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(論)外国人留学生 感染続出/相談、受診 確実に情報届けよ(2020年11月15日配信『河北新報』-「社説」)

 対策の盲点がまた一つ浮かび上がってきた。

 新型コロナウイルス感染防止の呼び掛けが、留学生をはじめ、国内で暮らす外国人に浸透していない恐れが高まっている。

 仙台市では自動車大学校に通う留学生1人の陽性が、留学生の大規模なクラスター(感染者集団)に発展した。

 対策に死角があってはならない。予防策を徹底するとともに、外国人一人一人に確実に情報が届き、戸惑うことなく相談や受診ができるよう緊密な関係づくりが必要だ。

 仙台市の例は、感染者と同居する別の学校の留学生も陽性と判明した。市内で感染が判明した留学生は、今月12日までに計42人となった。

 留学生は家賃負担を軽くするため、寮やルームシェアで共同生活を送ることが多い。トイレやシャワー、台所などを共用する中で、感染が広がったとみられる。

 注目すべきは、感染リスクを負う共同生活を送りながら、症状が出ても多くは医療機関に出向かなかったことだ。感染者42人のうち、自ら受診したのは7人だけだった。

 宮城県と仙台市は、12カ国に対応できるコールセンターを設けている。医療機関に相談する際の注意点を明記する多言語のパンフレットも作成している。

 しかし、相談の受け皿は当事者が認識し、必要に応じて利用しなければ、設置した意味がない。

 仙台市内には約1万3800人の外国人が住み、留学生は約5000人。語学力は個人差があり、日本語に自信がない場合、交わる相手は同じ国籍の留学生や外国人だけの「外国人コミュニティー」ができることが多々ある。

 そこでは、日本に暮らしながら、困った時に気軽に話せる日本人がそばにいない。留学生には通学先が積極的に呼び掛けなければ、コールセンターなどの相談窓口にたどり着くことは難しくなる。

 行政側や通学先がありきたりな情報提供を続けていては、必要な情報が個々人に行き渡らない。

 会員制交流サイト(SNS)を活用し、居住する自治体の感染情報を各自に送り、相談を呼び掛けると同時に、問い合わせに応じる双方向の取り組みを充実させるべきだ。

 技能実習生として滞在する外国人に目を配ることも怠ってはならない。寮などで共同生活を送ることが多く、生活環境は留学生と同じだ。

 国の認可法人、外国人技能実習機構がホームページに感染対策などを詳しく掲載し、注意を呼び掛けている。

 こうした取り組みを生かすためには受け入れ企業など身近な人の対応が重要になる。

 コロナ禍の中、外国人は母国から離れて不安を募らせている。体調を毎日確認し、親身に相談に応じることが、集団感染のリスクを早期に摘み取ることにつながるはずだ。




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Author:gogotamu2019
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