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学生の遠隔授業続く(2020年10月6日配信『福井新聞』-「論説」)

対面が基本、孤立させるな

 新型コロナウイルスの影響で学校に通えず、アルバイトも決まらず、アパートや自宅で鬱屈(うっくつ)した生活を送る大学生が多い。社会に出る前に貴重な経験を積むべき時間が奪われていると言っていい。こうした若者たちに社会で何ができるかを考えたい。

 福井県では県立大が県の感染拡大警報の解除を受け全面的に対面授業を始めることを決めたが、今後、感染状況に応じて対面とオンライン授業の割合を4段階で切り替える方針。福井大や福井工大もオンラインを継続しつつ授業内容によっては対面を行う。いずれの大学、短大、専門学校も感染状況をにらみながらの難しい対応が続く。

 全国で感染が続く現状では、オンライン授業もやむを得ない。だが小中高と同様、教育は対面が基本であることは言うまでもない。特に実習や実験は人物、機器と向き合ってこその学びがある。

 文部科学省も「学生と教員、学生同士の交流も大学の貴重な要素だ」と、対面授業を重視するよう指導することを表明している。各学校はこれまでにオンライン授業を構築し、そのうえ対面を探る負担は大きいだろうが、ぜひ努力を続けてほしい。もちろん十分な感染防止策が必要だ。

 新型コロナの感染が広がった春以降、大学生を対象にした各種の調査結果に驚かされる。

 秋田大では全学生を5~6月に調査した結果、回答者の1割超に中等度以上のうつ症状がみられたという。外出自粛に伴い対面授業やアルバイトがなくなり、人的交流が減ったことが影響していると分析している。

 また、立命館大では8月の調査で退学を「本格的に考えている」「どうするか考えている」と答えた学生が合わせて約1割いた。休学を視野に考えていると答えた学生は4人に1人、約25%に上ったという。対面授業や課外活動が制限された上、学費への不満や経済的な不安が大きいことが背景にある。

 外出自粛の要請やオンライン、対面授業の状況はさまざまで数値はそのまま現状を表したものではないが、世の中の閉塞(へいそく)感が学生たちに大きな影響を及ぼすことを認識したい。

 学校は学生との連絡を密にし、生活の状況や学生たちの思いを把握して対応してほしい。出身者の大学生らにメッセージや特産品を贈る自治体もあるが、こうした激励をぜひ続けてもらいたい。学生が暮らす自治体も策を講じるべきだ。若者たちを孤立させてはならない。




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gogotamu2019

Author:gogotamu2019
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