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「人の尊厳を犠牲にした働き方が日本の映画業界を支えている」 アップリンク パワハラ訴訟で和解も原告がコメント(2020年11月4日配信『毎日新聞』)

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2回目の提訴会見の模様=東京都港区で2020年6月22日、西田佐保子撮影

 映画館の運営、映画製作・配給などを行う映画配給会社「アップリンク」(東京都渋谷区)および関連会社に勤務していた元従業員5人が、同社の浅井隆代表からパワーハラスメントを受けたとして損害賠償を求めていた訴訟で、浅井代表および原告代理人弁護士は10月30日、和解協議が合意に至ったことを発表した。

 浅井代表は「今回の提訴を受け、改めてハラスメントは人の尊厳に関する問題であるということを認識し、自分自身の課題として、向き合ってきました。今回の合意をハラスメントのない会社の仕組みを作るスタートとして捉え、アップリンクに関わるすべての方々が働きやすい職場作りを目指していきます。私だけでなく、アップリンクという組織全体でも徹底していきたく思います」とコメントした。

 一方、原告側は訴訟後に設立した被害者の会「UPLINK Workers’ Voices Against Harassment」のツイッターアカウントで10月30日に協議締結を報告し、和解に至るまでの経緯や今後の活動などについて発表した。

 その中で「本訴訟については、合意の成立によって終了となりますが、私たち原告は、『円満』にも、そして『全ての問題が解決した』とも考えておりません」とコメント。和解協議の理由を「ほんのわずかでもアップリンクに在籍するスタッフの負担が軽減されるための仕組みを作ることの方が、より意味があると判断した」とし、「裁判ではなく、ハラスメントに対する具体的な対応について合意を得ることを優先した」と説明した。

 具体的な対応とは、複数株主制への移行、取締役会および第三者委員会の設置など。第三者委員会の設置については、原告が委員の候補者を提案するなどし、実施に至ったという。さらに、2次加害や訴訟後における「映画業界の沈黙」についても言及。

 「深刻なパワハラが繰り返されてきたことが明らかになってもなお、沈黙を続けるのは何故でしょうか。『作品に罪はない』と問題を矮小(わいしょう)化させてしまう発言をするのは何故でしょうか。加害者を擁護するため、被害者である私たちの発言を否定したのは何故でしょうか。尊厳を犠牲にすることを前提とした働き方が日本の映画業界を支えているのだということを、そしてその問題から目を背けたあなたの言葉や行動が、時に人を死に追い詰め、誰かの人生を奪っているのだという事に気づいてください」と訴えた。

 また、被害者の会には、ミニシアターや配給会社、映画製作の現場におけるさまざまなハラスメント被害の報告が届いているとし、「今後は労働者の権利を回復するために情報を発信していきたい」と、活動継続の意思を表明した。

 アップリンクのパワハラ訴訟をめぐっては、原告が裁判の「応援団」を募集。映画業界からは、監督の深田晃司さん、白石和彌さん、三宅唱さん、想田和弘さん、編集者・ライターの佐野亨さん、月永理絵さん、ミニシアターを併設する「神戸映画資料館」の支配人、田中範子さん、配給会社の東風などが賛同した。また、宮崎大祐監督は当初予定していたアップリンク吉祥寺での新作「VIDEOPHOBIA」の上映を取りやめ、映画「クリシャ」を配給するグッチーズ・フリースクールは、上映の延期を発表した。

 ミニシアターにおけるハラスメントの問題はアップリンクだけではない。8月28日から休館中のミニシアター、ユジク阿佐ケ谷(東京都杉並区)の支配人代行スタッフに6月30日、取材したところ「(今後については)現在、内部で調整中です。映画館の運営会社でも、サイトに掲載した以上のことをお答えしかねます」とした上で、「経営難だけが理由ではありません」と話した。

 10月10日に元スタッフが立ち上げたツイッターアカウント「元ユジクスタッフの声」では、「在籍中、伝えられずにいた私たちの声」として、同館で起きていたハラスメントについて投稿。「今後については、現在元スタッフ有志の間で話し合っている」としている。



パワハラ提訴、アップリンク元従業員が再び「涙の会見」、浅井代表の謝罪声明に「反省や真摯さ、感じ取れない」(➡ここをクリック

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