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小島慶子「性的少数者への差別や偏見は『多様性の一つ』ではない」(2020年10月17日配信『AERA.com』)

連載「幸複のススメ!」

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エッセイスト 小島慶子

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足立区の白石正輝区議は「同性愛が法律で守られると足立区は滅んでしまう」などと区議会で発言した(写真:足立区議会の議会中継サイトから)

 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

*  *  *

「多様性が大事だという人たちは、“性的少数者は受け入れ難い”という意見を多様性の一つとして認めようとしない。それは独善的だ。正しい知識を学べと言うのは上から目線だ」。同性愛に対して誤った認識に基づく差別的な発言をした東京・足立区議会の白石正輝区議への批判について、そう叩く人たちがいます。批判は「上から目線」ではありません。なぜこんなに抗議の声が上がるのかを知ろうとしない態度こそ独善的で傲慢(ごうまん)です。

「区議を責めても被害者意識が強まるだけだ。そういう考えも多様性の一つだ」というのは、分断をなくそうとする“まっとうな”意見を気取っていますが、長い間差別に苦しんできた人たちへの視点を欠いています。議員として政策に携わる人には差別のない社会を作る責任があるのですから、正しい知識を身につけるのは当然です。

 白石区議の「こんなことはありえませんが、日本人が全部L(レズビアン)、全部G(ゲイ)となってしまったら、次の世代をになう人が生まれない」という発言からは、同性愛を「個人の趣味で選択するもの」だと考えていることがうかがえます。白石区議にとって異性を好きになることが生まれながらの当たり前であったように、異性愛、同性愛などの性的指向は“プレイ”ではありません。区議は自分の意見を変えるつもりはないと主張していますが、誤った知識に基づく偏見を広め差別を助長する発言をしたことは許されません。

 こういう時に必ず出てくる「差別に反対する者こそ差別をしているのだ」という意見は、差別を傍観し、少数者の口をふさぐ態度です。本気で分断に橋をかけたいなら、必要なのはまず川にたたき落とされて溺れている人を助けることです。突き落とした者を擁護することではありません。自分は差別と無関係だという傲(おご)りに強い憤りを覚えます。

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP社)が発売中

※AERA 2020年10月19日号



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内容(「BOOK」データベースより)

 何でこんなに満たされないの? スキャンダラスな現代の夫婦を暴く衝撃作。スタイリストとして成功する妻を横目に、育児に追われる主夫の浩介。家事も育児も手伝わないラジオDJの夫に、いらだちを募らせる恵。渇いた心を持て余す二人は、ある日、公園で知り合う。パートナーには言えぬ想いを抱えて都会を生きる二組の夫婦が直面する、男と女の虚実とは――? インモラルで赤裸々な家族小説。

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私も夫も、何度も泣いた。
これほど濃密で激情に満ちた時間を、
他の誰とシェアしただろうか。――

2人の子どもの母である小島慶子さんが、6年にわたり綴ってきた
日経DUALの好評連載を単行本化!

産後クライシス、キャリア停滞、育児の不条理、罪悪感…
大変すぎて、ときに泣きたくなる「共働き共育て」のつらさに寄り添い、
子育て期にだけ得られる大きな喜びや幸せに気づかせてくれる1冊


「小島さんの言う、本音と連帯があれば、男性も夫婦も変わるのではないか。」
――中田敦彦

「娘の世代に持ち込みたくないこと、たくさんある。でも、心強くなりました!」
――犬山紙子


◆Chapter1夫婦の話
夫婦の在り方って?につくづく思うこと
「崖っぷち共働き親」の罪悪感と幸福/夫に「肩書き」がなくてもいいじゃない
私が夫に絶対に腕時計を見せないわけ/共稼ぎ夫婦の「夜の生活」、ここだけの話
44 歳、ついにやってきたミッドライフ・クライシス!ほか

◆Chapter2仕事の話
大黒柱ワーママをしながら考えてきたこと
「ワーク・ライフ・バランス大嫌い」の方へ
同期が勤続20年! 今振り返る会社員生活/月1フライト生活で父の仕事を思い出す
あなたの会社の暴君を会議で黙らせる方法ほか

◆Chapter3子育ての話
子どもから教わったこと、子に伝えたいこと
「料理は愛情!」の押しつけはうんざり/入園前の親御さん、ハグしてチューしよう!
子育ては人を成長させるのか/共働き親は、夏こそ子どもに暇を与えて
夫がぜんぶ一人でやっちゃうので困る!ほか

◆Chapter4社会の話
パースで、日本で、飛行機で、社会について思うこと
住めば都ってそういう意味だったのか/認知症の孤独を、自分の視点で捉えてみた
キャビンアテンダントから考えるお国柄/この社会で、女でいるということの難儀ほか
コラム共働きの悩みに答えます

大黒柱ワーママ対談小島慶子×犬山紙子
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