜ元首相の葬儀だけ政府が関わるのか。明確な基準はない

▼中曽根内閣の業績とされる国鉄の分割・民営化も、立場によって評価は異なろう。著書には、政治家は「成し得た結果を歴史という法廷において裁かれることでのみ、評価される」ともある

▼業績と無縁の話で世論がかまびすしくなっては、故人を傷つけかねない。政府の支出は取りやめても礼を失することにはならないと思う。



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首相在職日数1806日。「戦後政治の総決算」を掲げて、国鉄の分割民営化など行政改革を成し遂げ、外交では日本の存在感を発揮し、長期政権を築いた中曽根康弘。海軍での体験、若き国会議員の頃、見聞を広めた雌伏時代、そして総理大臣へ。自らの来し方を振り返り、深い思索と人生経験に培われた政治哲学を語る。首相たるもの、権力の魔性を自戒せよ。戦後政治史を体現する元総理の「遺言」。

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Author:gogotamu2019
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