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コロナ禍と自死/孤立させない支援の輪を(2020年10月11日配信『神戸新聞』-「社説」)

 菅政権は「Go To キャンペーン」を観光から飲食に拡大するなど、経済へのてこ入れに躍起だ。しかし、雇用状況は改善せず、窮地に直面する中小の事業者は少なくない。

 新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中、生活苦と不安が一人一人にのしかかる。

 生きづらさと無縁ではないだろう。自ら命を絶つ人が増加の兆しを示していることを重く受け止めねばならない。

 警察庁の速報値では、8月の自殺者は1849人と前年同月を200人余り上回った。兵庫県内でも電話相談の件数が増えている。著名な俳優の自殺とみられる事例が相次いだことも影響しているようだ。

 自殺は「孤独の病」と言われる。孤立しないよう、周囲が見守り、声をかけるなどの取り組みに力を入れる必要がある。行政などの専門的な支援窓口にもためらわずに相談したい。

 大きな異変が起きれば、長引く影響で生きる意欲を失う人が増えるとされる。阪神・淡路大震災の後も、被災地で自殺の増加率が全国平均を上回った。

 災害では、時間がたつほど生活再建などの格差が顕著になる。取り残されたと感じる被災者は希望を失いがちだと、専門家らは指摘する。

 コロナ禍では、経済活動が打撃を受け、多くの人が事業継続の困難や失業などの苦難に直面している。非正規労働やひとり親など、弱い立場の人ほどつらい思いをする構図は同じだ。

 行政の緊急小口融資では、生活が苦しくなった世帯が最大20万円を無利子で借りられる。その申請総額が7月で1千億円を超え、リーマン・ショック時の80倍に達した。

 与党内からも、コロナ禍に対応した新たな取り組みを求める声が上がっている。政府は早急に具体策を打ち出すべきだ。

 「過労死等防止対策白書」によると、仕事が原因の精神障害で自死に至った人の6割が、医療を受診していなかった。

 SNSによる相談サイトもある。「いのちの電話」も神戸と姫路に開設されている。一人で苦しかったら、どうかその声を支援者に届けてほしい。

 一緒に生きたいと願う人たちが必ず手を差し伸べるから。




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Author:gogotamu2019
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