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「絹マスク生産、提供」でCF、届いたのは化繊製輸入品 業者「だました認識ない」(2020年10月4日配信『毎日新聞』)

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クラウドファンディングで購入したマスクを手に取る女性。「シルク」と表記されていたが、絹製ではなかった=神奈川県内で2020年9月13日午後3時4分、榊原愛実撮影

 インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を巡り、出資の見返りに提供されるはずの商品が届かなかったり、事前の説明と異なる粗悪品だったりするトラブルが相次いでいる。ある業者は「シルク(絹)生地のマスク」を生産するとうたって全国から5000万円以上を集めたが、消費者に届いたのは色も素材も異なる輸入品だった。CFはコロナ禍で苦しむ事業者支援などの名目で急増しているが、専門家は「悪質商法に気をつけて」と注意を呼びかけている。

 ◇サイトには返金求める声

 「こんなことになるとは、夢にも思わなかった」。神奈川県内に住む女性(37)はマスクの束を見つめ、ため息をついた。

 女性は5月、CFの仲介サイトで「『アイスシルク』の冷感マスクを緊急生産する」という企画を見つけ、マスク10枚分の代金として計2万1000円を入金した。商品を購入することで企画を支援する購入型CFだった。「天然の柔らかさ」「独自の構造を持ったマスクの生産をしました」――。企画した業者は資金を集めてマスクを増産し、「社会に貢献したい」とアピールしていた。

 「絹」という表記もあり、女性は「絹製と思い、夏に向けてひんやりとした肌触りを期待した」と話す。

 しかし、翌月に届いたマスクを見て驚いた。品質表示を見ると、素材はポリエステルなどの化学繊維。色もサイトで紹介されていた真っ白ではなく、灰色がかっていた。

 慌ててサイトを確認すると、いつの間にか紹介文から「絹」の文字が消えていた。返金を求めても業者はなかなか応じず、「東京地裁で来週に初公判を開く」と訴訟をほのめかすメッセージがサイトを通じて届いた。

 業者は、目標額として設定した300万円を大幅に上回る約5400万円を全国の約5400人から集め、企画を終了。代表を務める20代の男性は毎日新聞の取材に対し、マスクが中国製で、絹ではないことも認めた上で「マスク不足を解消する社会貢献のつもりだった。転売してもうける意図はなく、だました認識はない」と釈明した。中国人の卸業者から「アイスシルク」と説明を受けたため「絹」と記したが、実際に絹が含まれているかどうかは確認しなかったという。

 女性は粘り強く交渉して返金を受けたが、サイトには現在も、返金を求める声が寄せられている。女性は「大手の仲介サイトなのに、ずさんすぎる。だまされた気持ちで、もうCFは使いたくない」と憤る。

 一方、仲介サイトの運営会社は取材に、「トラブルは企画者(業者)と利用者の間で解決してもらうのが原則。通販サイトとは異なり、企画が成立しないリスクもあることを理解して使ってほしい」と話す。

 一般社団法人・日本クラウドファンディング協会(東京)によると、CF仲介サイト大手7社の購入型CFの支援額は1~6月で計約223億円に上り、前年同期の3倍近くに急増している。

 新型コロナウイルスの影響で、新しいマスクや除菌グッズを製作するという企画も多く、CFサイトには「コロナウイルスが99・99%死滅」「水だけで除菌」などの宣伝文句が並ぶ。

 ◇「行政はガイドラインの策定を」

 トラブルも絶えない。国民生活センターには、新型コロナに関連するCFの相談が60件以上、寄せられている。「次亜塩素酸水を生成する機械を数万円で購入したが届かない」「空気清浄機が新型コロナに効くとPRしているが問題ないのか」などの内容もあった。

 CFに詳しい横浜国立大大学院の井上徹教授(財務論)は、「最近の購入型CFは通販のような使われ方が増え、支援して企画を成功させるという利用者の思いとずれてきている。仲介サイトの運営会社も企画を厳格に審査し、悪質な業者を排除する必要があり、行政もガイドラインなどの策定を検討すべきだ」と指摘する。【堀祐馬、榊原愛実】

 ◇クラウドファンディング(CF)

 クラウド(群衆)とファンディング(資金調達)を組み合わせた造語で、インターネットを通じて不特定多数の人から小口の資金を集める仕組み。集まった資金の1~2割程度が手数料として仲介サイトの運営会社に入る。国内では2011年ごろから広がったとされ、近年は被災地や医療機関、スポーツチームへの支援など、幅広い分野で活用されている。




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