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(論)75歳以上は窓口負担原則2割を明記せよ(2020年10月31日配信『日本経済新聞』-「社説」)

 政府の全世代型社会保障検討会議(議長・菅義偉首相)が議論を再開した。12月に出す最終報告の焦点は、75歳以上の後期高齢者が病院や診療所にかかったときに払う窓口負担の引き上げである。

 若い世代が健康保険料の重荷を背負い込むことがないよう、もてる高齢者には相応の負担を求める必要がある。私たちはそう繰り返し述べてきた。原則1割(例外として現役並み所得者は3割)の窓口負担を、同2割へ上げる方針を首相は最終報告に明記すべきだ。

 全世代型会議は安倍政権時の2019年末に出した中間報告で、後期高齢者の窓口負担は「一定所得以上は2割、それ以外は1割」という考え方を示した。ことし半ばに最終報告をまとめる段取りにしていたが、コロナ禍で審議が中断し半年先送りされた。

 具体的な所得の線引きは、厚生労働相の諮問機関である社会保障審議会の部会が11月に幾通りかの基準を示す。同省は負担上げに難色を示す日本医師会の意を受け、対象を絞る方向に傾いている。

 負担上げは政治的に難路だが、団塊世代の後期高齢化が始まる22年が迫っている。その前に決着させねば現役世代の保険料負担が過重になり、国民皆保険体制は危機にひんする。後期高齢者の受診行動に規律をもたせるためにも、引き上げは避けて通れまい。

 ただし高齢世代内の所得・資産格差は、概して現役世代より大きい。月々の窓口負担の上限を定めた高額療養費制度を維持し、無年金・低年金者などを1割に据え置くのは当然である。

 経団連と企業の健康保険組合で組織する健康保険組合連合会は、1割負担の人のうち後期高齢人口の半数強にあたる900万人を2割負担にすべきだという意見書を出した。日商、連合、協会けんぽとともに厚労相に実現を求める。

 また自民党の財政再建推進本部の小委員会は、1割に据え置く範囲を限定すべきだという趣旨の報告書をまとめた。

 政府は今のすべての後期高齢者を対象に2割負担の適用を線引きする方針だ。70~74歳の窓口負担が原則2割であることを踏まえ、これから75歳になる人を順次2割負担にする方式なら負担感は変わらず、円滑に導入できよう。

 介護保険についても、65歳以上の利用者の自己負担は原則1割から2割に上げる制度改革の必要性を付言しておきたい。




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