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コロナ・インフル同時流行へ備え 医療体制、転換急ぐ(2020年10月6日配信『日本経済新聞』)

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厚労省は入院対象を中等症や重症患者、高齢者などに絞り込めるようにする

厚生労働省は新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備え、各地の医療体制を10月中に転換させる。発熱患者の急増を見据えて身近な診療所で検査できるようにし、コロナ患者の入院は絞りこむ。ただ診療所の協力を十分に得られるかどうかは分からず、入院患者の絞り込みには都道府県から慎重論も出ている。円滑に移行できるかどうかは不透明だ。

冬を迎える前に準備を整える。まず発熱患者の相談・検査体制を改める。症状がある人は地域のかかりつけ医など、身近な診療所に電話で相談し予約のうえで簡易検査を受けられるようにする。

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これまでは保健所やかかりつけ医に電話相談のうえ「帰国者・接触者外来」や地域の医師会などが運営する検査センターへの紹介を受ける必要があった。これらの拠点は9月30日時点で全国に約6千カ所と、全医療機関の数%に限られる。患者が急増すれば対応できなくなる恐れがあった。

政府はコロナの簡易検査を1日20万件まで増やせるようにする目標を掲げる。8月上旬時点では3万件程度で、達成のメドは立っていない。都道府県は現在、検査を実施する診療所などを「診療・検査医療機関」として募集している。

課題は診療所での院内感染リスクだ。コロナとインフルは症状で見分けがつかないため、双方の検査が求められる。鼻の奥から粘膜を採取するため、くしゃみやせきがでやすい。検体を採取する医療従事者が感染の危険にさらされる。

このため、厚労省はマスクや手袋といった個人防護具を無償で配布する。このほど鼻の穴の入り口付近で粘液を採取する方法も認め、保険適用した。一部の検査キットなら1回の検体採取でコロナとインフルの双方の判定が可能になり、感染リスクを下げられる。

ただ、それでも検査を敬遠する診療所が一定数あるとみられる。一部の診療所に患者が殺到するのを防ぐため、検査を実施する診療所のリストを公表しない都道府県も多そうで、患者にとってはどこで検査を受けられるか分かりにくくなってしまう可能性もある。相談から検査まで目詰まりを起こさない体制を構築できるかは未知数だ。

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コロナ感染者向けの医療体制も変える。厚労省は入院対象を中等症や重症の患者のほか、重症化リスクの高い高齢者などに絞り込めるようにする。コロナを感染症法上の指定感染症と位置づけたまま、入院勧告など措置の内容を見直す。近く政令を改正するなどして、10月中の施行を目指す。

現状はすべてのコロナ感染者に入院勧告などができると規定しているため、感染が確認されれば原則、入院させている。仮にインフルと同時流行し、急増した軽症のコロナ患者をすべて病院に入院させ続けると医療崩壊を招く恐れがある。このため、医療資源を重症化リスクのある人や重症患者に集中させる。

もっとも体制転換に慎重な都道府県は多い。無症状者や軽症者をホテルや自宅で療養させることになると、病院よりも隔離が弱まるため感染を広げるリスクは高まる。

全国知事会の飯泉嘉門会長(徳島県知事)は「まずは入院を原則とし、地域の発症状況などに応じて柔軟に対応してほしい」としており、厚労省は都道府県で判断できるよう認める。都道府県の担当者からも「コロナ受け入れ病床に余裕があるうちは引き続き軽症や無症状は入院してもらう」との声が上がっている。

政府は重症者や死亡者の増加をできる限り抑制しつつ、社会経済活動を継続する狙いだが、現場の切り替えには時間がかかりそうだ。




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Author:gogotamu2019
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