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改正動物愛護法(2019年7月11日配信『北海道新聞』ー「卓上四季」)

 作家の幸田文は6歳の時に生母を亡くし、2年後、父・露伴は再婚した。新しい母とは折り合いが悪く、ある日、継母が父に自分を里子に出すよう進言しているのを聞いてしまう

▼驚いて家を飛び出し、菜の花畑にしゃがみこんで泣いていた。その時、「いきなり、つめたい濡(ぬ)れたものが頬にくっついた。ぎょっとすると犬の鼻だった」「私にからだの重みを押しつけてよこし、やたらと涙を舐(な)めた」「たがいにもたれ合っていると心からかわいかった」。飼っていたポインターに慰められた思い出を「なのはな」に書いている

▼大の動物好きで、犬も猫も大切に飼う。そんな作家の評判を聞いたせいか、玄関前に猫が捨てられていたこともあったという

▼犬や猫のペットをかけがえのないパートナー、家族同然の存在と考える人が増えた。一方で、遺棄や虐待がなかなか後を絶たない

▼このため、先の通常国会で改正動物愛護法が成立した。マイクロチップの装着を義務化し、災害時にはぐれたペットを見つけやすくしたり、飼い主による遺棄を防ぐ。動物虐待罪の厳罰化や、生後8週間以下の犬猫の販売禁止も盛り込んだ

▼道は保護した犬猫の飼い主を探す事業を行っており、道内の殺処分数は確実に減少した。とはいえ、人の都合で命を奪われる犬猫は、2017年度で依然700匹を超える。ペットは飽きたら捨てる「生きた玩具」ではない。




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