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望ましい取り組(2020年10月7日配信『河北新報』-「河北春秋」)

 400年ほど前、商売に関する命令を江戸幕府が出している。証文には手書きの署名である書き判ではなく、印判を使用するようにという項目があったという。歴史学者の大石慎三郎さんが『江戸の奇跡』に書いている

▼商売にとって最も大事なのは信用。商人たちは印鑑を作って、互いに見せ合っておき、証文を交わす際に押す。信用を担保し、安心して商売ができる世の中にする。それが幕府の狙い。日本のはんこ文化はこうして始まり、広がった

▼行政手続きでの印鑑の原則廃止を、河野太郎行政改革担当相が省庁に要請した。印鑑を要する手続きは、それこそ無数と言っていいほどあるようだ。中にはほとんど意味のない形だけの押印も、役所内では多いのだろう

▼不動産の売買など実印と印鑑証明書が不可欠の重要な場面は別にして、ふだんの生活では意義に乏しい押印が多い。もっとも、はんこをもらうとなぜか安心する心理的な効果もまだまだあって、はんこの効用の一つには違いない

▼大石さんは「さまざまな変化に素早く対応したのが江戸時代。だからこそ長い命脈を保った」と書いている。今は、本人確認や信用担保の目的ならパスワードや暗証番号が印鑑に取って代わっている。はんこ行政の見直しは、望ましい取り組みだろう。



キャプチャ

内容(「BOOK」データベースより)
不良債権処理、官制・税制、金融改革、不況克服…近世経済史の泰斗が点描する為政者たちの改革と成果。

内容(「MARC」データベースより)
江戸時代のはじめ100年は、日本史でも珍しい経済の大成長の時代だった。そして五代将軍綱吉治世の半ば、バブルは崩壊した。バブル崩壊後もさまざまな文化を残した元禄時代を中心に、当時の為政者たちの改革手法を説く。

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Author:gogotamu2019
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