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GoTo迷走 不公平感が目に余る(2020年10月15日配信『東京新聞』-「社説」)

 コロナ禍に苦しむ業界を支援する「Go To事業」が迷走している。制度の不備が次々露呈し不公平感も広がっている。政府は修正を繰り返しているが、仕組みを根幹から見直す必要がある。

 事業の目玉である「Go To トラベル」では、国から割り当てられた予算枠が足りなくなった一部旅行会社が、割引額を縮小したり利用回数を限定したりした。客から不満の声が相次ぎ事態が発覚した。

 国は急きょ割引内容が維持できるよう旅行会社への予算枠の追加配分を発表した。しかし10月から東京発着旅行が対象に追加され、予約の急増は容易に予測できたはずだ。事業の制度設計が雑だったと指摘せざるを得ない。

 この間、予算枠を多く配分されていた大手旅行会社は滞りなく予約を受け付け、事業の恩恵を受けていた。一方、予算枠が小さい中小旅行会社では予約をめぐるトラブルが頻発し客離れも起きた。

 コロナ禍の痛手はどの業界でも中小零細がより深く受けている。特に観光関連では倒産や、非正規労働者を中心とした解雇、雇い止めが激増している。大手だけが潤うことがないよう予算枠制度の見直しも含め仕組みを大胆に修正すべきだ。

 さらにトラベルでは依然、苦境にあえぐ民宿や小さなホテルから支援が届いていないという声も出ている。今後はより規模の小さい宿泊施設などの救済に向け知恵を絞ってほしい。

 飲食店を支援する「Go To イート」でも混乱が起きた。少額のみの注文によりポイントを稼ぐケースだ。

 国は1000円未満の夕食など少額注文を対象外にすると発表した。だがラーメン店など元々価格設定が低い店舗から不満が出ており根本的な解決には至っていない。さらにポイント付与はサイト経由の予約が対象だ。サイトと関係の深い有名店やチェーン店、サイト自体に有利な仕組みになっており改善が必要だ。

 今回、トラベルでは約1兆3000億円、イートでは約2000億円の予算が投入される。しかし、二転三転する国の対応からは「予算を使って誰を支援するのか」という確固とした姿勢が伝わってこない。

 観光支援は来年度以降も続ける必要があるだろう。ただ巨額予算を引き続き投入するのなら、支援が業界全体に行き渡る公平な制度を再構築すべきである。




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