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杉田水脈(みお)・自民党衆院議員の「女性はうそをつく」発言に関する論説(2020年10月5日))

杉田議員の発言 自民の体質が露呈した(2020年10月5日配信『北海道新聞』-「社説」)

 性暴力の被害に苦しむ人を孤立させる暴言にほかならない。

 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が党の部会で、被害者への支援事業を巡って「女性はいくらでもうそをつけますから」と発言した。

 杉田氏は発言を否定していたが、一転して自身のブログで認め、謝罪した。

 性暴力の被害は訴えにくく、相談しても信じてもらえずに傷つく人も多い。被害者が声を上げる動きが広がる中、撲滅を訴える市民団体や野党から議員辞職を求める声が出るのは当然だ。

 自民党は下村博文政調会長が杉田氏に口頭注意しただけで、処分しない方針という。

 党内では性的少数者や女性の人権を軽視する発言がたびたび問題になってきた。今回もうやむやで幕引きを図るのでは、党の体質を露呈したと言わざるを得ない。

 杉田氏はブログで「女性のみがうそをつくかのような印象を与えた」などと謝罪した。

 だが、勇気を出して被害を訴えようとする当事者の思いを踏みにじるような発言をしたことへの反省は見えない。

 杉田氏は、性暴力を受けたと公表したジャーナリスト伊藤詩織さんを批判していた。ほかにも性的少数者のカップルは「生産性がない」と月刊誌に投稿するなど、言動が物議を醸してきた。

 ブログで一方的に考えを表明するだけでは説明が不十分だ。記者会見を開いて疑問や批判に直接答えるのが議員の責務だろう。

 杉田氏から事情を聴取した下村氏は、部会が非公開であることを理由に発言の有無さえ明らかにしていない。注意は形だけで、記者会見なども求めなかった。

 橋本聖子男女共同参画担当相が「自民党として適切な措置をするべきだった」と述べたが、数少ない女性の党役員である野田聖子幹事長代行は杉田氏が謝罪するまで目立ったコメントはなかった。

 党として事態を深刻に受け止めているのか疑わしい。

 政府は6月にまとめた性暴力対策強化方針に基づき、被害者が電話で相談できる全国共通短縮ダイヤルの導入などを進める。

 自民党の部会は非公開とはいえ、国の政策づくりに影響を与える場である。発言の経緯をきちんと調べて結果を公表すべきだ。

 杉田氏を衆院選比例代表中国ブロックの単独1位で処遇し、当選させた党の責任は重い。党総裁である菅義偉首相が率先して厳しく対処する必要がある。



杉田議員の暴言 自民党の責任も重大だ(2020年10月5日配信『東京新聞』-「社説」)

 弁明、謝罪したからといって済まされる話ではないだろう。杉田水脈(みお)・自民党衆院議員の「女性はうそをつく」発言だ。繰り返される杉田氏の暴言を見過ごしてきた党の無責任体質も厳しく問われる。

 杉田氏は、9月25日に行われた自民党内閣第一部会などの合同会議で、性暴力相談事業の今後の展開について、民間委託ではなく警察が積極的に関与するよう主張。その議論の一環で「女性はいくらでもうそをつけますから」と述べたと報じられた。

 会議後、記者団に「言っていない」と否定したが、下村博文政調会長から真意を説明するよう求められ、1日、自身のブログで発言を認めた上で「不快な思いをさせてしまった方にはお詫(わ)び申し上げます」と謝罪するに至った。だが撤回はせず、韓国の元慰安婦支援団体女性代表の資金流用問題を念頭に「なにごとも聖域視することなく議論すべきだと述べる中で」の言葉だったと釈明。女性蔑視の意図はなかったというが、女性の性暴力相談には往々にしてうそがあると指摘したとしか思えない。

内閣第一部会・内閣第二部会合同会議に於ける私の発言について➡ここをクリック

 女性が勇気を出して性暴力やセクハラを訴えると「加害者を陥れるためのうそ」とか「売名行為」と非難され「セカンドレイプ」という深刻な2次被害を受けることがある。杉田氏の発言は女性の尊厳を深く傷つけ、被害者攻撃を助長するもので断じて許されない。

 性暴力撲滅を訴える「フラワーデモ」が議員辞職などを求めて集め始めたネット署名は13万筆余に上っている。杉田氏には、記者会見であらためて経緯説明と誠意ある謝罪をするよう求めたい。部会での発言は自由だが、人権軽視の論議が許されるわけではない。

 杉田氏は過去にも公の場で差別的言動を繰り返してきた。かつて「男女平等は反道徳の妄想」と発言したが、自民党は2017年衆院選で杉田氏を比例代表中国ブロックの単独候補として擁立した。

 安倍晋三前首相の意向があったとされる。「女性活躍推進」を掲げながら女性蔑視も平気な候補をなぜ担いだのか。有権者を欺く行為ではなかったか。

 18年、杉田氏が月刊誌に性的少数者は「生産性がない」などと寄稿した際、党は関係者への配慮を欠いたとの見解をまとめ杉田氏を「指導した」が、まともな検証や処分をしなかった。そのことが再びの暴言につながっている。一議員の発言とはいえ、それを放置し続けた自民党の責任は重大だ。杉田氏とともに猛省を促したい。



キャプチャ



「謝罪になっていない」「被害者貶める」杉田水脈議員に抗議 東京でフラワーデモ➡ここをクリック



女性政策と政権 積極推進の姿勢が見えぬ(2020年10月5日配信『新潟日報』-「社説」)

 新型コロナウイルスの影響で経済が低迷し、厳しい環境下にある女性は男性以上に増えている。そうした状況も踏まえ、女性に向けた支援策に一層力を入れるべき時だろう。

 にもかかわらず、菅政権に積極姿勢は見られない。現状は「女性活躍」を掲げた安倍政権の時代から後退しているようだ。

 性被害への偏見を助長するような発言をした自民党議員への対応も遅く、説明も足りない。党総裁である菅義偉首相は、どう考えているのか。

 菅首相は、総裁選で女性政策について問われた際に「出産を希望する世帯を広く支援する」と述べ、不妊治療の保険適用拡大を公約に掲げた。

 「待機児童問題に終止符を打ち、子どもを産むハードルを下げる」とも語り、産みやすい環境づくりを強調した。

 政権発足後は不妊治療の保険適用実現までの策として既存の助成金の増額も指示した。

 首相が女性政策として語るのは少子化対策が中心なように見えてくる。

 安倍政権では、女性の就業率は約70%まで上昇した。だが多くは非正規雇用で、ウイルス禍で不安定な働き方をしている。

 8月の総務省労働力調査では女性の就業者は前年同月に比べ48万人も減少した。27万人減だった男性よりはるかに多い。

 経済的に苦しいひとり親家庭も増えており、女性が安定して働ける環境づくりは急務だ。

 指導的地位に占める女性の割合について、政府は2020年までに30%にするとした目標を、今年7月に「20年代の可能な限り早期に」と先送りした。

 なぜ目標を達成できなかったのか、政府はまず原因を分析すべきだ。その上で改めて具体的な年次目標を設定し、実現のための道筋を示してもらいたい。

 女性政策を進める上で党所属議員の意識改革も必要だろう。

 先月25日には性暴力被害者の相談事業を巡り、自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が「女性はいくらでもうそをつけますから」と党の部会で発言した。性暴力への偏見とも受け取れ、被害者の心を踏みにじるものだ。

 ネット上などで批判が広がり政権内でも橋本聖子男女共同参画担当相が「自民党として適切な措置をするべきだった」と指摘した。党幹部は30日にようやく杉田氏を口頭で注意した。

 杉田氏は発言を否定していたが今月1日に一転して認め、自身のブログに謝罪を掲載した。

 しかし「うそをつくのは性別に限らない」と一般論に置き換えたもので、性暴力被害者への謝罪とは言い難い。

 ブログという手法も誠実さを欠いている。党も杉田氏も認識が甘いのではないか。

 党は総裁直属の「女性活躍推進本部」を政策調査会の下部組織に格下げする方針だ。これも女性政策の後退を印象づける。

 女性が置かれた環境を正しく理解し、男女が尊重し合える社会を築くことが全ての基本だ。菅首相と自民党は課題の重さをしっかり受け止めるべきだ。







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