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五輪ボランティア、研修再始動 コロナ禍でも意欲(2020年11月3日配信『日本経済新聞』)

 2021年夏の東京五輪・パラリンピックに向けて、新型コロナウイルスの影響で中断していたボランティアの研修が一部で再開した。コロナ禍による思わぬ延期を経ても参加の意思を示している人は多く、大会組織委員会や自治体はオンラインも活用しながら準備を進める。

キャプチャ
都市ボランティアを対象にした埼玉県の救命講習(10月27日、さいたま市)=同県提供

 間隔を空けて並べた訓練用人形の口元にハンカチなどをのせ、講師の指示に従って両手で人形の胸を押す。埼玉県が10月下旬に開催した救命講習には、大会時に競技会場周辺で道案内などを担う「都市ボランティア」の15人が参加した。

 講習は1月以来で、未受講だったボランティアの要望などを受けて行われた。感染リスクを考慮して人工呼吸の実技はメニューから外された。

 9月末には、バスケットボール会場になるさいたまスーパーアリーナ(さいたま市)周辺の観客の動線などを説明する動画をボランティア向けに配信した。活動場所ごとに全12本を年末までに配信する予定。担当者は「いずれ現地研修を行う予定だが、今のうちに少しでも本番をイメージしてほしい」と話す。

 組織委が採用する大会ボランティアの共通研修も10月下旬にオンライン形式で再開した。活動の心構えや障害者への理解などをビデオ会議システムを活用して学ぶ。研修が中断した2月までに未受講だった約5千人を対象に年末までの予定で実施する。

 競技会場で案内などをする大会ボランティアは約8万人、会場のある各自治体が採用した都市ボランティアは計4万人を超える。いずれも20年春以降に現地研修を予定していたが、新型コロナの感染拡大で大会自体の延期が3月に決まった。

 組織委は21年4月から役割別、6月から会場別の研修を予定する。担当者は「大会延期に合わせて研修スケジュールは1年ずらした。コロナの感染状況によっては今後もオンラインの活用が選択肢になりうる」と話す。

 延期後に組織委が行った調査では、辞退の意向を示した大会ボランティアは1%程度にとどまった。日本財団ボランティアサポートセンターが7月までに都市ボランティアを対象に実施した調査では、延期になっても大会を応援する気持ちは「変わらない」が最多の71.8%だった。

 同センターはボランティアの意欲を維持するため、オンラインによる相談や交流会を設けるよう自治体に呼びかけている。センターの担当者は「高い意欲でボランティアが本番を迎えられるように準備を進めてほしい」と話している。

■感染懸念、「安全な活動環境を」75%

 大会組織委員会などは大会時のボランティアの感染防止策を模索している。東京都が8月に行った都市ボランティアのアンケートでは、回答者の79%が新型コロナウイルスの状況を心配しているとし、「安全安心に活動できる環境の整備」を求める声も75%に上った。

「マスクを着けない観客への対応など分からないことが多い」。大会ボランティアと都市ボランティアの両方に登録する都内の男性会社員(47)は「個人の判断で対応すると混乱が広がりそうだ」と話す。

 ボランティア運営を支援する日本財団ボランティアサポートセンターは10月、自治体向けに感染予防策の提言をまとめた。観客を案内するとき、休憩するときなど、場面ごとに感染リスクを評価し、人と距離を確保する工夫などを例示した。

 障害を持つボランティアへの配慮も必要。聴覚障害を持つ埼玉県の女性会社員(48)は「マスクを着けていると口が見えずコミュニケーションが難しい」とし、透明のフェースシールドの活用を提案する。

 政府などによる五輪の新型コロナ対策会議は今後、感染防止の観点からボランティアの行動ルールを定める予定。都もボランティアの感染対策マニュアルを策定し、2021年春以降の研修で活用する方針だ。




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Author:gogotamu2019
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