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核兵器禁止条約 来年1月に発効へ 批准した国と地域が50に(2020年10月25日配信『NHKニュース』)

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 核兵器の開発、保有、使用を禁じる核兵器禁止条約を批准した国と地域が発効の要件となる50に達し、条約は来年1月に発効することになりました。推進国は核兵器廃絶に向けた圧力としたい考えですが、核保有国は参加しておらず、今後、実効性をどう確保していくかが課題となります。

 核兵器禁止条約は、核兵器の使用が武力紛争の際に適用される国際法に反するとして、その開発、保有、使用などを禁じる条約で3年前の2017年7月、国連で122の国と地域が賛成して採択されました。

 条約は50の国と地域の批准が発効の要件となっていて、国連の幹部はNHKの取材に対し、24日、50番目となる批准書を中米のホンジュラスが国連に提出し、受理されたことを明らかにしました。

 これにより、条約は規定に基づいて90日後の来年1月22日に発効することになります。

 核兵器を違法だとする条約はこれが初めてで、条約を推進してきたオーストリアなどの核を持たない国々や国際NGOのICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンは、新たな核軍縮の基盤として核兵器の廃絶に向けた圧力としたい考えです。

 しかし、条約には世界の核兵器の9割を保有するアメリカとロシア、さらに中国などの核保有国や、アメリカの核抑止力に依存する日本などの同盟国は参加しておらず、これらの国々には条約を順守する義務はありません。

 条約の推進国や国際NGOとしては、さらに批准国を増やして核兵器廃絶に向けた国際的な世論を高めたいねらいですが、核保有国が反発するなかで今後、実効性をどう確保していくかが課題となります。

ICAN事務局長「核軍縮にとって新たなページ」

 核兵器禁止条約が来年1月に発効することになったことを受け、ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンのフィン事務局長は24日、公式サイトで「核軍縮にとって新たなページが開かれた。長年の活動は、多くの人が不可能だと言ってきたことを成し遂げた。核兵器は禁止された」とコメントしています。

ICAN委員・川崎氏「核兵器の時代終わらすきっかけに」

 国際NGO、ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンの川崎哲国際運営委員は、「条約は、原爆の被害や苦しみを二度と繰り返してはいけないという被爆国の思いが形になったものだ。被爆者が高齢になる中、核兵器をなくさなければいけないという声を国際法として残す意味がある」と述べ、唯一の被爆国、日本にとって、大きな意味を持つ条約であると強調しました。

 そして、日本政府が条約に参加しない姿勢を示していることについては、「大変残念で、被爆者の声を聞いてきた立場からすると本当につらいことだ。政府は、条約に参加すると、核抑止力の正当性が失われると主張しているが、被爆国である日本は、核兵器は違法であるという立場に転ずるべきだ。いきなりは難しくても、長期的には条約への参加を目指すということを明確に表現してほしい。核兵器のない世界を目指すと言っている以上、できないはずはない」と述べ、条約の発効後に開かれる締約国会議にオブザーバーとして出席し、条約への参加の姿勢を示すべきだと指摘しました。

 そのうえで、「人権問題や奴隷制度なども長い時間を経て変えてきた歴史があり、75年前にできた核兵器が未来永ごう残り続けるというのは根拠がない。核兵器禁止条約は核兵器の時代を終わらせて、新たな時代を作り出すきっかけになるものだ。どれだけ多くの国や人々が古い考え方から新しい考え方に移るか、それを遅らせるも早めるのも私たち次第だ」と述べました。

広島県被団協・坪井理事長「大いなる一歩」

 核兵器禁止条約を批准した国と地域が条約の発効に必要な50に達したことについて、広島の被爆者でつくる広島県被団協=広島県原爆被害者団体協議会の坪井直理事長は「条約の発効によって直ちに核兵器の廃絶が進むわけではないとはいえ核兵器の禁止・廃絶を具体化する大いなる一歩であることは間違いない」としたうえで、「核兵器保有国と核の傘の下にある国々が条約に参加するよう引き続き力を尽くしたい。とりわけ日本政府には原爆を体験した被爆者が望んでいることを踏まえて条約への参加をぜひ考えてもらいたい」などとコメントしています。

広島県被団協・箕牧氏「大国の政治家は批准応じる政策を」

 広島県被団協=広島県原爆被害者団体協議会の箕牧智之理事長代行は「ニューヨークからの1報をいただき驚きと感動でいっぱいです。大国の政治家には広島や長崎を訪れて核兵器の恐ろしさを肌で感じて批准に応じていただくような政策を考えていただきたいし、これからも諦めることなく声を出し続けていきたい」とコメントしています。

サーロー節子さん「やっと祈りが通じた」

 長年、世界各国で自身の被爆体験を語り、核兵器廃絶を訴え続けてきたカナダ在住の広島の被爆者、サーロー節子さんは、「批准が50に達したことを聞いて、喜びで体が震え、ことばが出なかった。これから90日後には核兵器が違法になるということになり、広島で体験した悪夢を思うと、75年たってやっと祈りが通じた気持ちだ。これまで核兵器廃絶の活動をする中で、常に広島で亡くなった人たちと一緒にいるという思いで活動をしてきたが、やっとここまでこぎ着けたという報告をした」と述べました。

 そして、「核兵器禁止条約が発効することによって、核兵器廃絶を目指す活動は新しい章に入ると思うが、完全に廃絶できるまで活動を続けなくてはいけないと思っている。核兵器がこの世から完全になくなるときには、私たちはこの世にはいないと思うが、条約の発効は貴重な一歩で、私も命のある限り、活動を続ける覚悟だ。同じ思いを持った人たちが世界中で活動を続けてくれると信じている」と述べました。

 さらに、日本政府が条約に参加しない方針を示していることについては「日本は、広島と長崎で唯一、核攻撃の被害を経験した国だ。国同士の同盟について考える前に、人間として、広島や長崎で大量の殺りくがあったことを考えてほしい。日本政府は、人類に対する責任を考えてほしい」と述べ、条約への参加を求めました。



核兵器禁止条約発効へ ホンジュラス批准し50カ国・地域達成 「核なき世界」へ一歩(2020年10月25日配信『毎日新聞』)

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核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けて開かれた国連安全保障理事会の公開会合=米ニューヨークの国連本部で2020年2月26日、隅俊之撮影

 史上初めて核兵器を全面禁止する核兵器禁止条約を批准した国・地域が24日、発効に必要な50に達した。中米ホンジュラスが新たに批准した。条約は90日後の来年1月22日に発効する。米露などの核保有国や米国の「核の傘」に依存する日本などは不参加で実効性に欠けるが、核兵器を非人道兵器とする国際規範ができることで「核なき世界」に向けた新たな一歩となる。

 批准を働きかけてきた国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が24日、明らかにした。核兵器禁止条約は2017年7月、国連加盟の6割を超える122カ国・地域の賛成多数で採択された。条約は、核兵器の開発や保有、使用だけでなく、核兵器による威嚇、他国の核兵器を自国内に配備することなどを全面的に禁じる。発効から1年以内に締約国会議を開く予定で、オーストリアでの開催が有力視されている。

 現在の核軍縮・核不拡散の基盤である核拡散防止条約(NPT)は、米露英仏中の5大国に核兵器の保有を認める代わりに、誠実に核軍縮交渉を行う義務を定めている。しかし、米露間では中距離核戦力(INF)全廃条約が失効。来年2月に期限を迎える新戦略兵器削減条約(新START)は1年延長の可能性が出ているが、米露双方で「使いやすい核兵器」とされる小型核弾頭の配備や開発が進む。このような核軍縮が進まない現状に対する非核保有国の危機感が批准を後押しした。

 核兵器禁止条約は締約国でなければ拘束されない。だが、ICANのベアトリス・フィン事務局長は「発効すれば(核軍縮を進めるべきだという)強い国際規範が生まれ、核保有国も圧力にさらされる」と指摘。日本や北大西洋条約機構(NATO)加盟国など「核の傘」に依存する国が参加することが「最初のステップになる」と話している。今後は、署名・批准数をどこまで増やせるかが焦点になりそうだ。

 被爆国の日本は、核軍縮の進展に向けて核保有国と非核保有国の「橋渡し役」を担うと表明してきた。核兵器禁止条約をめぐっては「現実の安全保障を踏まえていない」として、17年3月から始まった交渉会議にも参加しなかった。だが、締約国会議には核保有国や日本など批准していない国もオブザーバーとして参加できるため、与党でも公明党が参加の検討を求めている。




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