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キンコンカン(2020年10月23日配信『高知新聞』-「小社会」)

 戦後大ヒットしたラジオドラマ「鐘の鳴る丘」は、3年余りの間に800回近く放送された。脚本を手掛けた菊田一夫は戦時中、戦意を高揚させる劇をいくつか書いている。
 
 戦争で親や家を失った孤児と復員兵が希望や夢を信じて一緒に暮らす―。「鐘の鳴る丘」は、国民を戦争に駆り立ててしまったと感じた菊田の贖罪(しょくざい)の思いが込められているとの見方がある。

♪鐘が鳴ります キンコンカン メイメイ子ヤギもないてます…。今週のNHK連続テレビ小説「エール」で、古関裕而がモデルの主人公が作曲したドラマ主題歌「とんがり帽子」が流れた。親しみやすいメロディーと菊田の優しい詞は、終戦間もない多くの人を勇気づけた。
 
 戦時中、古関も軍歌をつくった。戦後、2人はペアとなり、多くのヒット曲を残している。戦前の歩みが、戦後の創作に関係したのかもしれない。
 
 戦後75年。ノンフィクション作家の竹内早希子さんが「命のうた」という本をこの夏出した。戦争孤児が、戦後どう生きてきたかを丹念に記録している。記憶が引き継がれるように児童書として出版したのも意味がある。
 
 本の最後に、東京大空襲で孤児になった男性が登場する。1人暮らしを続け、高齢となった今はホームレスをしている。詳しい理由は分からない。戦後の暮らしは決して楽ではなかっただろう。みんなが熱中した「キンコンカン」の歌声を覚えているだろうか。



キャプチャ

 10歳のときに神戸空襲で両親をなくした山田清一郎さんの半生を中心に、共に路上で生きた戦争孤児の仲間たちの、声なき声をすくい上げる、渾身のノンフィクション。
 第二次世界大戦後、戦争孤児は日本全国に12万人以上いたといわれている。彼らは誰からも守られず、地を這うように生きた。
 山田清一郎さんは、10歳で天涯孤独となり、路上で暮らした過酷な日々の記憶を、長い間胸の奥に閉じこめて暮らしてきた。語り始めたのは60歳を過ぎてからだ。
 話したくはない。でも、今話さなければ、誰が仲間たちの声を伝えるのか…。
 あなたには、届くだろうか。敗戦後75年目の節目に問う作品。

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Author:gogotamu2019
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