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核兵器禁止条約、21年1月に発効へ 50カ国の批准達成(2020年10月125配信『日本経済新聞』)

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核兵器の保有や使用を全面的に禁止する核兵器禁止条約が発効する(9月、ニューヨークの国連本部)

 核兵器の保有や使用を全面的に禁じる核兵器禁止条約(TPNW)が2021年1月に発効する。発効の条件となる50カ国が批准したことが24日明らかになった。核軍縮の機運に弾みをつけるねらいだが、米英仏中ロといった核兵器保有国は参加せず、実効性に課題は残る。

 17年に条約採択への功績でノーベル平和賞を受賞した非政府組織「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」が24日、50カ国目となる中米ホンジュラスが批准したと発表した。

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 核兵器禁止条約はオーストリアやメキシコなどが主導し、17年7月に国連で採択された。条約に署名した国は84カ国・地域にのぼる。核兵器の開発や生産、使用、保有などに加えて「使用するという威嚇」まで法的に禁じる内容だ。核兵器の実験や移転、配備の許可も禁止事項に含まれる。

 米英仏中ロの核保有国と、日本や韓国など米国の「核の傘」に頼る国々は参加していない。ICANのベアトリス・フィン事務局長は「条約の発効で核保有国に核軍縮と将来の枠組み参加への圧力をかけられる」と期待を示す。

 ただ、核保有国は条約の発効に反発を示し、署名・批准した国と核保有国との溝の深さも浮き彫りになっている。AP通信によると、米国は条約を批准した複数の国に「批准は誤った戦略だ」として撤回を求める書簡を送った。核保有5カ国と北大西洋条約機構(NATO)の同盟国が「(条約の)潜在的な影響への反対で一致している」と懸念を表明した。

 唯一の戦争被爆国でありながら条約に参加していない日本も、非核国と核保有国の間で難しい立場に置かれている。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のトゥッティ・エラシテ上席研究員は「米国の核の傘に頼る日本などは条約に参加できない理由を今まで以上に明確に示さなければいけなくなる」と話す。

 核軍縮をめざす世界の枠組みには課題が山積している。21年1月には核拡散防止条約(NPT)の各国の運用状況を点検する再検討会議の開催を控える。新型コロナウイルスの感染拡大で当初予定の4月末から延期されていた。NPTは1970年に発効した核保有5カ国を含む最大の枠組みで、核不拡散や核軍縮への交渉義務と原子力の平和利用を求めている。

 15年の前回会合では核保有国と非核保有国の溝が埋まらず、最終文書を採択できていない。軍縮を巡る進歩がないなか、専門家は核保有国による行動なしでは最終合意文書にたどりつくのは難しいと指摘する。足元では感染拡大への懸念から、会合自体を再延期する可能性も取り沙汰される。

 2月には米国とロシアの軍縮枠組みである新戦略兵器削減条約(新START)の期限が切れる。米大統領選前に合意を目指すトランプ大統領と、軍拡競争につながる条約失効を避けたいロシアのプーチン大統領との交渉が大詰めだ。条約を1年延長し、その間の核弾頭保有数の凍結で合意する見通しだ。中国の軍縮参加や制限対象拡大などの問題は棚上げされた。

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