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都構想否決で橋下徹のトンデモ語録!「都構想でどうなるかなんてわからない」「ロマンの話なんで」(2020年11月7日配信『リテラ)

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都構想否決で橋下徹のトンデモ語録!「都構想でどうなるかなんてわからない」「住民投票はやりがいのあるショー」の画像1
毎日新聞攻撃を扇動した橋下徹Twitter

 都構想の住民投票が否決を受けたというのに、維新の連中はまったく反省がないらしい。松井一郎大阪市長は否決の結果を受けた会見で「政治家冥利に尽きる」と発言。「2回も住民投票をし、100億もの血税をつぎこんでおいてに何を言っているのか」「お前の政治家冥利のために大阪市民をこんなことに巻き込んだのか」とツッコミの声が多数上がった。

 しかし、松井市長以上に呆れたのが、橋下徹・元大阪市長だ。橋下氏は周知のとおり都構想、維新の生みの親。もう政治とは関係ないといいながら、今回もツイッターで都構想を後押しする発言を連発してきた。そして、住民投票の結果が出ると、今度はテレビでこの否決についてしたり顔で解説をはじめたのだが、これがまあ、自己正当化と暴論の嵐だったのだ。

 その典型が、一夜明けた11月2日、この秋から月曜レギュラーコメンテーターをつとめる『グッとラック!』(TBS)での発言だった。

 MCの立川志らくから、高齢者だけでなく若い世代でも反対が多かったことを問われると、橋下はこう語り始めたのだ。

「裏を返すと、(大阪の政治が)どんどんどんどん良くなってきたもんだから(略)。僕のときは、若い世代が圧倒的に変化を求めた。僕のときには、府と市の対立を解消してほしい、変化してほしい、変化させてほしいという声が、若い世代に多かったんだけど、大阪都構想の政治運動をやることによって、二重行政が解消しながら、実は若い世代がいまのまんまでいいやんかって思ってしまった。ここがある意味ジレンマというか。僕都構想運動やってて、ある意味矛盾というか、そういうことを感じながらも、大阪都構想運動を10年間やってきて、若い世代がこのままでいいやんかと思ってくれたことは、ある意味政治としては成功したのかなというふうに、自分なりに納得しています」

 その後も「今回、若い人たちが20代の人たちが仮にいまのままでいいって言ったんであれば、僕はそれはうれしいですよ」「10年間維新の政治をやって、若い世代がそれでいいって言ってくれたんだったら。普通だったらね、若い世代が希望も持てず、高齢者のことばかり聞くような政治変えてくれっていうような声になるはずなのに、20代の人たちがいまのまんまでいいんじゃないかって言ってるってことは、言ってるってことは、ちょっと負け惜しみかもわかんないですけど、僕が10年前に大阪府知事になってからの10年間、こういう大阪にしたかったというところで、僕は納得しています」などと、繰り返した。

 自分たちの掲げてきた最大の政治スローガンが若い世代からもNOをつきつけられたというのに、なお「若い人がそのままでいいやんかと思ってくれた」「政治が成功した証拠」と言い張るとは、なんという我田引水・自画自賛。この元府知事・市長は自分が保健行政や医療福祉を削減したことが、大阪のコロナ対応を遅らせ、医療体制を逼迫させ、他都道府県以上の深刻な犠牲者を出したことを完全になかったことにしてしまっているらしい。

 しかも、橋下氏は若い世代が都構想反対に回ったことを自分の政治の手柄にしながら、まったく矛盾したトンデモ主張も口にしていた。それは、ロンブー田村淳がこんな周回遅れの“シルバーデモクラシー批判”をしたときのことだ。

「前回の大阪都構想否決のときにも、年代によって、若い人は改革を求める、年配の方々は現状維持を求めたわけですけど。そのときに、やっぱ疑問に思ったのは、年代による人口比率、拮抗しているときの選挙が終わって、1万7千票差でしたって言われたときに、やっぱり僕腑に落ちないのは、そりゃ、60代、70代の人の人口が多いんだから」

ロンブー淳のシルバーデモクラシー批判に乗っかり「生まれたての子どもにも1票、親が行使」

 そもそもこの淳の発言じたいが的外れもはなはだしい。こうしたシルバーデモクラシー批判は、前回、都構想が否決された際も、辛坊治郎氏ら維新応援団や堀江貴文氏、夏野剛氏ら新自由主義者たちが持ち出し、「反対したのは高齢者だけ」「高齢者が都構想を潰した」「老害投票」などと声をあげていた(https://lite-ra.com/2015/11/post-1692.html)。

 しかし、実際のデータを分析すれば、前回の都構想住民投票のときも高齢者だけが反対したわけではなく、シルバーデモクラシー批判の嘘は明らかだった(https://lite-ra.com/2015/05/post-1118.html)。ましてや、今回の出口調査では、前述したように、20代でも都構想反対が上回っていたのだ。前回の都構想住民投票否決をシルバーデモクラシーと言うなら、都構想賛成は中年だけが支持している中年デモクラシーだろう。

 ところが、橋下氏はこの淳のトンチンカンな分析に乗っかって、基本的人権も民主主義も無視したこんな暴論を主張し始めたのだ。

「これは大阪の問題に限らず日本全体の問題ですよね。人口だけじゃなく投票率も高齢者のほうが高いわけです。どうしても政治家は、いまの選挙制度であれば高齢者のほうに目を向けるようになってしまいます。やっぱり政治家って票をもらわなきゃ生きていけないので、そっちのほうに目を向けてしまうんですね。選挙制度は確かに僕らがいくら言っても簡単に変わることはないんですけど、僕の持論は、子どもたち、生まれてからの子どもたちにも、1票与える。その子どもたちが選挙権行使できないので、それを親が行使する。これ言うと、うち子ども7人いるから、自分の家庭のこと考えて言ってんだろって言われちゃうんだけど。でも、生まれた子どもたちにも1票与えて、親がそれを行使するっていうことをやらないと、未来に向けた政治ができないと思います。ただ、これは政治家はやらないですよ。高齢者から票をしっかり集める政治家は絶対こういうことはやらないでしょうね」

 子どもと親の意見が必ず一致するわけではないし、親が望む未来が子どもの望む未来と一致するわけでもない。父親と母親で意見が一致するとも限らない。それなのに、0歳の子どもに1票を与え、親が代わりに行使するって、こんなに子どもの人権を無視した考え方があるだろうか。ようするに、橋下氏は子どもは親の所有物、妻は夫の所有物と考えているのだ。

「都構想で住民サービスがどうなるかなんてわからない」「100億、200億は誤差の範囲」

 しかし、こんなものはまだ序の口だった。さらに驚いたのは、志らくから「反対派が住民サービスが下がるって言ったのに対し、賛成派から明確な答えがなかった」「もし都構想が可決されたら、住民サービスはどれくらい、本当は下がるんですか?」と質されたときのことだ。てっきり「住民サービスは低下しない」と言い張ると思いきや、橋下氏はこんな開き直りを当然のように語り始めた。

「維新、都構想賛成派のほうも、住民サービスは充実しますよと言っていました。反対派のほうは住民サービスは下がる、これがぶつかってしまったんですけど。結論から言うと、これはわかりません。わからないんですよ。将来のね、10年、20年、30年後の、大阪の財政状況の数字なんていうのは、正確に出せません」
「いま、赤字になるか、黒字になるか、その幅が20億なのか30億なのか100億なのか、ってこんな話してますけど、実は大阪の予算ていうのは数兆円です。100億、200億なんてのは、正直、誤差の範囲なんです」
 
 おいおい、ちょっと待ってほしい。「住民サービスは低下しない」「都構想で経済成長」などとあれだけ主張していたくせに、「将来のことなんてわからない」「100億、200億なんて誤差の範囲」って、無責任にもほどがあるだろう。

 だいたい橋下氏といえば、10月26日、毎日新聞が出した「大阪市4分割ならコスト218億円増 都構想実現で特別区の収支悪化も 市試算」という記事について「大誤報」などと攻撃を扇動していたのではなかったか。(https://lite-ra.com/2020/10/post-5687.html)。

 それが、住民サービスが低下するかどうか「将来のことなんてわからない」って、だとしたら、維新の喧伝してきた「大阪都構想で経済成長」とか「住民サービスは低下しない」という見通しのほうこそ、根拠のないデマ、捏造だったということではないか。

 これでよく毎日新聞の報道を「大誤報」などと言えたものだ。いや、そもそも橋下氏はたんに毎日新聞に痛いところを突かれたため、批判を封じ込めようと攻撃していただけで、ほんとうは毎日新聞の報道が誤報でなかったことなどとっくにわかっていたのだろう。だから、投票前はこの報道について〈都構想が可決されればそれでいいが、否決されれば住民投票は無効だろう。〉とまでいっていたのに、否決されたあと、この毎日新聞の記事には一切ふれなくなったのではないか。

結果も効果もわからない都構想をやった理由は「チャレンジ」「ロマン」とうそぶく橋下徹

 まさに都構想の詐欺的手法を自ら証明した橋下氏だったが、この後に続いて出てきたセリフも驚くべきものだった。

「それから毎年予算は、スタートは、200億、300億の赤字から始まって、1年経ったら数百億くらい余るんですよ。これ当たり前で、数兆円の予算組んでいったら、不用額っていうのが200億、300億、出てくるんですよ。お金が足りないのか、いや余ってるのか、これは水掛け論になってしまう。だから最後、僕はずっと言ってたんですけど、現状の枠でやっていくのか、可能性にチャレンジするのか、結局はこの2つ。可能性にチャレンジってなると、見えない、不安だって心理状況になるんだけど、僕はチャレンジで行こう!っていうことを言い続けてきたんだけど、やっぱりそれがうまく浸透しなかったですね」

 大阪府知事・大阪市長時代、あれだけ「大阪は大赤字、企業ならとっくに破産している」とわめき、「コスト」「生産性」「無駄をなくす」として医療や福祉、住民サービスを徹底して削減してきた橋下氏。しかし、実際は「お金が余っているのか足りているのかはわからなかった」らしい。

 そして、結果や効果がわからなかったのに、都構想をぶちあげた理由が「チャレンジで行こう!」だったというのである。橋下氏はさらにこう続けた。

「大阪都構想に限らず、日本全体のメンタリティにも挑戦したつもりだったんですよ。これからの時代、不安であったとしても、不確実であったとしても、第一歩踏み出さなきゃ乗り越えられないじゃないか。可能性にチャレンジする日本人にならないと、世界のなかでやっていけないんじゃないかっていう思いが、2008年からずっとあって。ひとつ大阪都構想運動をしてきましたけど」
「僕は大阪都構想から、さらにグレーター大阪、関西州になって、道州制に話を持って行きたかったんですけど。これは、明日あさって、飯を食べる話じゃないんです。日本の国の形をどうするかっていうロマンの話なんで、そりゃ明日あさっての飯の話を持ち出されると、ロマンの話はなかなか通じないですね」

 そもそも道州制と大阪市廃止は逆方向の話だと思うが(道州制は市を残して都道府県を廃止する制度)、信じられないのは、橋下氏が都構想を正当化するために、「チャレンジ」だの「ロマン」だのといった安っぽい自己啓発本みたいな精神論をもちだしてきたことだ。

 しかし、これ、ある意味、橋下氏の本音なのではないか。冒頭、松井市長が否決を受けて「政治家冥利に尽きる」と発言し、批判を受けていることを紹介したが、実はこれ、前回の住民投票で都構想が否決された際に大阪市長だった橋下氏が語ったセリフと同じものだ。

「あんなやりがいのある仕事はない」「憲法改正の国民投票も絶対にやるべき」

 つまり、橋下氏、松井市長、維新は必要性にさしたる根拠はないにもかかわらず「なんかでかい変化にチャレンジしたい」という自分たちの“ロマン”政治家としての“個人的野心”を実現するために、都構想をぶち上げたということだ。

 しかし、その個人的な欲望に、大阪市民は巻き込まれ、分断され、さらには合計100億円もの税金がつぎ込まれたのだ。

 しかも、橋下氏はそのことに対してなんの反省もない。実際、この日の『グッとラック』で、橋下氏は図々しいことに東京23区についてこんなことを言い出していた。

「東京23区制度、東京都政にもいろんな問題点あるんですよ。実はこのコロナの対応において、保健所が機能しなかったのは、東京都区制度にすごい問題あるんです。やっぱり23区は多すぎるんです。23区は再編して合併するところは合併しければいけない」

 また、開票直後の深夜に放送された『報道ランナーSP 大阪都構想2度目の決着』(関西テレビ)でも、こう語っていた。

「これ以上のあのやりがいのある仕事はないですよ。だから僕は憲法改正の国民投票も、憲法改正の中身は別として、国全体でこういうことをやってみんなで考える。自分たちの一票で決めるってことを僕がやるべきだってことをずっと言ってて。憲法改正の国民投票を絶対やるべきだって言ってたんですけどね」

 もし菅首相との蜜月関係にある橋下氏が国政に打って出て、閣僚、そして菅首相の後継になるなんてことがあったとしたら、「ロマン」「チャレンジ」「やりがい」として憲法改正の国民投票をやろうとするのは確実だろう。

 そう考えると、メディアは橋下氏にこんなしたり顔の解説をさせている場合ではない。再びポピュリズム政治を復活させないためにも、むしろ、今回の大阪都構想否決を契機に橋下氏や維新の、この間の、税金無駄遣い、民主主義プロセス軽視、数々のデマ攻撃を、徹底的に検証・追及するべきではないのか。

(編集部)




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