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災害弱者とは(2020年10月6日配信『宮崎日新聞』-「くろしお」)

 穏やかな秋の天気が続くと、あの惨事から今日で1カ月もたったかと思う。台風10号による椎葉村の土砂崩れ。1人が死亡、3人が行方不明となっている。日常生活を取り戻しつつも関係者の心の傷は深い。

 崩れた山林はよく整備されていたと聞く。現場を見た国土交通省の土砂災害専門家は、急斜面で谷状の地形に注目し「雨水が集まりやすく土砂が高速で流れ落ちた」と分析する。本県の山間部では同様の地形にある住居や道路は多い。防災対策を再度点検したい。

 ただ山間部を語る時、気をつけたい言葉がある。「災害弱者」だ。長年林業などに従事し、山を守ってきた人を弱者扱いしていいのだろうか。阪神淡路大震災から25年になるが、10年目に編まれた「市民社会への発信」(震災10年市民検証研究会)を読んで気付かされた。

 確かに高齢や体が不自由で対応力に乏しい人、日本語の情報を得られない人もいる。だが「当事者は自分を弱者と呼んでいるか」と疑問を投げ、次の行動につながらない言葉は意味がないと批判。そして彼らは常に気に掛けるべき「最優先配慮者」とすれば社会に伝わりやすいのでは、と提案する。

 もちろん文脈では「弱者」を使うこともあろう。言葉だけの問題ではない。ただ被災したベトナム人技能実習生の家族を支援する人、手分けして捜索を続ける仕事仲間たちの話を聞くにつけ、下流部も含めて、たくましく山で生きる人の表情が浮かんでくる。




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