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寿都 核ごみ住民投票否決 「肌感覚」尊重 民意問わず 賛否同数で議長裁決 反対派「納得できない」(2020年11月14日配信『北海道新聞』)

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住民投票条例案が否決された後、取材に応じる住民団体代表の三木信香さん(左手前)=13日正午、寿都町役場(玉田順一撮影)

 【寿都】原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査への応募を巡り、後志管内寿都町議会が初めて示した意思は、民意の確認より片岡春雄町長の「肌感覚」を尊重する判断だった。応募の是非を問う住民投票条例案が否決された13日、投票を求める住民は「納得できない」と憤り、町長のリコール(解職請求)を目指す強硬論も上がった。全国初となる文献調査は町内に深い分断を残したまま、今月中旬にも始まる。

 「私たちの『肌感覚』では文献調査に反対の人は、着実に増えている。まだ諦めたくない」。否決を受け、条例制定を求めた住民団体「子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会」共同代表の三木信香さん(49)は語気を強めた。採決前には意見陳述に立ち、核のごみの議論は「子どもたちにも話さなければいけない大事な問題だ」と訴え、中学生以上が投票できる住民投票条例の制定を求めた。

 寿都町で調査応募の動きが表面化したのは8月中旬。片岡町長は「肌感覚」では賛成の町民が多いと訴え、10月上旬に応募に踏み切った。この間、町議会が賛否を明確に表明する機会はなかった。

 条例案の採決では、小西正尚議長を除く8人の町議の賛否が4対4で拮抗(きっこう)し、議長裁決で否決された。ただ審議では4人の町議が賛成の立場で討論に立ったのに対し、反対派町議はわずか1人。最後は議長が否決するという流れは、反対派には織り込み済みだった。小西議長は報道陣に「町議(の賛否は)は半々だった。あとは町長の判断が尊重されるべきだ」と強調した。

 町議会は議長が許可しない限り、議場内の録音や撮影を禁止しており、小西議長はこの日も認めなかった。結果を聞いた奥野利子さん(64)は「町議会は文献調査応募を非公開の全員協議会でしか議論してこなかった。民意が反映されたとは言い難いのに住民投票も否決するとは」と批判した。

 「町民の会」共同代表の1人、吉野寿彦さん(60)は13日、「年明けにもリコールに向けて動きだす」と明言。同会は文献調査への反対署名約800人分を集めた経験があり、リコールに必要な約840人の署名も集められると見込む。ただ会の中には「世話になっている町長のリコールには協力できない」という人もおり、実現の可能性は低いとの見方が強い。

 「国としては地域の判断を尊重したい」。経済産業省の担当者は13日、条例案否決を淡々と受け止めた。「文献調査前の住民投票は不要」という町議会の判断は、調査開始へのお墨付きを国に与えた形となった。

■議会 監視機能に問題 神原勝・北大名誉教授(自治体学)の話

 議会は住民の声を町政に届ける役割がある。住民投票条例案について寿都町議会は否決したが、もっと住民の思いをくんで判断すべきだった。住民参加は保障されるべきで、議会は否決するなら、住民投票に代わる住民参加をどうするのか示してから否決の手順を踏む必要があった。

 核のごみの問題は、まちの将来に大きく関わり、住民投票は必要だ。首長や議員は選挙で選ばれたとはいえ、政策の全てを有権者から負託されているわけではない。寿都で本年度からスタートした町総合振興計画に処分場に関する記載はない。町政の最も基本の計画で触れていないのに、町長は住民の合意形成を図ろうとせずに応募した。そのやり方はおかしい。今回の判断をみると、議会が監視機能の役割を十分果たせていない。(川崎学、久慈陽太郎、佐々木馨斗)




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