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鬼滅の刃、国会でもブーム 首相は「鬼舞辻無惨似」認識? 使うセリフ悩む議員も(2020年11月6日配信『毎日新聞』)

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衆院予算委員会で立憲民主党の江田憲司氏の質問に答えるため挙手する菅義偉首相=国会内で2020年11月2日午後2時28分、竹内幹撮影

 人気漫画「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」ブームが、言論の府・国会にも――。菅義偉首相が衆院予算委員会で、野党を相手に「私も『全集中の呼吸』で答弁させていただく」と、主人公らが放つ決めゼリフで気合を入れれば、野党議員は登場人物の「名言」で首相を戒める。与野党議員から引用が続くのは、漫画人気に便乗するのは、自己アピールのためだけではなさそうだ。

 今秋の臨時国会で、最初に「鬼滅」のセリフを用いたのは首相だった。衆院予算委員会の質疑初日となった2日、自身とゆかりの深い立憲民主党の江田憲司氏が「首相の初めての選挙を手伝った。私が政界に身を置くきっかけを作ったのも首相だ。今は政敵で立場を異にするが感慨深い」と質問を切り出すと、首相は「江田さんですから、私も全集中の呼吸で答弁させていただきます」と発言した。

 全集中の呼吸とは、主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)らが、敵方の鬼を倒すために剣技を繰り出す際に行う呼吸方法で、自らの力を最大限に引き出す効果がある。首相の発言は、日本学術会議問題などへの追及に対し、気を引き締めて答えようという意思表示だったとみられる。

首相は漫画を読んだのか

 首相は「鬼滅」を読んでいたのか。加藤勝信官房長官は質疑後の記者会見で「『全集中の呼吸』は、鬼滅の刃で使われている呼吸法の一つと承知するが、首相が読まれたかは承知していない。予算委に総理として真剣に取り組んでいきたいという思いだ」と語った。

 首相周辺は、首相の民間ブレーンが「こういうのを話せばどうか」と助言し、首相自身が答弁に盛り込むことを決めたと明かす。「首相は恐らく読んでいないだろうが、話題になっているのは知っている。(登場する)あるキャラクターに似ている、と言われていることも自覚している」と語る。

 4日の予算委では、野党から引用が相次ぐ。国民民主党の玉木雄一郎代表は、新型コロナウイルス対策の徹底を訴え、質問の最後に「今が瀬戸際という意識を持って全力で。それこそ『全集中の呼吸』で取り組んでほしい」と激励した。

「私の言うことは絶対」 野党が首相をなぞらえたのは

 立憲の辻元清美氏は学術会議問題を巡り、首相が従来の法解釈を変更して、新会員候補を任命拒否したと批判。質問の締めくくりに、主人公炭治郎の敵で、鬼の元締である鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)のセリフを引いて「『私の言うことは絶対である。私が正しいと言ったことが正しいのだ』。こうならないように注意していただきたい」と首相を戒めた。

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衆院予算委員会で質問をする立憲民主党の辻元清美副代表=国会内で2020年11月4日午後2時25分、竹内幹撮影

 鬼舞辻無惨は、目的達成のためには手段を選ばない。インターネット上では、首相の考え方や発言が、無惨に重なるとの指摘がある。辻元氏は質疑後、「(2日の予算委で)菅さんが何か言ったと思って調べた。いろいろなセリフがあったけれど、そこから(無惨の言葉を)選んだ。『人事の刃を振り回したらいけない』と言おうかとも考えたけれど……」と漏らした。

 流行の言葉を繰り出し、世論にアピールするのは政治家の常だ。だが今回は、様相が若干異なるようだ。鬼滅は、炭治郎の成長物語であると同時に、家族愛や友情を描いており、人生訓や説諭、心を奮い立たせるセリフが目立つ。野党関係者は「鬼滅のセリフは、警句や批判として使いやすいところがある」と語る。




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