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【デイジー図書】みんなで本を楽しもう(2020年10月5日配信『福島民報』-「論説」)

 視覚障害などにより、活字を読むのが難しくなった人のために開発されたデジタル録音図書「デイジー図書」の利用が増えている。音声などを収録したCDで目次の検索や指定したページから聞くこともできる。さらに普及させ、誰もが読書を楽しむ環境づくりにつなげよう。

 デイジーとは、Digital(デジタル)、Accessible(アクセシブル)、Information(インフォメーション)、System(システム)の略で、利用しやすい情報システムを意味する。国際的な標準規格で、福祉大国のスウェーデンで開発された。音声圧縮技術により一枚のCDに40時間以上収録することができる。テープなら何本も必要になる一冊の本が、デイジー図書なら一枚で済む。

 福島市の県点字図書館は1999(平成11)年からデイジー図書の製作を始め、蔵書は7100枚を超える。昨年度の貸し出しは、点字図書の5倍近い2万4271一枚だった。視覚障害者のためのインターネットサイトからのダウンロードによる貸し出しを含む。

 県点字図書館のデイジー図書の製作はボランティアが担っている。現在は音訳奉仕員127人、目次やページの入力などを行うデイジー編集奉仕員31人が登録している。毎年養成講座を開催し、受講者は一年かけて必要な知識や技術を身に付けている。

 一冊の本の音訳は、同じ人が4カ月ほどかけて行う。担い手が増えれば、それだけ提供できる数も多くなる。

 県点字図書館の利用は原則、視覚障害者に限られる。再生には専用の機械やパソコンソフトが必要となる。県内にはデイジー図書を製作しているNPO法人もある。

 昨年6月に施行された読書バリアフリー法が追い風となり、デイジー図書を視覚障害者だけでなく学習障害や知的障害、本を持ったり、ページをめくったりするのが困難な人も利用できるようにする図書館が増えている。福島市の県立図書館も障害者サービスの登録基準を満たせば、視覚障害者以外も、デイジー図書が利用できるようにしている。基準はそれぞれの図書館が定めている。

 デイジー図書は、闘病中や体の弱った高齢者の楽しみや生きがいづくりにも役立てるべきではないか。一冊でも多くの本がデイジー図書になり、条例や制度の改正などで利用者の門戸が広がることを願う。読書の秋、本は心の糧となる。




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Author:gogotamu2019
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