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志位委員長の代表質問 衆院本会議(2020年10月30日配信『しんぶん赤旗』)

 日本共産党の志位和夫委員長が29日の衆院本会議で行った菅義偉首相に対する代表質問は次の通りです。

日本学術会議への人事介入を問う

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代表質問に立つ志位和夫委員長=29日、衆院本会議

 私は、日本共産党を代表して、菅総理に質問します。

 日本学術会議が新会員として推薦した科学者のうち、総理が、6人の任命を拒否したことは、わが国の法治主義への挑戦であり、学問の自由をはじめとする国民の基本的人権を侵害する、きわめて重大な問題です。

任命拒否は、学術会議の独立性・自主性への侵害

 第一に、任命拒否は、日本学術会議法に真っ向から違反しています。

 日本学術会議法は、学術会議の政府からの独立性を、その条文の全体で、幾重にも保障しています。第3条で、学術会議は、政府から「独立して…職務を行う」とされ、第5条で、政府に対してさまざまな「勧告」を行う権限が与えられています。第7条で、会員は、学術会議の「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」とされ、第25条で、病気等で辞職する場合には、「学術会議の同意」が必要とされ、さらに第26条で、「会員として不適当な行為」があった場合ですら、退職させるには「学術会議の申出」が必要とされるなど、実質的な人事権は、全面的に学術会議に与えられています。

 総理に伺います。日本学術会議には、1949年の創設時に、当時の吉田茂首相が明言したように、「高度の自主性が与えられている」ということをお認めになりますか。6人の任命拒否は、学術会議の独立性・自主性への侵害であり、日本学術会議法違反であることは明瞭ではありませんか。答弁を求めます。

「全くの形式的任命」「推薦者は拒否しない」などの政府答弁を覆す

 1983年、会員の公選制を推薦制に変えた法改定のさいに、学術会議の独立性が損なわれないかが大問題になりました。

 そのさい政府は、繰り返し、総理大臣の任命は「全くの形式的任命」、「実質的に総理大臣の任命で会員の任命を左右することはしない」、「推薦していただいた者は拒否しない」と明確に答弁しています。

 総理、6人の任命拒否は、これらの政府答弁のすべてを覆すものではありませんか。法律はそれを制定する国会審議によって解釈が確定するのであって、政府の一存で勝手に解釈を変更するならば、およそ国会審議は意味をなさなくなるではありませんか。

憲法15条を持ち出した任命拒否合理化は天につばするもの
 総理は、憲法15条1項「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」を持ち出して、任命しないことはありうると強弁しています。

 しかし、憲法15条1項は、公務員の最終的な選定・罷免権が、主権者である国民にあることを規定したものであって、それをいかに具体化するかは、国民を代表するこの国会で、個別の法律で定められるべきものです。日本学術会議の会員の選定・罷免権は、日本学術会議法で定められており、その法律に反した任命拒否こそ憲法15条違反であり、憲法15条を持ち出してそれを合理化するなど、天につばするものではありませんか。

 憲法15条の解釈について、かつて政府は、「明確に客観的に、もうだれが見てもこれは非常に不適当であるという場合に限って、…任命しないという場合もありうる」(1969年、坂田道太文相〈当時〉答弁)と答弁してきました。総理、あなたが任命拒否した6人は、「明確に客観的に、だれが見ても非常に不適当」だということですか。そうならばどう「不適当」なのか、その理由を明らかにすべきです。理由も明らかにせずに任命を拒否することは、6人に対する重大な名誉毀損(きそん)ではありませんか。答弁を求めます。

6人を任命すると「総合的、俯瞰的活動」に支障がでるのか

 総理は、任命拒否の理由を、学術会議の「総合的、俯瞰(ふかん)的活動を確保する観点」からだと繰り返しています。ならば問います。総理は、6人を任命すると学術会議の「総合的、俯瞰的活動」に支障がでるという認識なのですか。端的にお答えいただきたい。

 さらに総理は、26日のNHKインタビューで突然、学術会議の推薦名簿は「一部の大学に偏っている」「民間、若手が極端に少ない」などと非難を始めました。昨日(28日)の答弁では「多様性が大事」とも述べました。しかし、それならばなぜ50代前半の研究者、その大学からただ一人だけという研究者、比重の増加が求められている女性研究者の任命を拒否したのですか。説明いただきたい。

 だいたい、総理が勝手に、「選考・推薦はこうあるべき」という基準をつくって、任命拒否をはじめたら、学術会議にのみ与えられた選考・推薦権は奪われ、学術会議の独立性は根底から破壊されてしまうではありませんか。

 くわえて、学術会議が推薦した名簿を総理は「見ていない」と言う。「見ていない」で、どうして推薦名簿にそのような特徴があることが分かったのでしょうか。語れば語るほど支離滅裂ではありませんか。しかとお答えいただきたい。

憲法が保障した学問の自由を二重に侵害するもの

 第二に、任命拒否は、憲法23条が保障した学問の自由を侵害するものです。

 総理は、任命拒否は、「学問の自由とは全く関係がない」と言い放ちました。

 ならば聞きます。あなたは、憲法が定めた学問の自由の保障をどう理解しているのか。学問の自由は、個々の科学者に対してだけでなく、大学、学会など、科学者の自律的集団に対しても保障される必要があります。科学者集団の独立性・自主性の保障なくして、個々の科学者の自由な研究もありえないからです。総理の見解を伺います。

 理由を明らかにしないままの任命拒否が、個々の科学者に萎縮をもたらし、自由な研究の阻害となることは明瞭ではありませんか。それはさらに、わが国の科学者を代表する日本学術会議の独立性を保障する要となる会員の選考・推薦権という人事権の侵害であり、日本の学問の自由への乱暴な侵犯というほかないではありませんか。総理の任命拒否は、学問の自由を二重に侵害するものではありませんか。答弁を求めます。


強権をもって異論を排斥する政治に未来はない
 そもそも総理は、日本国憲法が、思想・良心の自由や表現の自由とは別に、学問の自由の保障を独立した条項として明記した理由が、どこにあると認識しているのですか。

 1930年代、滝川事件、天皇機関説事件など、政権の意に沿わない学問への弾圧が行われました。それは全ての国民の言論・表現の自由の圧殺へとつながっていきました。毒ガスや生物兵器の開発、人体実験、原爆の研究、国民総武装兵器の開発研究など、科学者は戦争に総動員されました。そして、侵略戦争の破滅へと国を導いたのであります。総理、あなたには、憲法に明記された学問の自由の保障が、こうした歴史の反省のうえに刻まれたものだという認識がありますか。答弁いただきたい。

 この問題は日本学術会議だけの問題ではありません。全国民にとっての大問題です。強権をもって異論を排斥する政治に決して未来はありません。日本共産党は、違憲・違法の任命拒否の撤回を強く求めるものです。総理の答弁を求めます。

新型コロナ対策――緊急焦眉の課題について
 新型コロナ感染症は、感染が拡大方向に向かい、ヨーロッパのような再燃が強く危惧されます。緊急焦眉の課題にしぼって質問します。

PCR検査と医療体制の抜本的拡充を

 検査と医療の抜本的拡充は、感染防止と経済活動を両立させる最大のカギですが、政府の対応には大きな問題があります。

 一つは、PCR検査の立ち遅れです。日本のPCR検査の人口比での実施数は、世界152位。必要な検査がなお実施されていません。総理にはその自覚がありますか。

 無症状の感染者を把握・保護することを含めた積極的検査への戦略的転換を宣言し、実行に移すべきではありませんか。

 国の責任で、感染急増地(ホットスポット)となるリスクのあるところに網羅的な検査を行うこと、病院、介護施設、保育園等に対して社会的検査を行うことを求めます。感染追跡を専門に行うトレーサーの増員など保健所の体制強化を求めます。

 多くの自治体が、独自にPCR検査の拡充に乗り出していますが、行政検査として行う場合、費用の半分が自治体負担となることが、検査拡充の足かせになっています。「全額国庫負担による検査」の仕組みをつくるべきではありませんか。

 いま一つは、医療機関の疲弊です。日本病院会など3団体の実態調査によれば、全国の病院は4~6月期に平均10%を超える赤字となり、4分の1を超える病院で夏のボーナスがカットになりました。3団体の調査報告書は、国からの十分な支援がなくては、「地域医療が崩壊する可能性すらある」と訴えています。

 総理は、「医療従事者への感謝」と言いましたが、「感謝」というなら医療機関への減収補填(ほてん)に踏み切るべきではありませんか。新型コロナとインフルエンザの同時流行への体制づくりという点からも、医療機関への財政的補償が不可欠です。総理の答弁を求めます。

事業と雇用危機の深刻さへの認識を問う

 新型コロナが長期化するもとで、事業と雇用の危機はきわめて深刻です。

 東京商工リサーチの調査によれば、コロナ収束が長引いた場合、廃業を検討する可能性があると答えた中小企業は8・8%、単純計算で実に31万社を超える中小企業が廃業の危機にひんしています。

 雇用危機も深刻です。雇用者数は、コロナ前に比べて、6月は145万人の減少、8月でも117万人減ったままです。リーマン・ショックの際の雇用者減の最大94万人と比べても、過去最悪の急激な雇用の減少が起こっているのです。

 総理に伺います。現下の事業と雇用の危機は、放置すれば「コロナ恐慌」を引き起こしかねない、戦後最悪の状況だと考えますが、どういう認識をお持ちですか。お答えいただきたい。

暮らしと営業を支えるために――三つの緊急提起

 私は、こうした事態を踏まえ、次の3点を緊急に提起するものです。

 第一に、休業支援金の支給決定は予算額の5%、家賃支援給付金の給付額は予算額の2割弱にすぎません。「制度はつくったが支援が届いていない」という事態をただちに是正する実効ある措置をとることをここで約束していただきたい。

 第二に、政府の直接支援策は、すべて今年中を対象としたものです。「このままでは年を越せない」「事業継続を諦めざるをえない」――これが現場の悲痛な声です。総理、今この場で、雇用調整助成金のコロナ特例を延長すること、持続化給付金の第2弾を実施すること、家賃支援給付金を延長すること、生活困窮者のための貸付金を延長し返済免除の拡充を行うこと、そして国が数千億円の規模で出資して「文化芸術復興基金」を創設することを約束していただきたい。いかがでしょうか。

 第三は、消費税を5%に減税するとともに、経営困難な中小業者には、2019年度と20年度分の消費税の納税を免除することです。資産1千億円以上の超富裕層は、コロナのもとで資産を14兆円から19兆円へと増やしています。富裕層などに適正な課税を行い、消費税を減税することは、税の公正のうえでも急務ではありませんか。

 以上の諸点について答弁を求めます。

政治の仕事は「公助」――暮らしを良くする公の責任を果たすこと

 総理は、「自助・共助・公助」――「まずは自分でやってみる」と自己責任を繰り返し強調していますが、コロナ禍のもとで、多くの国民は十分すぎるほどの「自助努力」をやっていますよ。政治の仕事は「公助」――暮らしを守り良くするための公の責任を果たすことにつきるということを訴えて、私の質問を終わります。





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