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「母親が元気ならば子どもが笑う」DV被害女性ら支援 「心の傷」に丁寧に対応(2020年11月1日配信『毎日新聞』)

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長島茂代さん=静岡市葵区の千代田寮で2020年10月26日午後2時51分、古川幸奈撮影

 屈託のない明るい笑顔がトレードマーク。静岡市の母子生活支援施設・千代田寮の寮長補佐として、夫の家庭内暴力(DV)から逃れてきた女性や子どもたちを温かく見守る。時に一緒に泣き、時に喜びあって、ともに家族の未来を考える。経済的、精神的な自立を目指す母子が暮らす施設にとって、欠かせない存在だ。

 短大卒業後に幼稚園の教諭となり、結婚を機に23歳で退職。2人の子どもに恵まれて、15年ほどを専業主婦として過ごした。しかし、「教育のフィールドにもう一度、戻りたい」という思いが徐々に強くなっていることに気がつく。そのときに、いとこから紹介された働き口が長田南中学(駿河区)の学校相談員だった。

 中学の相談室は、不登校の子どもの母親らが毎日のように訪ねてきた。最初は「家計を助けるためのパート」という気軽な感覚だったが、母親や子どもたちと向き合ううちにどんどんと仕事の面白さにひかれていった。初めて知った社会の一端だった。とはいえ、「専門知識がなく、聞くことしかできない自分の力のなさも痛感した」。

 2003年からは県男女共同参画センター・あざれあ(駿河区)の電話相談員として働いた。家庭内暴力が起きる背景などをジェンダー(社会的性差)の視点から学ぶ機会を得た。全国である研修会に参加するため、兵庫や広島、新潟県にまで足を運ぶようになった。「電話でなく、対面で直接、支援がしたい」との思いが募った。

 そして、静岡市家庭児童相談室の相談員に転職。児童相談所や学校などと連携しながら、DVの被害者らを直接、支援した。顔にけがをしたり、やつれたりしていた女性がみるみるうちにきれいになっていく様子を見ると、仕事のやりがいを感じた。08年、身につけたスキルを生かす新たな職場として、母子支援施設・千代田寮を選んだ。

 千代田寮はDVの被害に遭った母子などを一時的に受け入れ、経済的・精神的な自立を支援。最大で30世帯が暮らし、各家庭がそれぞれの部屋で独立した生活を送る。夫の監視や暴力から逃れ、体一つで飛び込んでくる女性たちは半年から数年で退寮。入居者の心の傷を見つけて丁寧に話を聞き、解決策を一緒に考えることが仕事だ。

 「傷ついた女性がねぎらわれたり、認めてもらったりして元気になる。母親が元気ならば子どもが笑う。その姿に感動します」。18年に寮長補佐に就任、後輩の育成に力を入れている。現在の夢は退職後、寮を「卒業」した母親たちと再会し、酒を飲み交わすことだ。【古川幸奈】

長島茂代(ながしま・しげよ)さん
 1960年8月、静岡市生まれ。夫の仕事の都合で結婚後、千葉県で暮らし、89年に静岡県内に戻った。趣味は着物の着付けや洋裁。長女と長男は県外で暮らしている。





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Author:gogotamu2019
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