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杉田議員の「うそ」発言 自民党本部の責任重い(2020年10月8日配信『中国新聞』-「社説」)

 また、この人か。そう感じた人もいただろう。今度は性犯罪被害を訴える女性の言葉に、疑問を投げ掛ける暴言を吐いた。

 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(比例中国)である。党の会議で「女性はいくらでもうそをつけますから」と述べた。性暴力被害者の相談事業に関する説明を政府から受けた際の発言だ。

 長年の努力で、声を上げる被害者がようやく出てきたばかり。女性や被害者蔑視との批判も当然ではないか。

 杉田氏は当初、ブログで発言を否定していた。そうした態度が余計に、被害者やその支援者の憤りの火に油を注いだ。

 反応の鈍かった自民党からも批判が出た。橋本聖子男女共同参画担当相は会見で「女性の声なき声を支援に結びつける努力を踏みにじるような発言ではなかったか」と指摘。党の対応にも疑問を呈した。

 その後、自民党の下村博文政調会長が杉田氏を口頭注意した。発言の5日後で、謝罪と議員辞職を求めるネット上の署名は10万筆を超えていた。対応が遅すぎる上、厳しい処分をしなかった点に疑問が残る。

 杉田氏は当初否定していた自らの発言を認めて謝罪した。しかし会見など公の場ではなく、ブログで済ませた。議員として責任を持った発言であれば、正々堂々と主張して議論すればいいはずだ。議員としての資質を疑われるのも無理はあるまい。

 2年前、LGBT(性的少数者)のカップルは「子どもをつくらない。『生産性』がない」と月刊誌に寄稿し、批判を浴びた。その時も党本部は危機感に乏しかった。二階俊博幹事長は「人それぞれ政治的な立場、いろんな人生観がある」と厳しい処分は下さなかった。認識の甘さが今につながっている。

 今年1月、夫婦別姓を選べず悩む男女の例を紹介した野党の質問に「だったら結婚しなくていい」とやじを飛ばした。この時も党本部はうやむやにした。

 性暴力被害者を攻撃する発言も繰り返していた。被害を公表したジャーナリストの伊藤詩織さんについて「女として落ち度がある」などと批判。伊藤さんを中傷するツイートに「いいね」を押して名誉を傷つけたとして、伊藤さんから損害賠償訴訟を今夏、起こされてもいる。

 こうした姿勢は政府の方針に背く。政府は性犯罪・性暴力の根絶に力を入れ、2022年度までの3年間を「集中強化期間」として取り組む。なぜ与党は杉田氏を放置するのか。

 とんでもない発言をする議員がいる―。そう言って済ませられない立場に私たちはいる。杉田氏は比例中国ブロックの選出だからだ。中国地方で政治活動をした実績は乏しいのに、17年の前回衆院選で中国ブロックの候補になった。比例単独では最上位で、当選確実圏内の厚遇ぶりだった。抜てきした理由を党本部は明らかにしていない。

 もともと日本維新の会や次世代の党に所属していた。そのころ本会議で「男女平等は絶対に実現し得ない反道徳の妄想です」と述べ、男女共同参画社会基本法の撤廃を政府に迫っていた。そんな考えを許しているのか。自民党は問われている。

 資質が疑われるなら、議員辞職を促すのが筋である。それでも居座るのであれば、次回は比例候補から外すべきだ。




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