FC2ブログ

記事一覧

コロナ終息せず住まいの“命綱”期限迫る…12月以降に「路頭に迷う」懸念とは?(2020年11月12日配信『AERA.com』)

キャプチャ
コロナが影響した解雇や雇い止めは7万人に迫る。国の支援策が年内に切れると、多くの人が住まいをなくし、路上に追いやられることになりかねない(撮影/写真部・東川哲也)

 コロナ禍での生活困窮者へ支援の期限が迫っている。「命綱」がなくなれば、年明けには路頭に迷う人が増えることが懸念される。
*  *  *
 コロナの終息が見えない中、生活支援を行う多くの関係者が口を揃えるのが、今のままでは年明けに多くのホームレスが生まれる心配だ。

 コロナ禍における国の生活困窮者への支援策は、(1)家賃を補助する「住居確保給付金」(2)企業の雇用維持を支援する「雇用調整助成金」(3)個人向け緊急小口資金などの「特例貸し付け」──の3本柱。これらは多くの生活困窮者の暮らしをつないできたが、収入や企業の業績が回復しないまま期限を迎える事態が年内にも起こりうるのだ。

■「命綱」の期限が迫る

 なかでも住居確保給付金は、生活に困っている人の家賃を補助する生活困窮者の「命綱」となっている。東京23区の場合、単身世帯で毎月5万3700円が支給される。しかし支給期間は最長で9カ月。4月から10月までの利用者は計10万件を超え、4月から支給を受けている人は12月で期限が切れる。期限が切れれば、家賃を払えなくなる人が多数出る。

 雇用調整助成金も、コロナに苦しむ事業者とその従業員にとって「生命線」だ。労働者を休ませた企業に日額で上限1万5千円を助成し、4月からの累計支給件数は約160万件(10月23日時点)。だがこれも、12月末で期限が切れる。途切れれば、これまで何とかしのいでいた企業が、休業中の従業員に解雇を通告することも考えられる。

生活困窮者の支援活動を20年近く続けているNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」理事長の大西連(れん)さん(33)はこのままでは多くの人が路頭に迷うことになると指摘し、こう提案する。

「どちらの支援策も支給期限を無期限にするのが望ましい。それができなくても、少なくとも1年、来年3月までは延長するべきです」

 支援の期限が切れた時、「最後のセーフティーネット」として生活保護がある。だが実は、コロナ禍にあって生活保護の申請件数は増えていない。厚生労働省によると、7月の生活保護の申請数は全国で1万9650件と前年同月比の11.1%減。3カ月連続の減少となった。

大西さんは、理由は「生活保護は現状に合っていないからだ」と指摘する。

「まず、扶養照会です。生活保護を申請すると家族に援助は可能かどうか扶養照会が行われますが、家族との関係が悪いとそれが嫌で申請をためらう人は少なくありません。さらに、車の所有についても厳しい条件があります。扶養照会は意味がないのでやめ、車は特に地方では重要な『足』となっているので所有は認めるべきです」

■声を上げづらい社会に

 また、窓口での申請手続きが複雑で、セーフティーネットの網からこぼれ落ちる人も少なくない。生活保護や貸し付け等の申請のオンライン化を進めていくことが求められるという。そしていま住む場所がない人には、すぐアパートに入れるようにする必要があると説く。

「しかも3畳で相部屋、風呂なし、トイレは共同のような劣悪な物件ではなく、個人のプライバシーが守られる質の高い部屋が求められます」(大西さん)

 菅義偉首相は目指す社会像の最初に「自助」を掲げ、「自分でできることは、まずは自分でやってみる」と打ち出した。しかし、と大西さんは力を込めた。

「すでにみんな頑張っています。『まずは自分』が強調されると自己責任に重きを置く社会になり、社会的に立場の弱い人々が声を上げづらくなる。ホームレス対策でまず必要なのは『公助』です。生活が安定して初めて努力や個々の頑張りができます。自助努力だけを優先する対策では、何も解決できません」

(編集部・野村昌二)

※AERA 2020年11月16日号より抜粋




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ